フィクションにおける地球空洞説
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「地球空洞説」の記事における「フィクションにおける地球空洞説」の解説
ニコラス・クリミウスの地下世界の旅 (Nicolai Klimii iter subterraneum)(1741年) デンマークのルズヴィ・ホルベアの風刺的小説。主人公のニコラスは洞窟探検中に穴に落ち、地球内部の空洞へ行く。地球内面の国や、空洞内を回る惑星で奇妙な社会を見聞し、地底人の政治闘争に巻き込まれる。 シムゾニア・ある発見航海 (Symzonia: A Voyage of Discovery)(1823年) アダム・シボーン大尉(Captain Adam Seaborn、アメリカ)の作品。「地球内部には、2個の太陽と2個の月がある」と描写された。シムズの説を元にしたものであり、「著者の正体はシムズである」とするものが多かった。 ハンス・プファールの無類の冒険 (The Unparalleled Adventure of One Hans Pfaall)(1830年代) エドガー・アラン・ポーの短編小説。シムズの説を元にしている。超高空の気球から北極点の穴が観察されるシーンを描いた。 1833年には『壜の中の手記』、1838年には『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』を発表。いずれの海洋奇談でも、結末で地球空洞説が強く暗示される。 地底旅行 (Voyage au centre de la terre)(1864年) ジュール・ヴェルヌの小説。主人公たちはアイスランドの死火山の噴火口から地底世界に侵入し、巨大な地下空間で太古の植物や首長竜と遭遇する。ただし本作では地中海に匹敵する巨大な空間は描かれるものの、地球空洞説を強く示唆する表現は無い。 スモーキー・ゴッド (The Smoky God)(1908年) アメリカの作家、ウィリス・ジョージ・エマーソンの小説。「ノルウェー人の漁師オラフ・ヤンセンの地球内部への進入体験記」という体裁をとっている。 これは、「ヤンセン父子が暴風雨に巻き込まれて北へ北へと漂流し、やがて動かない小さな赤い太陽に照らされた場所に出る。そこで彼らは身長4mの優しい巨人たちに助けられ、地下世界で2年半を過ごす。やがて父子は地上に戻ろうとするが、その航海の途中で氷山に激突して難破。父親は死亡し、なんとか助けられたオラフも狂人として28年間を精神病院で過ごすこととなる。95歳のオラフは、だれにも信じてもらえなかった地下世界の話を友人だったエマーソンに伝えた後、高齢のため死亡した」、という話である。一部の人々は、この本をノンフィクションだと信じた。邦訳(『地球内部を旅した男』徳間5次元文庫)がある。 ペルシダー・シリーズ(1914年~1944年) エドガー・ライス・バローズの小説。ペルシダーでは空洞中央に決して沈まない小型の太陽があり、常に中天に太陽が存在するため、地下の住民たちには時間の概念がないとされた。 地上で絶滅した生物と、原始的な人類が存在するほか、超能力を有する知的爬虫類「マハール族 (Mahars)」他、未知の生物も存在している。 狂気の山脈にて (At the Mountains of Madness)(1931年)、他 ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説。本作に代表されるように、クトゥルフ神話における特徴的なモチーフのひとつとして、「さまざまな異形の旧支配者たちの棲み家」として、地下の門や、地下迷宮が描写されることが多い。 サイボーグ009・地下帝国ヨミ編(1966年) 石ノ森章太郎の漫画。地球空洞説を採用している。地殻にある入りくんだ広めの洞窟内に作られた地下帝国に過ぎず、一般的地球空洞説でない。映画『サイボーグ009 怪獣戦争』、アニメ『サイボーグ009』(平成版)にも受け継がれた。 アバンチュール21(1970年) 手塚治虫の漫画。地底列車「ルナパーク三号」による、地球空洞説に基づく地底世界の探検が描かれる。 収容所惑星 (The Inhabited Isle) ストルガツキー兄弟によるロシアのSF小説。主人公が不時着した惑星は、「異常に強い大気の屈折のため、大地は凹面に見え、密度の高い大気のせいで星空が存在しない」。そのため、住民たちは「自分たちが、凹面の惑星に住んでいる」と考えている。 恐怖新聞(1973年〜) つのだじろうのオカルト漫画、恐怖新聞の第8話「北極点の謎」にて、主人公の鬼形礼が通学する石堂中学にて「地球空洞説」の授業が行われる。授業では、北極圏にある空洞世界の出入り口からUFOが飛来してきている可能性を示唆し、UFOの目撃情報がある以上地球空洞説は否定しきれない、と図説や歴史事実とともに教えられる。 アクマイザー3(1975年) 石ノ森章太郎原作、東映製作の特撮テレビドラマ。主人公および敵は、地球内部の空洞世界「ダウンワールド」に住むアクマ族。 タイムボカン(1975年) タツノコプロ製作のテレビアニメ。第54話「地底王国のナゾだペッチャ」で、オーロラの光がダイナモンドと関連が有ると睨んだ丹平たちとマージョ一味は、1674年の北極へ向うが、北極点から地球の内部に侵入し、ムー大陸の末裔が住む地底王国ピンケリアに出会う。 はるかなるレムリアより(1975年) 高階良子作の漫画。死の霧が地上を覆う中、人類の女王アムリタデヴィ=涙とナーガラージャ=紀彦が1つになって新たなラ・ムーとなり人々を「レムリア(ムー文明)滅亡後、地球内部の空洞世界に築いた新たなレムリア」に導き、妻と涙の妹・新子が殺されたことも知らずに探検先で死の霧で死にかけるもアムリタデヴィとして覚醒した涙の力で地底に運ばれ、いつの間にか「第2のレムリア」に到達していた涙の現世の父と兄・英夫が嘘つきの出来損ないの少女と自分達が蔑んでいた涙に再会し、彼女こそが探検の目的であるレムリアの繁栄の鍵を握る人類の女王の転生だったことを知る。 恐竜大戦争アイゼンボーグ(1977年) 円谷プロダクション製作の特撮作品(アニメ合成ドラマ)。太古の昔に滅んだとされた恐竜の一部が、地球内部の空洞に「恐竜軍団」を築いて移住し、そこで恐竜は怪獣へと進化した。 空洞地球 The Hollow Earth(1990年) ルーディ・ラッカーの小説。エドガー・アラン・ポーと、彼のアイデアをモチーフとする。 ネットゲーム90 蓬萊学園の冒険!(1990年) 遊演体によるプレイバイメール。蓬萊学園がある宇津帆島に、地球空洞世界「月光洞」への入り口が存在する。 ゲゲゲの鬼太郎(1991年) 『鬼太郎国盗り物語』が該当。物語途中で経緯に関する設定が変更されたが、地球が空洞になっていて海中に沈んだムー大陸は地下で発展していた。 魔装機神シリーズ(1991年~2014年) ゲームソフト『スーパーロボット大戦シリーズ』に登場するバンプレストオリジナルの架空のロボットアニメ。 地球に存在する地下世界ラ・ギアスを舞台とする。 設定の初出は1991年の『第2次スーパーロボット大戦』、実際にラ・ギアスが舞台になったのは1994年の『スーパーロボット大戦EX』が初めて。 ドラえもん のび太の創世日記(1994年~1995年) 藤子・F・不二雄原作の漫画、およびアニメ映画。「のび太がドラえもんのひみつ道具「創世セット」で作り出した、もうひとつの地球」に地底空間が登場する。その世界は、中心に内核・外核にあたるものがなく、代わりに中心に太陽にあたるものがあり、重力も内部世界では逆転する。 なお、『ドラえもん』短編作品「異説クラブメンバーズバッジ」においても、地球空洞説が取り上げられている。 新海底軍艦(1995年~1996年) フェニックス・エンタテインメント制作のOVA。「地空」を住処とする地空人がヒロインおよび敵勢力として登場する。 Not Found 23 ネットから削除された禁断動画(2016年) 同ビデオシリーズ編集部宛に「地底人が写っているとされる動画」が送られてきた。その動画の送り主は、地底人研究家を名乗る森山清氏という人物で、地球空洞説を唱える。真実を求め、森山と編集部は空洞世界の入口があるという新島に取材に向かう(File: 4/File: 8 地底人現る)。 アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲(2019年) 地球の深部にアドルフ・ヒトラーとヴリル協会が支配するロストワールド的な世界が存在する。
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