半グレ組織
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間島 恭一(まじま きょういち) 半グレ組織に所属する20歳の青年。盗聴やピッキングなど犯罪知識を豊富に有し、状況判断と行動力にも優れるため、若年ながら実働部隊のリーダーとして組織内で重要な位置にいる。延人失踪後にいち早く哲雄を疑い、拉致して尋問するなどの実力行使に出るが、独断行動と組織に判断され、指揮権を剥奪された。立場が危うくなったところで、哲雄からの提案で彼と一時的な協力関係を築き、(すでに死んでいる)延人捜索を共同で進めることになった。 実家は創業50年の大衆食堂を経営していたが、12年前に父親がヤクザと揉め自殺したことで廃業。この体験から「世の中は力こそ正義」「力がなければ正義を貫くことさえ出来ない」と考えるようになり、自身の行動規範になっている。母親とは離れて暮らすが、身の回りの面倒を見ており、組織で稼いだ金で母と一緒に食堂を再開する夢を持つ。 哲雄の策略によって延人殺しの犯人に仕立て上げられたため、組織に捕縛され殺害されそうになるが、隙をみて逃走に成功する。組織に追われる身になったが、その後は中学時代からの友人である金井に匿われていた。哲雄を通じ、金井が組織に殺害されたことを知ると、“石井信”の殺害要求を哲雄に対し行っている。ほどなく組織を壊滅させるために警察に自首し、組織の情報を供述する。 志野(しの) 半グレ組織のトップ。暴力団「間野会」に所属し、スカウトした窪をリーダーに据え半グレ組織を作り上げた男。詐欺師の才能を見抜き、麻取義辰を組織に引き抜いた。警視庁組織犯罪対策部の一人を買収しており、警察内部の情報を得ている。 鳥栖家の財産を奪う目的で「和服の鳥栖」にあらかじめ女性部下を新入社員として送り込んでいる。窪からの依頼で鳥栖哲雄殺害のための武器を手配する傍ら、部下たちに呉服店や鳥栖胡蝶の自宅に侵入を指示し、信者の預金通帳や鳥栖家による脱税などの犯罪的証拠を手に入れている。 窪(くぼ)/佐武 辰巳(さたけ たつみ) 半グレ組織のリーダー。暴力団「間野会」に出入りするフリーの殺し屋で、本職のヤクザのような雰囲気を持つ強面の中年男。恭一ら若手構成員を指揮統率する立場であると共に、相手を組み伏せる柔術や、銃器類の扱いに長けていることから、躊躇なく殺しを行う。志野によれば中東での傭兵経験があるという。この物語のラストボス的な存在となっている。なお、本名「佐武辰巳」はのちに殺戮事件を特集した雑誌で明らかにされた。 組織の稼ぎ頭である麻取義辰には頭が上がらず、“コネ”で組織に加入してきた麻取延人を特別扱いしている。酒癖が悪く、自分の言うことを聞かない延人を扱い辛く思っているが、もともと徹底した合理的思考の持ち主であり、組織にとって利益にならないと判断すれば仲間であっても迷わず切り捨てる。延人殺しの疑いが深まった古株の恭一に対してもあっさり見切りをつけ、組織の若手構成員に恭一の殺害を命じる冷酷さを持つ。 恭一が警察に自首したことを起因に、間野会へのメンツが潰れることを恐れた志野の指示を受け、組織崩壊の立役者となった「鳥栖哲雄殺害」の結論が出る。哲雄を追って、歌仙の育った村に入るが鳥栖洋二に追い出される。状況を聞いた志野の決断と手配で、ライフル等の武器が準備されることになり本格的に哲雄の殺害に向け動き出すことになった。 部下らと共に再び村に侵入し、哲雄を匿う教祖ら鳥栖家と拳銃を向け合いながら対峙するが、事前調査不足と鳥栖次郎の肝の座った対応から全面戦争回避を決断する。代わりに、鳥栖郷一郎拉致の秘策を思い立つ。 二人の部下がこの秘策を実行し、床下から屋敷に侵入し拉致を行おうとしたが、哲雄による郷一郎殺害の直後であったため、殺害現場に居合わせることになってしまう。殺害現場の異音に気付いた洋二ら鳥栖家の武闘集団によって二人は射殺され、拉致は失敗に終わっている。 失敗後、残った部下らと共に村の山中に逃げ込む。洋二ら教団関係者の山狩りに遭い、結果的に全ての部下を失ったことで、部下の保護を気にすることはなくなり身軽となる。傭兵経験を活かした驚異的な身体能力と教団関係者から奪った銃や斧を使い、村の教団関係者ら160名以上を殺傷する。窪の自殺教唆に応じた者の数を加え、かつとどめを刺した人数を加えれば、180名以上の殺害に関与した。 ほぼ育児放棄された母子家庭で育ち、暴力的な生活だった高校の時に夜の仕事をする母親の再婚相手に暴行を受け、反撃したことで家を追い出され野宿同様の生活となる。後にその再婚相手と母親を心中に見せかけて殺害した疑惑を持たれている。 哲雄と対峙するが、哲雄が仕掛けたトラップをかいくぐり、山の中に逃亡。大規模な山狩りと捜索が行われたが、その後の足取りは掴めていない。 麻取 延人(まとり のぶと)/山内 延人(やまうち のぶと) 零花の彼氏で20歳。少年院出所後に父親から誘われ、“コネ”で半グレ組織に加入した。歌仙の実家の財産を狙う組織の指示で零花に近づき、付き合いを始める。 粗暴で感情の起伏が激しく、一度怒ると手が付けられない程暴れる自己中心的な性格で、以前にも酔った勢いで2人の女性を衝動的に殴り殺して組織にもみ消してもらったことがある。そのため、窪を始めとする組織から内心疎まれ、失踪後も本気で心配する者はいなかった。更なる娘への暴力を恐れた哲雄によって撲殺され、推理小説の執筆で培った知識を元にその死体は骨を除き跡形なく処理された。 その素行の悪さは繁華街でも有名で、入り浸っていたキャバクラなどの情報が警察によって収集されるなど、組織における存在理由はコネだけであり能力も低かった。 麻取 義辰(まとり よしたつ)/山内 義辰(やまうち よしたつ) 延人の父親で47歳。凄腕の電話詐欺師であり、電話口で何人もの人間を演じ分け言葉巧みに相手を騙し、半グレ組織の収入の多くを一人で稼ぎ出す様は窪からも一目置かれ畏れられている。立場を利用し、金に糸目をつけず行方不明になった息子・延人の捜索を窪に命じる。 幼いころより親の敷いたレールを歩み、ひたすら勉強し続け一流企業に就職し家庭も持ったが、勉強以外を知らない歪な育ち方をしたせいで他者との接し方がわからず、自分の家族にさえうまく愛情を表すことが出来なかった。やがて息子・延人が非行に走るなど家庭環境が悪化し、妻とも離婚。仕事も退職し抜け殻のように生きていたところを志野に見出され、組織に加入した。それまでの反動から延人を溺愛しており、自ら組織に招き入れた。 逃走した恭一から電話を受け、延人が殺されたことを内心意識しつつも、零花のマンションに赴く。部屋に居合わせた哲雄の自白によりそれが確信に変わり、哲雄を殺そうとし取っ組み合いとなるが敵わず、哲雄に呪詛の言葉を遺しつつ包丁で腹を突き刺し自殺した。 死体は哲雄によって山の中に埋められた。しかし、土砂崩れにより死体が上がった結果、警察の鑑識によって身元が割れ、本名が「山内義辰」と明らかにされた。 竹田(たけだ) 半グレ組織のメンバー。組織の最古参の一人であり、失脚した恭一に代わり延人捜索の現場指揮を任された。年の離れた恭一とは事あるごとに対立し反目しあっているが、内心では恭一のことを認めている。 恭一を逃がしたことで窪から制裁を受け、その後金井殺害の件で逮捕状の取られた部下3人の口封じを命じられる。彼らへの仲間意識から逡巡しながらも手を下したが、山中で仲間の死体を埋める際、突如現れた窪によって頭を撃ち抜かれ、殺害された。 石井 信(いしい しん)/小泉(こいずみ) 半グレ組織の見習いメンバー。芸能人を目指していたが、竹田の招へいによって組織に加入する。少女マンガに出てくるようなイケメンであるが、初対面の哲雄に対しタメ口を利くなど生意気な性格。 石井は偽名であり、本名は小泉。本物の石井信が組織に売った学生証の写真を差し替えるなど偽装し、大学生に成りすましている。竹田から延人の後釜として大学生の零花に近づくよう命じられる。 死亡した金井を引き合いに出し、通夜参列のためと零花を騙し連れ出すことに成功するが、その動きを察知した洋二ら鳥栖家の暗部に捕まり、重傷を負わされるが殺されることなく匿われていた。のちにカルト教団に洗脳された状態で、半グレ達の前に再び姿を見せる。
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