『王の奇跡』『ラブレーの宗教』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 00:21 UTC 版)
「アナール学派」の記事における「『王の奇跡』『ラブレーの宗教』」の解説
この頃までの代表作は、マルク・ブロック『王の奇跡』とリュシアン・フェーヴル『ラブレーの宗教』である。 ブロック『王の奇跡』は、国王が瘰癧などの病気をもつ者の身体に手を触れると治癒するという中世ヨーロッパの信仰を扱っている。『王の奇跡』の刊行は『アナール』創刊の前だったが、ブロックの研究・問題意識は、いくつかの点で後に「アナール派」の特徴と目されるようになる条件を備えていた。 第一には「中世」のような従来の時代区分に縛られず問題意識に沿った時代を扱うこと。第二に、なぜ人々がそのような奇跡(「集合幻想」)を信じるようになったかという問題が研究の中心に据えられていること。第三には、イギリス、さらにはポリネシア社会などとの比較史的研究が追求されていることである。戦後のフェーヴル『ラブレーの宗教』も同様の問題意識に貫かれ、より明確に「集合心性 (mentalités collectives)」の問題を扱っている。
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