集群とは? わかりやすく解説

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集群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/19 11:33 UTC 版)

集群(しゅうぐん、: aggregate)は、国際動物命名規約第4版において、内の種の集合のうち亜属以外のもの、または亜属内ののなんらかの集合、種内の亜種のなんらかの集合を指す用語である[1][2]。集群の学名は、丸括弧に入れた種階級群を用いて記すことができる[1][2]


注釈

  1. ^ ICZN の定義する種階級群(species group、条45)とは異なる。渡辺千尚『国際動物命名規約提要』(文一総合出版、1992)では ICZN における species group が「種群」と訳されていた[4]
  2. ^ 単に「種群」とすることが多い。植物や菌類では「種複合体」[8][9]や「複合種」[9]と訳すこともある。
  3. ^ 単に群(group, complex)としてspeciesを省略することもある。
  4. ^ 上種という用語は普通、分類学用語としてではなく[10]、種分化研究における生殖的隔離が弱い集団の集合に対して用いられることが多い[11]。その場合、部分的交雑と形質の移行、弱い生殖的隔離を示す異所性個体群集団を半種(はんしゅ、hemispecies)といい、半種の集合が上種(超種[10])と呼ばれる[11][10]
  5. ^ ICZN では「節」という階級は属や亜属を区分する目的で使用された場合、命名法の目的においては属階級群名として扱い、亜属とみなされる[14][15]
  6. ^ superspecies 「上種」

出典

  1. ^ a b ICZN 第4版 2000, Glossary "aggregate".
  2. ^ a b ICZN 第4版 日本語版追補 2005, p. 93, 用語集 "集群".
  3. ^ a b c d e f g h i j k 大久保 2006, pp. 34–35.
  4. ^ ICZN 第4版 日本語版追補 2005, p. 93, 用語集 "種階級群".
  5. ^ a b 岩本光雄「サルの分類名(その2:オナガザル,マンガベイ,ヒヒ)」『霊長類研究』第2巻第1号、日本霊長類学会、1986年、76–88頁、doi:10.2354/psj.2.76 
  6. ^ 松井 1997, p. 218.
  7. ^ Takakazu Ozawa; Kouhei Oda; Toshihide Ida (1990). “Systematics and distribution of the Diplophos taenia species complex (Gonostomatidae), with a description of a new species”. Japanese Journal of Ichthyology (Ichthyological Society of Japan) 37 (2): 98–115. doi:10.11369/jji1950.37.98. 
  8. ^ a b 青木孝之「菌類学名の読み取り方」『植物防疫』第63巻第2号、日本植物防疫協会、2009年、112–118頁。 
  9. ^ a b 青木孝之「Fusarium 属菌の分類・種概念と系統学:その発展と現状,解決すべき問題点」『日本菌学会会報』第56巻第2号、日本菌学会、2015年、49–67頁。 
  10. ^ a b c 馬渡 2006, p. 131.
  11. ^ a b 馬渡 1997, p. 25.
  12. ^ ICN(2018, 深圳規約)日本語版 2019, p. 5, 第4.1条.
  13. ^ 溝田浩二「門外漢のための「学名」のはなし」『化学と生物』第42巻第2号、日本農芸化学会、2004年、99–103頁、doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.42.99 
  14. ^ ICZN 第4版 日本語版追補 2005, 条10.4.
  15. ^ ICZN 第4版 日本語版追補 2005, p. 95, 用語集 "節".
  16. ^ ICZN 第4版 2000, Article 5.1.
  17. ^ ICZN 第4版 日本語版追補 2005, 条5.1.
  18. ^ ICZN 第4版 2000, Article 5.2.
  19. ^ ICZN 第4版 日本語版追補 2005, 条5.2.
  20. ^ ICZN 第4版 2000, Glossary "interpolated name".
  21. ^ ICZN 第4版 日本語版追補 2005, p. 105, 用語集 "挿入名".
  22. ^ ICZN 第4版 2000, Article 6.2.
  23. ^ ICZN 第4版 日本語版追補 2005, 条6.2.
  24. ^ ICZN 第4版 2000, Recommendation 25A.
  25. ^ ICZN 第4版 日本語版追補 2005, 勧告25A.
  26. ^ a b ICZN 第4版 2000, Article 6.2 Example.
  27. ^ a b ICZN 第4版 日本語版追補 2005, 条6.2 例.
  28. ^ ICZN 第4版 2000, Recommendation 6B.
  29. ^ ICZN 第4版 日本語版追補 2005, 勧告26B.
  30. ^ a b ICZN 第4版 日本語版追補 2005, p. 5, 条6.2 例の注釈.
  31. ^ ICZN 第3版 1985, Article 6 (b) Examples.
  32. ^ ICZN 第4版 2000, Article 23.3.3.
  33. ^ ICZN 第4版 日本語版追補 2005, 条23.3.3.
  34. ^ ICZN 第4版 2000, Article 11.9.3.5.
  35. ^ ICZN 第4版 日本語版追補 2005, 条11.9.3.5.


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