せっそく‐どうぶつ【節足動物】
節足動物
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節足動物(せっそくどうぶつ、英語: Arthropod、学名: Arthropoda[3])とは、昆虫・甲殻類・クモ・ムカデなど、外骨格と関節を持つ動物を含んだ分類群。分類学上は節足動物門とされる。動物界最大かつ多様性の最も高い動物門であり[4][1][5][6]、現生種は全動物種の85%以上を占め、約110万種が記載されている[7]。陸・海・空・土中・寄生などあらゆる場所に進出し、様々な生態系と深く関わっている。なお、いわゆる「虫」の範疇に入る動物は当動物門のものが多い[注釈 2]。
節足動物
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スズカホラヒメグモ Nesticus suzuka Yaginuma, 1979 蛛形綱 真正蜘蛛目 ホラヒメグモ科。約5 mmの鈴鹿山系に広く分布しているクモ。この地域を代表する真洞穴性動物である。洞壁のくぼみや岩の陰に不規則な網を張って生活しており、洞外でも沢の大きな歴や岩の下で見られることがあるため、好洞穴性に近い種である。かつてはアキヨシホラヒメグモ N. akiyoshiensis (Uyemura, 1941)と同種とされていたが、1975年に八木沼健夫により整理された。本種は河内風穴、篠立風穴や関ヶ原鍾乳洞などこの地域の石灰洞14洞の標本にもとづいて新種記載された。 ホラヌカグモ Caviphantes samensis Oi, 1960 蛛形綱 真正蜘蛛目 サラグモ科。2.5 mmで淡褐色のクモ。真洞穴性動物である。河内風穴および佐目のコウモリ穴の特産種(タイプ産地)。洞壁、洞床の間隙、石の下などに小さなシート状の網を張っている。 ホラヤミサラグモ Arcuphantes trologytarum Oi, 1960 蛛形綱 真正蜘蛛目 サラグモ科。2.5 mmで淡褐色のクモで、真洞穴性動物。河内風穴および佐目のコウモリ穴の特産種(タイプ産地)で、洞壁、洞床の間隙、石の下などに小さなシート状の網を張っている。 ヤチグモの一種 Coelotes sp. 蛛形綱 真正蜘蛛目 ヤチグモ科。 ナミハグモの一種 Cybaeus sp. 蛛形綱 真正蜘蛛目 ナミハグモ科。真洞穴性動物。1975年に1頭採集されており、米原市の石灰洞からも発見されている。 コアシダカグモ Heteropoda forcipata (Karsch, 1881) 蛛形綱 真正蜘蛛目 アシダカグモ科。 スズカメクラツチカニムシ Pseudotyrannochthonius kobayashii kobayasii (Morikawa, 1956) 蛛形綱 カニムシ目 オウギツチカニムシ科。体長約2.7 mm。河内風穴および佐目のコウモリ穴がタイプ産地で、この2洞及びナベイケに特産の亜種である。コバヤシメクラツチカニムシ Ps. kobayasii (Morikawa, 1956)のいくつかの別亜種は奈良県洞川(Ps. k. dorogawaensis (Morikawa, 1956))や山口県秋芳洞(Ps. k. akiyoshiensis (Morikawa, 1956))など本州の洞窟に広く分布し、篠立風穴に棲息するシノダチメクラツチカニムシもその一つである。 ウエノホラヤスデ Antrokoreana uenoi Haga, 1956 倍脚綱 ヒメヤスデ目 カザアナヤスデ科。ウエノタテウネホラヤスデとも呼ばれる。細長い白色のヤスデで、コウモリのグアノの上や洞床を這っている。佐目のコウモリ穴および河内風穴がタイプ産地で、滋賀県側のみの鈴鹿山脈北部の石灰洞に広く分布している。日本における本属の分布の西限である。ホロタイプは佐目のコウモリ穴のもの、パラタイプは佐目のコウモリ穴および河内風穴のものである。 ナナメオビヤスデ Epanerchodus obliquitrancatus Takakuwa, 1954 倍脚綱 オビヤスデ目 オビヤスデ科。体長30 mm、体幅3.4 mmで赤褐色。静岡県の富士風穴からも知られており、河内風穴のものは上野俊一によって報告された。 ムカデの一種 Chilopoda gen. sp. キョウトメクラヨコエビ Pseudocrangonyx kyotonis Akatsuka & Komai, 1922 (甲殻類)軟甲綱 端脚目 メクラヨコエビ科。体長6 mm、乳白色透明の真洞穴性の端脚類。三重県の篠立風穴および鷲嶺水穴からも発見されており、僅かな水路を伝って広範囲に移動することが示唆されている。 ナガコムシの一種 Campoeidae gen. sp. 内顎綱 倍尾目 ナガコムシ科。真洞穴性動物。 タカチホホラズミトビムシ Anurida (Aphoromma) assimilis Yosii, 1956 内顎綱 粘管目 イボトビムシ科。カワチホラズミトビムシとも呼ばれ、体長2.5-3 mm。河内風穴がタイプ産地で特産種。この亜属の種(ホラズミトビムシ)は白化種で、古生洞に産する真洞穴性動物である。 ホラズミトビムシ Anurida (Aphoromma) speobia Yosii, 1954 内顎綱 粘管目 イボトビムシ科。コウモリのグアノの上や洞床を這っている。洞内の水溜りに数頭が浮いていることがよくある。吉井良三によって質志洞から発見された。 クレナイイボトビムシ Lobella similis Yosii, 1954 内顎綱 粘管目 イボトビムシ科。河内風穴および京都府北桑田郡芦生、滋賀県北小松寒風峠がタイプ産地。 ウエノシロトビムシ Supraphonura uenoi (Yosii, 1954) 内顎綱 粘管目 シロトビムシ科。河内風穴、佐目のコウモリ穴に加え、伊勢市奥島路、広島県帝釈峡、奈良県洞川、山口県秋吉台、愛媛県玉津村の洞窟や、福岡県水無鍾乳洞など広域の多くの標本に基づいて記載された。 マツモトシロトビムシ Onychiurus watanabei Matsumoto 内顎綱 粘管目 シロトビムシ科。マツモトトビムシモドキとも呼ばれる。岡山県の洞外の標本に基づいて記載された種であるが、河内風穴および高知県の白岩洞のものに基づき吉井良三により好洞穴性種として発表された。 スズカトゲトビムシ Plutomurus suzukaensis (Yosii, 1939) 内顎綱 粘管目 トゲトビムシ科。体長2.0 mmで、洞穴内で最も個体数が多く、鈴鹿山脈北部の殆どの洞窟で見られる ほか、静岡、岐阜、京都、福井、三重でも見られる。白色で、銀色の鱗片状物質により覆われている。眼は殆ど退化している真洞穴性動物。河内風穴がタイプ産地で、1939年、吉井良三により河内風穴の標本に基づき記載された。 トゲユウレイトビムシ Sinella spinidentata Yosii, 1942 内顎綱 粘管目 アヤトビムシ科。体長1.6 mmのシロアヤトビムシの一種で、黄味がかった白色をしている洞穴性動物。河内風穴がタイプ産地。 マダラカマドウマ Diestrammena japonica Blatchley 昆虫綱 直翅目 カマドウマ科。洞内入口付近によくみられる好暗性の種で、日中は入口周辺の岩の隙間に多く静止しているが、夜間は洞外に餌を獲りに出ることがあり洞内外を往復していると考えられている。鈴鹿山脈北部の各洞窟に広く生息している。 チャイロカドモンヨトウ Apamea sodalis Butler 昆虫綱 鱗翅目 ヤガ科。洞外性ではあるが、洞壁にしばしば観察される。5月から8月の時期に洞窟内で仮眠している好洞穴性動物。 マエモンウスグロオオナミシャク Triphosa sericata Butler 昆虫綱 鱗翅目 シャクガ科。洞外性ではあるが、洞内の壁にしばしば見られる。6月から10月まで洞穴内で夏眠している好洞穴性動物。走光性はなく、洞穴からの記録しかない。 カワチメクラチビゴミムシ Ishidatrechus nitidus S. Uéno, 1956 昆虫綱 鞘翅目 オサムシ科。約4 mmの河内風穴特産の真洞穴性甲虫。佐目のコウモリ穴から発見されたサメメクラチビゴミムシ Ishidatrechus (Suzuka) kobayashii S. Uéno, 1956とともにイシダメクラチビゴミムシ属 Ishidatrechusに属している。体は淡く飴色で、眼や後翅は完全に退化しており、洞窟の深部で見つかる真洞穴性動物である。比較的近縁なクラサワメクラチビゴミムシ属 Kurasawatrechusは篠立風穴や鷲嶺水穴など三重県側の洞窟より東側に、ノコメメクラチビゴミムシ属 Stygiotrechusは奈良県、和歌山県、大阪府以西に分布しており、それらの接点である多賀町で両属と区別できる2種が分布しており、生物地理学上特異である。 スズカメクラチビゴミムシ Trechiama suzukaensis S. Uéno, 1980 昆虫綱 鞘翅目 オサムシ科。約5.5 mmの真洞穴性甲虫。体色は飴色(赤褐色)で、体全体に長い毛を疎らに具え、眼や後翅は退化し、翅鞘の会合線は癒着している。篠立風穴や廃坑跡など、三重県を含む鈴鹿山脈北部の石灰洞に広く分布する。1962年に篠立風穴から山下善平らによって採集されたが、長らく記載されず、上野俊一により記載された。アナノオメクラチビゴミムシ Trechiama (Pseudotrechiama) ovoideus S. Uénoとともに鈴鹿山脈北部に特産のナガチビゴミムシ属 Trechiamaで、洞外の沢の湿った土や礫層の中の地下浅層からも発見されている。この属のうち本種は近畿・北陸地域に分布する種群(T. Oshimaiグループ)に属すのに対し、後者は東海・関東地方に分布する種群(T. habeiグループ)であり、鈴鹿地域では両種群がほぼ同所的に分布している。 オオバヤシチビシデムシ Catops ohbayashii Jeannel, 1954 昆虫綱 鞘翅目。真洞穴性のチビシデムシで、篠立風穴や岐阜県及び三重県南部の石灰洞でも記録されている。 コヘラズネクモバエ Nycteribia parvula Speiser, 1901 昆虫綱 双翅目 クモバエ科。ニホンユビナガコウモリに寄生している。 ケブカクモバエ Penicillidia jenynsii (Westwood, 1834) 昆虫綱 双翅目クモバエ科。ニホンユビナガコウモリに寄生している。生活をコウモリに依存している好洞穴性動物。
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節足動物
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節足動物では、環形動物に似た体節制と、そこからの発展としての異規体節化が明確に見られる。神経系についてもそれが当てはまる。 一般に頭部は口の前後の複数体節が融合して形成されるが、神経系においても脳は複数の神経節が融合して形成される。ここでも口の後方では数節分が癒合している例が多い。 そこから食道を囲んで食道神経環があり、そこから体の後ろに一対の腹神経索が伸び、各体節に神経節と横の連絡がある。これがはしご的な部分であるが、実際には互いに接近している上、神経節の部分では互いに密着している例が多く、はしご形であることは、それらの間の部分でそこに間隙があることで判断できる程度である。多足類など同規体節的な性質の強いものではこの部分が長く、はしご形が比較的強く残るが、甲殻類や昆虫、クモガタ類では神経の集中がより強く、はしご形の残る部分が少なくなっている。
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節足動物
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「世界の侵略的外来種ワースト100」の記事における「節足動物」の解説
和名・学名出自・原産地被害の現状画像チュウゴクモクズガニEriocheir sinensis特定外来生物 中国の長江流域 ヨーロッパや北アメリカへ進入しており、欧米の在来種と異なり陸上移動ができるため、侵入以降瞬く間に分布を拡大し在来種を駆逐した。アメリカでは本種に関わる一切の商取引が禁止されている。なお高級食材として知られる上海蟹は本種である。 ミドリガニCarcinus maenas要注意外来生物 ヨーロッパ バラスト水を通じて世界中に広まった。低酸素環境に強く、浚渫により深度の増した港湾は本種に絶好の環境を提供する。また冬季に産卵、孵化するといった他のカニと競合しない生活史を有することも本種が一方的に個体数を増やす要因となっている。 アシナガキアリAnoplolepis gracilipes 不明(アジアかアフリカか) 邪魔な相手を見境無く攻撃するため、攻撃を受けた生物は仔や卵を殲滅されたりして絶滅に至り、侵入地域の生態系が貧弱化する。またカメムシ目吸汁昆虫を保護する習性があり、間接的に農業害虫となる。本種は当リスト中の熱帯産アリの中で最も分布が広い。被害が大きいのは太平洋やインド洋の離島で、クリスマス島では固有の鳥類や特産のアカガニの絶滅が危惧されており、アフリカマイマイの侵入を阻止していたこのカニの個体数減少によりアフリカマイマイ侵入の懸念が出ている。 アノフェレス・クァドリマクラタスAnopheles quadrimaculatus 北アメリカ ハマダラカの一種で水田のような環境を好む。マラリアはむろんのこと、各種伝染病を媒介する。ヒトのみならず、イヌに対しても犬糸状虫を媒介する指摘がされている。アメリカ合衆国は過去に一度マラリアの根絶に成功したのだが、近年再び病人が出ており本種が媒介した可能性が高いとされている。著名なマラリアの運び屋ガンビエハマダラカ(Anopheles gambiae)のような他のハマダラカはもっぱら熱帯産で低温環境に対する耐性がないのだが、本種は温帯産なので越冬が可能であり、他の温帯地域に侵入した場合、その地域にマラリアが蔓延する危険性が指摘されている。 アルゼンチンアリLinepithema humile特定外来生物 アルゼンチンウルグアイパラグアイブラジル南部 建築物に好んで営巣し、巣の周囲にいる生き物はヒトも含めて見境なく攻撃される。特に他種のアリについてはこれを殺戮し根絶するので侵入地域からは在来種のアリが消える。多女王性で頻繁に分巣するとともに、放浪性が強いので一箇所に留まらず駆除は困難を極める。侵入地域では半径100km におよぶ巨大コロニーを形成することでも知られている。 イエシロアリCoptotermes formosanus 中国南部 種小名にformosanus(台湾の)とあるが実際の原産地は中国南部と考えられている。家屋などの建築物を食害する。熱帯産なので、天敵のいない南方の離島などに侵入した場合の被害はことさら甚大で、日本では八重山諸島や小笠原諸島がその典型例を示している。ハワイではイオラニ宮殿など歴史的建築物にまで被害が及んでいる。 キナラ・カプレッシCinara cupressi チリアルゼンチン アブラムシの一種。中米、アフリカ、ヨーロッパ、中東、モーリシャスに侵入しており、イトスギ属、ビャクシン属に寄生して吸汁しこれらを立ち枯らす。これら2属の針葉樹には一般に害虫があまり付かないため、庭園樹としてよく栽培されるが、本種はその前提を覆す園芸害虫となっている。乾燥に強く湿気に弱いという性質を有する。 キオビクロスズメバチVespula vulgaris ユーラシア大陸全域 日本にも分布している地下営巣性のクロスズメバチ。本来攻撃性はあまり強くないのだが、人為移入された北米では餌の多くをヒトに頼っているため本種による刺傷被害が多発している。またオーストラリアでは多女王性、多年営巣性へと進化し、成虫数3,000,000-4,000,000頭といった巨大な巣を作るようになっている。 コカミアリWasmannia auropunctata特定外来生物 中米キューバ 英名は Electric ant。サトウキビやカカオの吸汁害虫を保護するので、原産地でも忌み嫌われている熱帯性アリ。しかし他のカカオの害虫は駆除するので、カメルーンのように歓迎している地域もある。ガラパゴス島へ侵入しており、海鳥のヒナや固有種であるゾウガメやイグアナの仔が攻撃され殺されるといった被害が相次いでいる。本種もヒアリ同様アルカロイド系の毒と毒針を有している。 タバココナジラミBemisia tabaci アメリカ シラミとあるが実際にはウンカの仲間。トマト、ワタ、サツマイモといった農作物を吸汁し、さらにはこれらにウイルス病を感染させる大害虫。農作物の苗などを通じて世界中に広まったと考えられている。虫体が微小なため侵入を防止しにくく、通年繁殖し、ライフサイクルも短いので農薬に対する抵抗性もすぐ獲得する。 ツヤオオズアリPheidole megacephala おそらく南部アフリカ 本リストに挙げられたアリの中でアシナガキアリと並んで分布域が広く、すでに世界中の熱帯に広まっている。英語での別名 lion ant の名の通り非常に凶暴な性格を有しており、本種が侵入した地域では目に見えて植物相が貧弱化する。また電気系統に引き寄せられる性質があり、電話線などが噛み切られる。 ツヤハダゴマダラカミキリAnoplophora glabripennis 中国朝鮮半島 幼虫は広葉樹ならほぼ全ての樹種に穿孔し内部を食害する。穿孔された木は樹勢が弱まる、酷い場合は枯死するといった被害を受ける。アメリカ合衆国に侵入し、厄介な林業害虫となっている。日本に産するゴマダラカミキリは本種の近縁種で、性質はほぼ同じ。 ヒアリSolenopsis invicta特定外来生物 南アメリカ・アマゾン川流域 英名をFire ant(ファイアーアント)と称するが、この名で呼ばれる種には中米産種もあるので、特に本種を指す場合はRIFA(Red Imported Fire Ant)と称する。リストにある他の熱帯産アリに習性を同じくするが、本種はアルカロイド系の毒液を仕込んだ毒針を有しており、これで相手を刺すので被害が大きい。アメリカ南部、フィリピン、台湾、中国南部に定着している。 ヒトスジシマカAedes albopictus 東南アジア-東アジア 俗に言うヤブカ。元来熱帯性だが、冬眠できるので温帯や亜寒帯にまで分布を広げている。おそらくは東アジアから北米へ輸出された古タイヤの雨水に潜んでいたボウフラがアメリカ東部に定着し、10年経たないうちにそこから欧州、中南米、中東に分布を広げた。西ナイル、チクングニア熱、黄熱、デング熱などの熱病を媒介するうえに、犬糸状虫の運び屋でもある。 ヒメアカカツオブシムシTrogoderma granarium 南アジア 典型的な貯穀害虫。高温かつ乾燥した環境で爆発的に増殖するが、低温環境下も冬眠で乗り切るのでひとたび倉庫などにはびこると根絶は不可能。いまではタイとインドネシアを除いたアフリカからアジアにかけての熱帯域全ての国に分布している。オセアニア諸国への食品持込には厳しい制限があるが、その理由の一つに本種の侵入に対する警戒がある。 マイマイガLymantria dispar ユーラシア大陸の温帯域 幼虫は広葉樹、針葉樹、草本を区別なく食い尽くす森林害虫で、定期的に異常発生を繰り返すことで知られる。原産地では天敵によりやがて異常発生が収束するが、天敵のいない北アメリカに侵入した一群の異常発生は止むところがなく、問題になっている。 セルコパジス・ペンゴイCercopagis pengoi 黒海、カスピ海 オオメミジンコ科の1種。元々塩水性だが塩分濃度に対する耐性が強く、淡水でも生存、繁殖が可能。バラスト水を通じ旧ソ連の黒海から東ヨーロッパの淡水系に侵入したほか、アメリカ合衆国の五大湖にも侵入した。個体数を増やすことでエサである在来の植物性プランクトンを大量に消費し、競合する在来の動物性プランクトンや小魚を圧迫、さらにプランクトン食性の魚類の新たなエサになりこれらを異様に増やすなど、生態系に多大な影響を与えている。長い枝角を有しており、これが魚網の目を詰まらせるなどの漁業被害も出ている。
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節足動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 20:28 UTC 版)
ショウジョウバエでは、ある種のミオシンタンパク質の働きによる細胞の形態のゆがみに起因して消化管が非対称な形態をとる。
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節足動物
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昆虫は複眼で一般的に色覚を持つが、アリやカマキリは色覚を持たない。昆虫のほか、エビやカニなどは色覚を持つと認められている。
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節足動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/19 21:50 UTC 版)
寄生性甲殻類に多くの例がある。たとえばカイアシ類のナガクビムシ、等脚類のエビヤドリムシ類などに例がある。
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節足動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 15:49 UTC 版)
節足動物の触角は頭部に備え、先節より後の体節に由来の付属肢(関節肢)である。左右に対をなし、外骨格に包まれる。多数の関節を持っているのが普通だが、途中の関節を大きく動かすものはまれで、多くの場合は基部の関節で大きく振り動かすように使われる。多くの場合は、頭部から前方へ伸ばし、進行方向を探る役割を果たしている。 触角は多くの節足動物が持っている。触角の形や配置は節足動物においては、おのおのの分類レベルで、それぞれに重要な分類形質となっている。特に昆虫類のコウチュウ目やハエ目の場合、触角の構造が科の分類で重視される。また、触角が二次的に退化し、もしくは触角に相同の付属肢が触角でない別の器官となった節足動物もある。 様々な昆虫の触角 ヤスデの触角 軟甲類の体制模式図 三葉虫Triarthrus eatoniの復元図 六脚類、多足類、Artiopoda類(三葉虫類など)、およびフーシェンフイア類などの触角は1対(甲殻類の第1触角に相同)で単枝型。ただし、六脚類のカマアシムシには触角がない。また、エダヒゲムシの触角には分枝があるように見える。 甲殻類では2対の触角をもち、前後で第1触角(first antenna、antennula)・第2触角(second antenna、単に「antenna」とも)と区別される。基本として第1触角は単枝型、第2触角はニ叉型である。ただし軟甲類とムカデエビの場合、第1触角は2本以上の分岐をもつ。甲殻類の初期幼生であるノープリウスは、第2触角を用いて遊泳をする。 鋏角類には触角はない。かつてこれは二次的退化の結果と思われたが、のちに鋏角は上述の群の第1触角に相同であると判明した。ただし、歩脚の1対が細長く伸びて、触角のように環境を感知する役割を果たすようになっている鋏角類がある。クモガタ類に属するサソリモドキ類・ヤイトムシ類・ウデムシ類の第1脚、ザトウムシ類の第2脚などがその例である。また、クモガタ類の触肢は、感覚器官として用いられる例も少なくない。
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節足動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 14:09 UTC 版)
節足動物の多くは卵生だが、昆虫には胎生のものも含まれる。その多くは卵胎生だが、ツェツェバエなどでは母親から栄養が供給される。タマバエやハチネジレバネの受精卵は母親の血体腔内で発生する。ゴキブリの一種Diploptera dytiscoidesやハサミムシの一種Hemimerus talpoidesのように胎盤に似た構造を持つ偽胎盤胎生の種もいる。 昆虫ではカメムシ類やアザミウマ類などのなかに、母親が卵や幼虫を保護するものがいる。甲虫のキノコムシの一種Pselaphicus giganteusの母親は、幼虫を餌のキノコに連れて行く行動を示す。ハチの仲間には母親によるさまざまな程度の保護が見られる。ベッコウバチ類やアナバチ類の一部では、雌は巣穴に餌を準備してから産卵し、その後の子育てはしないが、ドロバチなどの雌は幼虫の孵化後も餌を補給し続ける。子の餌を準備するものは甲虫にも多く、とくに動物の死体や糞を餌とするシデムシ類やコガネムシ類に見られる。これらのグループのなかには、孵化後も親が子のもとに留まるものもいる。とくにスネマガリシデムシの幼虫は、肉塊に加えて母親が口から出す液も摂取して育つ。甲虫ではほかに、食材性のクロツヤムシ科、クワガタムシ科、ナガキクイムシ科やキクイムシ科などに親が産卵・孵化後も子のそばに留まるものが多く知られており、さまざまな程度の子育て行動が見られる。父親が子育てをする例は少ないが、水生昆虫であるコオイムシ科のうち、タガメ亜科の5種では父親が植物に産み付けられた卵を世話し、コオイムシ亜科の全種ではやはり父親が、卵を体に付着させて保護する。モンシデムシ属でも、父親が母親とともに産卵後の養育を行うことがある。 ダニのなかにも子の防衛や給餌をする種がいる。ミツバチに寄生するミツバチヘギイタダニでは、母親がミツバチから体液を吸うための穴を適切な場所に開けることで、子に餌を与えている。ササの葉の裏に住むタケノスゴモリハダニでは、両親ともに、捕食者であるタケカブリダニから卵や幼虫を防衛する行動を示す。クモのなかには母親が卵を保護する種がある。コモリグモ科に代表される徘徊性クモの雌は、孵化するまで卵嚢を持ち歩き、孵化した子供を腹部に乗せる。大きな網を共有して集団で生活するクモでは、複数の雌が協同で孵化後の子を保護することも知られている。 甲殻類の抱卵亜目はその名前通り、母親が卵を体に付着させて保護するが、幼生は海中に放出されることが多い。フクロエビ上目の雌は育房を持ち、卵はその中で育つ。種によっては、孵化し育房を出た幼体もしばらく母親のもとに留まり、保護される。ウミグモ類では、雄が担卵肢と呼ばれる特殊化した付属肢で卵を運ぶ。
※この「節足動物」の解説は、「動物の子育て」の解説の一部です。
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節足動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:47 UTC 版)
昆虫にもキノコを食べるものは数多い。森林土壌中の微小な節足動物の8割は菌類の菌糸体を食べる菌食者(Mychophagous, Fungivores)である。科の名や属の名に「キノコ」の語を冠しているものに、コウチュウ目に属するオオキノコムシ科・デオキノコムシ科・コキノコムシ科があり、それらに所属するものの多くがキノコを餌として、そこに生活している。他にゴミムシダマシ科にもキノコを食べる種類が多数知られている。ハエ目にはキノコバエ科・チャボキノコバエ科・ツノキノコバエ科・ホソキノコバエ科・クロキノコバエ科などがある。 熱帯域に分布するいわゆる高等シロアリ類や、南北アメリカ大陸に生息するハキリアリの仲間は、キノコを育て菌胞を餌として利用する物がある。 ヤスデ類もさまざまなキノコの子実体上で見出され、子実体そのものを食べるほか、枯れ葉などの上に繁殖したキノコの菌糸を葉ごと摂食する。
※この「節足動物」の解説は、「キノコ」の解説の一部です。
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節足動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 09:19 UTC 版)
節足動物の1グループである甲殻類では、とくにエビ類に性転換を行うものが多い。代表的なものとしては、アマエビとして食されるホッコクアカエビを含むタラバエビ科タラバエビ属で雄性先熟の性転換が知られている。ただしタラバエビ属では一部の個体が生涯を雌として過ごす。雄性先熟は他に、テッポウエビ科のムラサキヤドリエビなどでも知られている。 甲殻類では魚類とは逆に、雌性先熟種は比較的少ない。等脚目のウミナナフシ(英語版)科、タナイス目などで雌性先熟が知られている。
※この「節足動物」の解説は、「性転換」の解説の一部です。
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節足動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 14:10 UTC 版)
カブトエビ エビの背甲(赤) クモの前体 カブトガニ 背甲と呼ばれる構造をもつ節足動物は、主に甲殻類と鋏角類が挙げられる。
※この「節足動物」の解説は、「甲羅」の解説の一部です。
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節足動物
「節足動物」の例文・使い方・用例・文例
- 定期的にそれらの外層(羽、表皮、皮膚または髪)を放棄する動物(特に鳥、節足動物および爬虫類)
- 広範囲にわたる宿主(主に脊椎動物と節足動物)に影響を及ぼすアルボウイルスの大きな科
- 節足動物によって運ばれるアルボウイルスの種類
- 節足動物によって運ばれるアルボウイルス科
- 節足動物によって伝えられるアルボウイルスの族
- 節足動物によって運ばれるアルボウイルスの科
- 節足動物の組織にいるが、脊椎動物に病気をもたらすバクテリアに似た微生物
- 腐食性の節足動物の中で生き、脊椎動物宿主の疾患を引き起こす非常に小さい桿菌(マダニ類やダニ)のグループの総称
- 宿主の細胞に侵入して破壊する節足動物と魚類の寄生虫
- 節足動物各種
- 節足動物の属
- 関節のある肢を持つ無脊椎動物:蛛形類の節足動物
- 古生代の時代に豊富であった絶滅した節足動物
- 昆虫または他の節足動物の口の部分、または特に食物摂取の特別な仕方に適応した口
- クモ、ダニ、サソリ、ガガンボを含む節足動物の大きな類
- 単眼と4対の肢に特徴がある空気を吸う節足動物類
- 小型の丸い体と非常に長い薄い肢を持つクモのようなクモ形類の節足動物
- 毒針が先に付いた長い分節に分かれた尾を持つ暖かい乾燥地帯のクモ形類の節足動物
- しばしば動物や植物または貯蔵食物に寄生する、非常に小型のものから微小なものまでに至る非常に多くのクモ形類の節足動物類の総称
- 他の節足動物を主食にする全ての段階のダニ
節足動物と同じ種類の言葉
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