空海との関係とは? わかりやすく解説

空海との関係

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 06:10 UTC 版)

最澄」の記事における「空海との関係」の解説

前述のように唐から戻った最澄伝えた密教歓迎される。『叡山大師伝』は桓武天皇喜びを「真言秘教等は未だ此の土に伝るを得ずしかるに最澄この道を得、まことに国師たり」と伝える。最澄が唐から戻った大同元年806年)に長安密教学んだ空海帰朝する。まもなく最澄空海密教習学申し出ているが、その理由天台法華宗年分度者遮那業密教)1名が割り当てられていた事と関連があると考えられる。 ただ遮那の宗、天台融通す。(中略法華金光明は先帝御願。また一乗の旨、真言とことなることなし伏して乞う遮那の機を求めて年年あい計りて伝通せしめん。 — 最澄大同3年8月19日空海宛てた手紙伝教大師消息』に記され書簡によると、最澄弟子空海の下に送り借用した経典を写すといったことを、大同4年809年)から弘仁7年816年)頃まで繰り返した弘仁3年812年10月27日には乙訓寺にいた空海最澄訪ねたこの際空海最澄伝法することを決めたという。神護寺に残る『灌頂記』によれば最澄11月15日金剛界灌頂を、12月14日胎蔵界灌頂空海から受けた。しかしこの頃最澄の手紙をみると灌頂を受ける日について混乱見られる。この点について最澄灌頂金剛界胎蔵界両部独立して一対になっているということ知らなかったという説がある。のちに最澄越州学んだ密教について両部灌頂受けたと『顕戒論』などに記しているが、おそらく最澄学んだ密教両部合わせた亜流派であり、空海長安学び伝えた法門比べて劣っている事に最澄も気が付いていたと考えられる灌頂受けた最澄空海弟子となったことを意味する。後に円澄空海宛てた書簡によれば空海最澄大法儀軌を受ける為に3年留まるように伝えていたが果たせなかったとある。空海の下での修行は、既に一宗責任者となっていた最澄には叶わぬ事であり、最澄もまた空海宛てた書簡訪問できない事への詫び繰り返し記している。なお最澄が『理趣釈経』の借用求めたに対して空海が「理趣論じて心から心へ伝えるもので、未入壇の者には真言伝えない」と断ったことが二人分かつことになったとする説があるが、この根拠となった書簡にある「澄法師」は最澄ではなく円澄とする説もある。しかしその真偽は別としても、空海の下で最澄修業できなかった事が両者疎遠にした根本理由であった考えられるもうひとつ両者異なる点は真言天台位置づけである。最澄天台真言一致しており、同じ一乗であるとしている。一方で空海天台真言より低い教え見ている。この教理相違両者分かつ理由考えられる。 さらに両者の間に泰範去就問題がある。元々、泰範天台宗以外のであったが、比叡山入って密教学んでいたと考えられる優秀な弟子であったようで、弘仁3年812年5月8日付け最澄遺書には泰範惣別当(比叡山管理責任者)に指名している。しかし直後6月29日泰範は暇を請う比叡山から降りる。その書簡読んだ最澄返信を送るが、そこから最澄驚き泰範最澄弟子から戒を破った事で批判受けていたことが分かるその後最澄泰範慰留したようで、最澄泰範は共に胎蔵界灌頂受けている。しかし泰範比叡山には戻らず空海元に身を寄せた弘仁7年最澄泰範宛てた書簡には深刻な自己反省泰範への期待表明されている。しかしその書簡への返信空海代筆よるもので「真言教え天台よりも優れる」と記されている。泰範空海十大弟子数えられている。

※この「空海との関係」の解説は、「最澄」の解説の一部です。
「空海との関係」を含む「最澄」の記事については、「最澄」の概要を参照ください。

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