『アナール』創刊
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『アナール』誌は、ストラスブール大学の研究者たちによって1929年に創刊された。発刊を率いたのは16世紀フランスを専門とする歴史家リュシアン・フェーヴルと、中世史の専門家マルク・ブロックだった。創刊の辞でリュシアン・フェーヴルは、専門家の専門性が高まるにつれて知的交流を阻む壁が高くなっていることを批判し、専門家間の協力の必要性を訴えている。編集委員会には同じ大学に籍を置く古代史・現代史家から、地理学・社会学・経済学・政治学など多方面の専門家が集まり、とくに経済史・数量史の分野で歴史学の新しい領域を切りひらく研究が行われた。 雑誌『アナール』は伝統的な歴史学への批判から出発したが、1930年代にフェーヴルが権威あるコレージュ・ド・フランスの講壇に立ち、ブロックもソルボンヌ大学の経済史教授に就くころから、しだいにフランス歴史学会での影響力を強めた。さらにフェーヴルはフランス学士院会員、ユネスコのフランス代表などの席を得たうえ、1947年には「高等研究実習院 (École Pratique des Hautes Etudes: EPHE)」第6部門の創立に関わって、以後ここが『アナール』刊行の本拠となった。
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