半アンシャル体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/01 06:14 UTC 版)
半アンシャル (half-uncial または semi-uncial) という言葉は、シピオーネ・マッフェイの『Istoria diplomatica』(1727年マントヴァ) が初出である。マッフェイは、ポワティエのヒラリウスによる有名な「Codex Basilicanus」に見える、アンシャル体を切り詰めたように見える書体を区別するためにこの語を用いた。なお「Codex Basilicanus」にはアンシャル体を使った節と半アンシャル体を使った節の両方がある。この語は18世紀なかばのルネ・プロスペル・タッサン(英語版)とシャルル・フランソワ・トゥスタン(英語版)によっても使われた。半アンシャルという語は広く使われ、安定した語ではあるものの、通常のアンシャルから派生したかのような印象を与える点で出来のよくない用語である。実際にはアンシャルと半アンシャルは共通の古代の書体の特徴を継承しているのである。以下を参照: L. E. Boyle, "'Basilicanus' of Hilary Revisited," in Integral Palaeography, with an introduction by F. Troncarelli, 105-17. Turnhout, 2001。 アンシャルと同様、半アンシャルもローマ筆記体に由来するが、そのより新しい、発達した型のものが元になっている。半アンシャル体は3世紀ごろに初めて使われ、8世紀末まで使われ続けた。初期の半アンシャル体は、非キリスト教徒およびローマの法律文書用に使われたが、6世紀にはアフリカやヨーロッパ(ただしインシュラー地域ではそれほど使われなかった)でキリスト教のテキストを筆記するのに使われるようになった。
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