空洞説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 17:35 UTC 版)
空洞説は、地下にある空洞に溜まった地下水が地熱により温められる。水蒸気となって地表に噴出するという説である。空洞説を最初に提唱したのは、1811年でアイスランドで研究と調査を行ったJ・マッケンシーである。日本では、本多光太郎、寺田寅彦らによって研究された。本多、寺田は、熱海温泉にあった大湯間欠泉をモデルとして理論構築を行った。 空洞説概要図より空洞説を説明する。図の通り、地下に空洞Aが存在し、噴出管aを通じて地上と繋がっている。空洞内の水が地熱により加熱され、空洞A内の水蒸気圧が上昇すると、噴出管aに溜まった水を押し出す。ある程度の量が噴出されると、噴出管a内の水蒸気圧が低下し、噴出が停止する。導管cから地下水が供給され、再び空洞Aの水蒸気圧が上昇すると、噴出が再び起こる。何度か噴出・休止を繰り返すうちに、導管bおよび導管cから空洞Aに低温の地下水が供給されて空洞Aの水蒸気圧が大幅に低下して、長期の休止期間にはいるというものである。 空洞説は、大量の温泉を長時間噴出する大規模な間欠泉は説明できる。しかし、地下空洞の認められない小規模な間欠泉の原理を説明することは難しかった。
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