遊演体
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本社所在地 | ![]() 〒252-0303 神奈川県相模原市南区相模大野3丁目14番10号 |
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設立 | 1992年 |
法人番号 | 3021001014273 |
外部リンク | 公式ウェブサイト |
遊演体(ゆうえんたい)は、1987年に設立された日本のゲーム製作会社である。プレイバイメール(PBM)、テーブルトークRPG(TRPG)、PCゲームの製作などを行っていた。足立旬一が設立。門倉直人が代表的な所属デザイナーであった。
設立してすぐに、日本初の商業プレイバイメール『ネットゲーム88』を企画・運営した。ただし、プレイバイメールという名称は当時まだ一般化しておらず、遊演体は自社の運営する郵便媒体のゲームについて、一貫して「ネットゲーム」という呼称を使用した[1]。以後、同社は1990年から1998年にかけて、毎年のように1年スパン(『蓬萊学園の休日!』を除く)のネットゲームを開催した。
また、同社はボックス版のTRPGも手がけていた。まずは設立と同時に、かつて門倉直人が製作し、ツクダホビーから発売されたファンタジーTRPG『ローズ・トゥ・ロード』の新版作成を発表し、1989年から『ビヨンド・ローズ・トゥ・ロード』の展開を開始した。さらに1991年夏には、『ネットゲーム90 蓬萊学園の冒険!』の世界観を引き継ぐTRPG『蓬萊学園の冒険!!』を発売。同年4月に設立された「蓬萊学園ファンクラブ」の機関誌を投稿し、プレイヤーや小説読者の投稿と連動する「テーブルネット」を展開した。
1998年頃に中核スタッフの大半が退社してしまってからはあまり目立った事業活動は見られないが、蓬萊学園などのコンテンツの管理を行っている。
沿革
- 1988年 - 「有限会社 遊演体」として設立。
- 1991年 - 遊演体分室を開設、ネットゲーム事業部を設置。
- 1992年 - 「有限会社 遊演体」から「株式会社 遊演体」に登記変更。「遊演体神田事務所」を開設。編集業務の強化を図る。
- 1996年 - 分室を閉鎖し、本社機能と合わせ新事務所を設置。
- 1998年 - 多数のメンバーが退社。神田事務所も株式会社「アークライト」として独立する。ネットゲーム事業部は本部に移転・統合するも同年の『ネットゲーム98 〜星空までは何マイル?』を最後にPBMは行われていない。小泉雅也が代表取締役社長に就任。
遊演体が運営した主なプレイバイメール
- ネットゲーム88
- ネットゲーム90 蓬萊学園の冒険!
- ネットゲーム91 那由他の果てに
- ネットゲーム93 夜桜忍法帖/女神たちの黙示録&狼たちの決死圏
- ネットゲームS94 蓬萊学園の休日!
- ネットゲーム95 鋼鉄の虹 〜Die Eisenglorie〜
- ネットゲーム96 こうもり城へようこそ!
- ネットゲーム97 勇者110番 -Call To Brave-
- 映画祭殺人事件~蛍坂純情探偵団
- ネットゲーム98 星空までは何マイル?
基本的に1年間(12回)の規模で行なわれるが『蓬萊学園の休日』及び『映画祭殺人事件』は半年(6回)の規模であり、そのため『蓬萊学園の休日』には「S」の表記がある。また『映画祭殺人事件』は懸賞金付きミステリとなっている。
遊演体が製作した主なテーブルトークRPG
過去に所属していた主なクリエイター
- 有坂純
- 伊豆平成
- 岩清水新一
- 大塚超太郎
- 門倉直人
- 甲斐甲賀
- 賀東招二
- 木村航(茗荷屋甚六)
- 小泉雅也
- 桜井光
- 新城カズマ(柳川房彦)
- 司史生
- 高尾登山
- 高崎とおる
- 坂東真紅郎(板東入鹿)
- 星空めてお
- 森崎文士亭
- 水無神知宏
- 睦月たたら
- 劉龍嶺
- 禾刀郷
- 希
- 原聖(みゃあ)
- 丈月城[2]
脚注
関連項目
- アークライト - 同社の神田事務所が独立することで設立された。当初は編集業務が中心だったが、現在はアナログゲームやホビーを中心に多角化経営。
- エルスウェア - 同社の元社員であった柳川房彦が設立した。プレイバイメールの運営やテーブルトークRPGの製作を主な業務としている。
- ライアーソフト - 同社の元社員数人が集まって設立した[1]。アダルトゲームの製作を主な業務としている。
外部リンク
- 遊演体ウェブサイト - ウェイバックマシン(2005年10月19日アーカイブ分)
- 遊演体 - メディア芸術データベース
- ^ “フロントウイング×枕×ライアーソフト代表座談会。アニプレックスが美少女ゲームを作る意義や業界の課題、未来を語る(1/3)” (2020年4月11日). 2020年4月11日閲覧。
遊演体
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「プレイバイメールのタイトル一覧」の記事における「遊演体」の解説
ネットゲーム88 日本神話を元にした伝奇物。ライブ性が強く、リアクション以外に劇中で入手した様々な物品(メモを始めとする様々な手掛かり)が送付されることもあった。 蓬莱学園 南洋に浮かぶ宇津帆島を舞台にした巨大学園物。ネットゲーム90 蓬莱学園の冒険! 殺人事件。クーデター。旧図書館探索。応石。復讐譚。月光洞冒険etc、とにかく何でもありの伝説のPBMで、本作が世間にPBMを知らしめた作品として名高い。「N90の全容を掴んでる者は一人もいない」とGMに言わしめた、ストーリーが多岐に渡る濃い作品。 ネットゲームS94 蓬莱学園の休日! N90の続編。期間は通常の半分である半年なのでタイトルにS(ショート)が付く。 物語は「与えられる物」ではなく「自分で捜して叶える物」だったため、目標を持って自主的に動かないと何をして良いのか判らず、加えて日常行動は無味乾燥な機械処理システムの導入で対処したため、受動的な性格なユーザーからの評判はあまり良くない。 ネットゲーム91 那由他の果てに 架空の街、神奈川県波津野市が主な舞台となる多次元宇宙物。PCは迫り来る時空嵐に立ち向かう。 同時平行で『RPGマガジン』にて、読者参加ゲームN91『HAZNOLIAは永遠に』が連載されていた。 ネットゲーム93 夜桜忍法帖 女神たちの黙示録/狼たちの決死圏 現代日本を舞台にした忍者物。PCの立場は覚醒した忍者。最終的に全人類の半数以上が死滅する結末を迎えた、GM曰く「遊演体最凶のネットゲーム」。 同時期にTRPG版の『夜桜忍法帖〜卓上血風録〜』も製作されている。 ネットゲーム95 鋼鉄の虹 〜Die Eisenglorie〜 メルヒェンの要素を内包した架空戦記物。1938年の中欧で発生した架空の戦争「硅緑内戦」が舞台。物語当初から重要PCを演じられる「コアプレイヤー制度」が導入されて話題を呼んだ。 ゲーム期間中にTRPG版の『鋼鉄の虹 パンツァーメルヒェンRPG』も発表されたが、こちらはメルヒェンの要素が割愛されている。 ネットゲーム96 こうもり城へようこそ! モンスターが闊歩する架空の街、北米はシスタージョウンを舞台にしたSFファンタジー。ストーリー本筋が三本の読者参加ゲームだった異色作。 ネットゲーム97 勇者110番 -Call To Brave- ファンタジー物。PCは異世界「フィア=メルト」へ転移してしまった桜崎市の住人。世界観的に「蓬莱学園」「那由他の果てに」「鋼鉄の虹」「こうもり城へようこそ!」と繋がっていて、ゆかりのキャラをエントリー可能。 ネットゲーム98 星空までは何マイル? ハードSF物。 映画村殺人事件 ミステリー物。映画村で起きた殺人事件の犯人を捜す。
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