『王』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 04:14 UTC 版)
女王 声 - 池田昌子 キメラ=アントの女王。理由は不明だが、人間並の身体と知性を持つ。摂食交配と産卵の機能を備えた女王蟻。 何らかの理由で左前足と左触覚の一部を失い、重傷を負った状態のまま単独でバルサ諸島海域を漂流し、NGLに近い海岸沿いに辿り着く。その時に食べた人間を極上の餌と見なし、キメラ=アントの本能に従い人間の捕食を開始。無数の兵隊蟻を産み出し、NGLにコミュニティを形成する。 次世代の蟻と違い人語の発音機能が無いため、テレパシーで兵隊との会話や収集を行う。他のキメラ=アントと違い、あくまでキメラ=アントの本能に従い捕食していた。種族の性質として働きアリは実子ではないが、実子にあたる王の誕生を自身の使命とし、また何よりの楽しみとしていた。 一定の師団長、兵隊長、戦闘兵、雑務兵を出産後、自らの集大成である次世代の『王』を生むため巣の奥へと籠り、良質の餌として人間の肉団子を一日につき50匹分、後になると250匹分を食べながら王直属護衛軍を生み出し、最後に王を受胎する。 人間並みの体格と知性は持っているが人間の特性そのものを受け継いでいる訳ではないため、人間の特性を受け継いで個を重んじ自己主張をし、名前を持つことを欲した部下たちの性質を不思議がっている。しかし全く理解が無い訳でもなく、自らもそれに興じて王直属護衛軍の3匹にそれぞれ「ネフェルピトー」「シャウアプフ」「モントゥトゥユピー」の名前を授けた他、自身が直接伝える事はできなかったものの、実子であるメルエムの名前も前もって考えていた。 胎内で物心ついたメルエムに内側から腹を破られて出産させられ、瀕死の重傷を負う。メルエムが巣立った後、降伏した女王派の蟻達や人間の医師らの治療を受けるが死亡した。遺言として子に「メルエム」という名前を託した。 メルエムは生まれてからは「女」と呼び、蔑ろにしていたが、名を知り生死の境を彷徨った後「母」と呼び敬意を表すようになる。 メルエム / 王 声 - 内山昂輝 キメラ=アントの王。女王は『全てを照らす光』という意味を込めて「メルエム」という名前を付けた。だが伝えられず、自分でも名前を持とうと思わず、配下からも「王」と呼ばれていた。 先端に針がついた尻尾がある。小柄な体格で一人称は「余」。 自らが種の全てを託された王であるという自覚と自負を持ち、非常に誇り高い。最終目的は地球の生物を「統一」し、キメラ=アントを更なる次元へと進化させること。 生まれながらに念能力を会得しており、戦闘では主に肉体と念の基礎能力の高さを生かした徒手空拳にて戦う。尾も武器になる。 NGLで誕生した後、レアモノ(念能力者)を捕食するため、直属護衛軍と巣から旅立ち、東ゴルトー共和国に進出。総帥を殺害し国を乗っ取る。500万人の国民に暴力を用いた「選別」計画を実行し、念能力者の軍隊を作ろうとする。当初は暴君として振舞い、人間を家畜としか考えておらず、暴力による恐怖で支配する恐るべき王として君臨していた。 「選別」が始まるまでの暇つぶしとして囲碁や将棋など盤上競技の名人を圧倒する。しかし、東ゴルトー発祥の遊戯「軍儀」の王者であるコムギに勝つ事が出来ず、無力で脆いコムギに自分が圧倒されたことで価値観が変化し、人間のコムギを「客人」として扱うようになる。またコムギに名前を聞かれて、自分の名前が無いことを疑問に思う。コムギの存在によって人間の中にも少数ながら価値を認める存在がいると認識し、己の力を抑圧のためでなく、不平等な社会を破壊し弱者を庇護して、理不尽な格差の無い世界を創設するために使うと決意した。 ネテロが討伐に現れた時も、その決意から戦わなかったが、ネテロから名前を教えることを条件に勝負を持ちかけられた際、「ネテロを殺さずに負けを認めさせる」と言う条件で勝負を受けた。ネテロの老練の武道と念能力を、メルエムは生来の基礎能力と軍儀で磨いた思考力によって攻略、ネテロの奥の手「零の掌」(全オーラ砲撃)にすら耐え勝利し、自らの名前を知る。だがネテロが「貧者の薔薇」にて自爆したことで至近距離にて熱と爆風の直撃を受ける。手足は吹き飛び全身が黒焦げとなり、死にかけていたところをシャウアプフとモントゥトゥユピーに救助される。 プフとユピーが体細胞とオーラをメルエムに食べさせたため、表皮や失った手足を再生し、両者の念能力も使用できるようになって復活した。復活後、彼らの「念能力者同士の闘いはオーラの多寡のみでは決まらない」という経験則すら覆し、ナックルが「国家レベルの武力がいる」と表現するほどの絶対的オーラを湛える。 復活した時は記憶を失っており、コムギの存在も忘れていた。コムギの存在を隠し通そうとするシャウアプフの感情を読み取り、その秘密をかけて残党狩りの勝負をする事になる。その時に遭遇したウェルフィンが発した「コムギ」の一言によりコムギの記憶を取り戻す。 「貧者の薔薇」の毒については知らず、自身が毒に冒されていた事も知らなかったが、その事を知るパームの感情を読み、余命が幾ばくも無いことを悟り、最後の時間をコムギと過ごす事に決める。この期に及んでは「王」であろうとするプライドももはや意味を為さなくなっており、1秒でも早くコムギと再会するためならば王が一介の蟻に対して土下座をする事すら厭わなかった。半分は蟻となっていたパームに「それだけはしてはいけない」と土下座することは止められるがコムギの居場所は教えられ、コムギを探し出す。コムギとの再開後は、コムギと最期を過ごしたいという自身の意思と、それに反して自分と一緒にいるとコムギまで死んでしまう事を伝えるが、コムギに一緒にいると言われる。軍儀を打ちながら衰弱していきやがて目も見えなくなるが、声だけを頼りにコムギが傍にいる事を確認し、最後にコムギに自分の名を呼んで貰い、コムギに看取られながら死亡した。オーラを食う能力(仮称) レアモノ(念能力者)のオーラを身体ごとを食べ、自分のオーラとして蓄える能力。食った相手の念能力も使用できるようになり、その能力をさらに昇華できる。ネテロの「貧者の薔薇」により瀕死の重傷を負った際にも、プフとユピーのオーラを食すことで急激な回復と、更なる強さを身につけている。 光子のオーラ メルエムのオリジナルのオーラ。シャウアプフの細胞を取り込んだことで『麟粉乃愛泉』の性能を受け継いで進化させている。円は閃光として展開され、東ゴルトー共和国宮殿の敷地全てを覆うほどの範囲を誇る。円としてオーラに直接触れたもの全てを認識する効果は当然のこと、オーラは光子となってその場に残留・付着し、『麟粉乃愛泉』のように相手の心中も読心に近いレベルで知ることができる。 モントゥトゥユピーの能力 モントゥトゥユピーの細胞を取り込んだことで得た能力。背に翼を生やして滞空できるようになる。さらにオーラの砲撃も使えるようになり、一撃で谷を破壊する。
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