天敵とは?

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てんてき 0 【天敵】

自然界で、ある生物捕食寄生によって殺す他の生物。天敵は個体数の均衡を保つのに重要な役目を果たすとともに病害虫防除にも利用される。鳥類多く昆虫の天敵である。



生物学用語辞典

JabionJabion

天敵

英訳・(英)同義/類義語:natural enemy

捕食者、被捕食者の関係で、特定生物によって補食される場合をその天敵という。


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天敵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/11/03 16:57 UTC 版)

Hierodula patellifera preys on maculaticollis.JPG

天敵(てんてき)とは、対象とする生物にとって、重要な捕食者か、それに代わり得る能力を持った生物のことである。

転じて、あるものにとって苦手とする人物や物事を指して、「あいつは俺の天敵だから」などと使うことがある。

目次

天敵とは

自然界では、生物は食う食われるの関係でつながっている。ここで”食う”というのは、必ずしも捕食を意味するものではなく、寄生であっても、相手を殺すことになれば、それも含める。たとえば寄生バチ病原体も含まれる。そのような生物を、食われる側の生物の天敵と呼ぶ。

実際の生物群集では、あるものを食う生物が一つしかないことは少なく、それぞれの生物は複数の天敵を持つ。ただし、食物連鎖高い段階のものでは、ほとんど天敵を持たないものも存在する。現在のヒトは、かつての脅威であったペスト天然痘が見られなくなったのでほとんど天敵がない存在である。

自然界の生物群集では、これら食う食われるの関係が複雑に組み合わさって、各種生物の個体数は、比較的一定に保たれているものと考えられる。どれかの種が増えれば、それを食料とする天敵が増加し、結果としてその種を減少させる力がそれまでより強まるからである。逆に天敵が増えすぎた場合も、捕食される生物の不足により数が抑制される。

人工的環境である農地では、このような構造が維持されないので、害虫が大発生することがよくある。また、それまでそこにはいなかった生物(移入種)が進入した場合にも、このような関係が成立しないので、大発生が引き起こされる可能性がある。

天敵による害虫防御

農地においては、先にも述べたように、害虫の大発生は起こりやすい。しかも、農業のための資材などを通じて、移入種が進入する機会も多いので、なおさらに危険である。農業の作業に害虫防除の占める部分は大きい。

その方法の一つとして、天敵を利用することがある。具体的には、さまざまなやり方がある。対象を強いて特定しないやり方としては、食虫性の強い動物を放して、とにかく虫なら何でも取らせるやり方がある。水田や畑に近所からクモを見つけては放り込んで、一定の効果が上がったなどという例がある。やや消極的な対応としては、天敵を殺さないような農薬の使用法をとる試みがある。農薬をかけることで害虫と天敵が死亡すれば、たいていは害虫の方が復活が早く、害虫の大発生を招く、と言うことが往々に見られることから、天敵の効果をそがないような農薬の使用法を工夫するわけである。

対象を特定する方法としては、特にその害虫を捕食する性質の強い種を求め、これを放して害虫退治をもくろむものである。 害虫が外来種の場合には、国内にはそういった天敵が見られないので、その害虫の原産地から天敵を捜して持ち込むことも行われる。その最初の例は、1860年代にアメリカ合衆国で試みられた、イセリアカイガラムシ防除対策としてのベダリアテントウの導入である。この例は劇的な成功を遂げ、世界各国でイセリアカイガラムシの被害を大幅に減じることに成功した。これ以後、同様の試みが世界各地で行われるようになった。

農薬の登場以来、害虫対策はほとんどが農薬使用になったが、最近では、その弊害が多く指摘されるようになり、その代替策の一つとして、天敵を害虫防除に利用することが上げられている。そのために特定の害虫に対する天敵を生産し、販売されている例もある。

天敵利用の功罪

天敵を利用した害虫防除は、うまく行けば大変な効果を上げる。何しろ天敵の方で勝手に殖えてどんどん害虫を食ってゆくのだから当然である。特に、移入種の昆虫を防除する場合、それを捕食またはそれに寄生する昆虫を探してきて持ち込み、効果を上げた例が多数ある。イセリアカイガラムシに対するベダリアテントウルビーロウカイガラムシに対するルビーアカヤドリコバチなど、今ではこれらのカイガラムシを見るのが難しいほどの防除効果を上げている。

そういった場合ではなく、在来の昆虫を相手に天敵を使う場合、全滅に持ち込むことはできない。自然の生物群集では、自分の餌を食い尽くすようでは、自分が絶滅するので、必ずそうはならない仕組みが存在するからである。したがって、天敵利用は、害虫を一定量以下に抑えるか、要所要所で退治するかという形を取る。たとえばハダニのついた枝にハダニを食うカブリダニの入った袋をぶら下げれば、その近辺ではハダニを全滅に持ち込むことが期待できる。

ただし、さまざまな問題点も指摘されている。

病原体を利用する場合、抵抗力を持つ害虫が出現することがあり得る。

また、外来の天敵を持ち込む場合、天敵が、目標だけを攻撃するかどうか分からない場合がある。沖縄で、ハブ退治を目的にマングースを放したのはこの例である。結果として、ハブは減ったかどうか不明で、むしろマングースによるヤンバルクイナなど固有種が食害され、問題となっている。また、タヒチハワイ諸島父島ではアフリカマイマイの駆除のためにヤマヒタチオビを導入したところ、ヤマヒタチオビはより捕食の容易な現住の陸生貝類を攻撃し、いずれの地域でもほとんどの貴重な固有種が絶滅に追い込まれている。寄生性の昆虫等、天敵がごく狭い攻撃対象を持つものでは、この危険は少なくなるが、それでも、害虫と近縁の自生の昆虫が攻撃される場合があるようだ。

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