呉服店とは? わかりやすく解説

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呉服商

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/25 03:21 UTC 版)

呉服商(ごふくしょう)は、日本において「呉服」とも称される、和服の販売に関わる商業事業者、商人[1]。歴史的には、江戸時代に規模の拡大[2]や業態の大きな改革を経て[3]、明治時代以降における近代的な百貨店の発達の基礎を築いた[4]


  1. ^ 大辞林 第三版『呉服商』 - コトバンク
  2. ^ a b 大丸についての言及:末田智樹「大正・昭和期における伝統呉服商の百貨店化 : 大丸の経営動向と企業家活動に着目して」『岡山大学大学院文化科学研究科紀要』第18巻第1号、岡山大学大学院文化科学研究科、2004年11月、147-172頁、doi:10.18926/1388NAID 120002306017“この後は、文化14年(1817年)の大阪と文政9年(1826年)の京都の両方に両替店を設けて ... 傘下の店の内、10店が創業から明和期までの40年間に開設され(表1)、大丸は創業初期に急速な経営発展をみせた。... 図2では、江戸期の総資本高が上昇の一途であり、売上高は漸増していたことがわかる。” 
  3. ^ 下向井紀彦「書評: 武居奈緒子『大規模呉服商の流通革新と進化―三井越後屋における商品仕入体制の変遷―』 千倉書房、2014年3月、216頁」『東北アジア研究』第19号、東北大学東北アジア研究センター、2015年、189-197頁、ISSN 1343-9332NAID 120005556195“越後屋といえば、初代三井高利が始めた現銀掛け値無しや切売で名高い大店であり、三井高利の商法は呉服商売におけるイノベーションを起こしたとして、一般的にその革新性を評価されている。本書は、越後屋の革新性は販売面のみならず、仕入面においても発揮されて事業展開を行ったという視点に立ち、仕入革新という観点から越後屋の経営の特質を論じるものである。” 
  4. ^ a b 末田智樹「日本における百貨店の成立過程 : 三越と高島屋の経営動向を通じて」『岡山大学大学院文化科学研究科紀要』第16巻第1号、岡山大学大学院文化科学研究科、2003年11月、263-288頁、doi:10.18926/1357NAID 120002305912“これまで日本における百貨店の成立過程については、明治38年1月の新聞各紙上での三越の「デパートメントストア宣言」から始まり、これを契機に三越自身、さらに東京では松坂屋、白木屋、松屋、そして大阪では高島屋、十合、大丸といった呉服店が、大正中期にかけて株式会社化を行い、次々に百貨店として成立したという見解で一致している。” 
  5. ^ デジタル大辞泉『呉服屋』 - コトバンク
  6. ^ 日本きもの連盟について”. 日本きもの連盟. 2015年12月27日閲覧。 “日本きもの連盟は国民生活における和装生活の普及と和装文化の普及を事業目的とする全国各地の呉服店、... 呉服小売団体、...”
  7. ^ 全日本きもの振興会の正会員名簿には、「○○呉服商組合連合会」などといった表現と並んで、「○○呉服専門店会」、「○○呉服小売商連合会」といった表現が見える。:正会員名簿”. 全日本きもの振興会. 2015年12月27日閲覧。
  8. ^ a b c 江戸期の豪商と光琳の生涯”. 上京区 (2010年12月6日). 2015年12月27日閲覧。
  9. ^ a b c 三友新聞社. “越後屋誕生と高利の新商法”. 三井広報委員会. 2015年12月27日閲覧。 “... 高利は天才的な創意で新機軸の商法を編み出していく。その代表的な商法が「店前(たなさき)売り」と「現銀(金)掛値なし」である。当時、一流の呉服店では、前もって得意先の注文を聞き、後から品物を持参する見世物商いと、直接商品を得意先に持参して売る屋敷売りが一般的であり、支払いは、盆・暮の二節季払い、または12月のみの極月払いの掛売りが慣習であった。そのため、貸倒れや掛売りの金利がかさむので、商品の値が高く、資金の回転も悪かった。高利はこの制度を廃止し、店前売りに切り替え、商品の値を下げ、正札をつけて定価制による店頭販売での現金取引を奨励した。現金売りによる収入は資金の回転を早め、二節季払いの仕入れ先には数倍活用された。もうひとつは呉服業者間では禁じられていた「切り売り」の断行である。当時は一反単位の取引が常識で、どの店も一反から売っていたものを、客の需要に応じて切り売りし、江戸町民の大きな需要を掘り起こした。このほか、「即座に仕立てて渡す」というイージーオーダーである「仕立て売り」も好評を呼び、越後屋はやがて江戸の町人から「芝居千両、魚河岸千両、越後屋千両」と呼ばれ、1日千両の売り上げを見るほど繁盛した。”
  10. ^ “1904年12月20日 デパートメントストア宣言 近代百貨店の産声”. 東京新聞. (2007年12月19日). オリジナルの2016年8月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160809234010/http://www.tokyo-np.co.jp/hold/2008/anohi/CK2007121902073370.html 2015年12月27日閲覧。 
  11. ^ 三友新聞社. “暖簾印を定め、両替商へ進出”. 三井広報委員会. 2015年12月27日閲覧。
  12. ^ 成田誠一. “三菱史ノート 千年くすのき 1”. 三菱広報委員会. 2015年12月27日閲覧。 “呉服商・両替商が起源の三井や、...” - 初出は「マンスリーみつびし」2008年4月号
  13. ^ a b 美術人名辞典『桜井蕉雨』 - コトバンク
  14. ^ とみひろ”. とみひろ. 2015年12月27日閲覧。 “商祖「六右衛門」は天正6年「冨士屋」と称して薬種商を営み、山形の紅花・麻糸・米等の特産物を京都・大阪へと運び、商いを始める。京都より呉服物を仕入れ、呉服商及び年貢米にて酒造業を営む。”
  15. ^ 房総の素封家と近代日本画壇―大観・紫紅とその周辺―”. 城西国際大学水田美術館. 2015年12月27日閲覧。 “そんな明治末から大正期に、房総のある呉服商によって収集されたのが、今回のコレクションです。”
  16. ^ 旧岩船氏庭園(園) - 文化遺産オンライン文化庁
  17. ^ 丸紅創業150周年記念 丸紅コレクション展~衣裳から絵画へ 美の競演~”. 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館. 2015年12月27日閲覧。 “総合商社・丸紅のルーツは、江戸時代末期に創業した呉服商にあります。”
  18. ^ 呉服商としての創業”. アコム. 2015年12月27日閲覧。 “当社は、昭和11年4月2日(1936)、神戸市生田区(現中央区)の三宮商店街で「丸糸呉服店」として、創業しました。”
  19. ^ 吉田満梨 (2013年12月26日). “着物関連市場における新たなセグメントとその特性の分析” (PDF). 研究だより (大学コンソーシアム京都) (4): pp. 1-2. http://www.consortium.or.jp/wp-content/uploads/kenkyudayori_2013_4.pdf. "かつて2兆円産業と言われた着物関連産業は、購買金額・数量ともに減少をつづけ、2011年の呉服小売市場規模は、約 3,000 億円と推計されている。" 
  20. ^ 足立敏樹「着物の復活は本物か」(PDF)『繊維トレンド』7・8月、東レ経営研究所、2015年、58頁、2015年12月27日閲覧“着物市場の全体規模の推移について、矢野経済研究所発行の「きもの産業年鑑2014年版」所載のデータを見ると、図表1の通り、2003年には6,270億円あった着物小売市場規模が2014年には3,090億円と約半分に縮小している。もう少し長期的にみると、消費者の衣生活スタイルの変化に加えて、1980年代以降の高価格化戦略と押し付け販売などの反動で1980年には1兆8,000億円あったとされ る着物市場は2014年には約3,000億円と金額ベー スで 1/6、数量ベースでは 1/10 の水準にまで縮小した。” 
  21. ^ a b c d 和装振興研究会(第3回)-議事要旨”. 産業経済省. 2015年12月27日閲覧。 “小売市場は全体で3000億円といわれるが、きもの以外も含まれるので実質2700億円程度か。販売チャネルを見ると、選びやすく価格も手ごろなネットショップがここ3年間で倍増。... 呉服業界は、経営資本回転率、商品回転率が低く、売上総利益率が高い構造。人件費率、販管費率も高く、お金をかけて集客しないと人が来ないというのが現状。”
  22. ^ a b 藤森徹『あの会社はこうして潰れた』日本経済新聞出版社、2017年4月10日初版、15-20頁、ISBN 9784532263379
  23. '^ 足立敏樹「着物の復活は本物か」(PDF)『繊維トレンド』7・8月、東レ経営研究所、2015年、60頁、2015年12月27日閲覧“着物業界の衰退は、70年代後半に入って洋装ライフスタイルの一般化が急速に進展し着物需要が 減少する中で、業界は販売数量の下落分をカバーするために、晴れ着や付加価値の高い製品に偏っ て開発し製品単価を上げる戦略をとった。そのため、最初に日常生活で着用する街着としてのカジュ アルな着物が姿を消し、市場にはフォーマルな着物(晴れ着)ばかりが増えていった。” 
  24. ^ 足立敏樹「着物の復活は本物か」(PDF)『繊維トレンド』7・8月、東レ経営研究所、2015年、61頁、2015年12月27日閲覧“35年余りにわたる長期的な着物市場の凋落傾向の中で、多くの倒産・廃業企業が残した流出品を 含めた着物の流通在庫の規模は約3~4兆円といわ れている。これは 10年間新規生産しなくても着物 の需要を満たせる規模である。また眠れるタンス の中の着物資産も膨大にある。” 
  25. ^ お手本にしたい繁盛店 第8回 衰退期の生き残り戦略 -着物リサイクルショップ「たんす屋」の誕生-publisher=中小企業基盤整備機構” (2010年5月27日). 2015年12月27日閲覧。
  26. ^ きもの人(通販専門店)の事例:足立敏樹「着物の復活は本物か」(PDF)『繊維トレンド』7・8月、東レ経営研究所、2015年、69頁、2015年12月27日閲覧“高級着物の販売で実績を上げている。通販サイトに注文した客が東京日本橋のサロン風店舗を訪問して商品を直接見てリピーター化するケースが多 い。店舗は一般呉服店のような路面店ではなく、オフィスビルの中の2階に所在する。... 着物を買いたい、着てみたいが、旧来からの呉服専門店、百貨店、NCの呉服売り場には入りづらいと感じている消費者から支持を得て いる。” 
  27. ^ 豆千代 著『豆千代の着物モダン』中央公論新社(2003年)ISBN 978-4123900584


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