こくさい‐どうぶつめいめいきやく【国際動物命名規約】
国際動物命名規約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 21:17 UTC 版)
国際動物命名規約(こくさいどうぶつめいめいきやく、International Code of Zoological Nomenclature、ICZN)とは、動物命名法国際審議会 (International Commission on Zoological Nomenclature, ICZN) による、動物の学名を決める際の唯一の国際的な規範である。同様の任にある国際藻類・菌類・植物命名規約、国際原核生物命名規約とあわせて、生物の学名の基準となっている。現在の最新版は第4版(1999年)。本規約が定めるのはあくまで学名の適切な用法であり、分類学的判断には一切関与しない。
- 1 国際動物命名規約とは
- 2 国際動物命名規約の概要
- 3 先取権の原則の例外措置
- 4 外部リンク
国際動物命名規約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 04:07 UTC 版)
「階級 (生物学)」の記事における「国際動物命名規約」の解説
国際動物命名規約 (ICZN Code)において規制される階級は「科階級群」、「属階級群」および「種階級群」の3つのみである。科階級群(かかいきゅうぐん、英: family group、仏: niveau famille、旧訳は「科グループ」)とは「上科,科,亜科,族,その他上科よりも低く属階級群よりも高い,必要に応じた任意の階級(たとえば亜族)に位置するタクソン」、属階級群(ぞくかいきゅうぐん、英: genus group、仏: niveau genre、旧訳は「属グループ」)とは「属・亜属の階級にあるタクソン」の集合、種階級群(しゅかいきゅうぐん、species group、旧訳は「種グループ」)とは「種および亜種の階級にあるすべてのタクソン」を表す。 寄集群(きしゅうぐん、collective group)や属階級群を表す生痕化石タクソンは属階級群名として用いられる。 また種の前後に、種集群および亜種集群を挿入することができる(それぞれ種小名、亜種小名として扱われる)。集群(しゅうぐん、aggregate)とは、属内の種の集合のうち亜属以外のもの、または亜属内の種のなんらかの集合、種内の亜種のなんらかの集合を指す。集群を丸括弧にいれた種階級群名によって表示してもよいとされ、亜属より下位で種より上位、種より下位で亜種より上位の学名を表示することができる。種集群の指す階級は著者が示すことができ、例えば種集群名に「上種 superspecies」を、亜種集群名にexerge をというように、命名規約上定められていない階級の意味を与えることができる。 また、現在の規約(第4版)においては、国際藻類・菌類・植物命名規約とは違い、亜種より下位の変種(へんしゅ、英: variety, 羅: varietas)および植物の品種にあたる型(かた、英: form, 羅: forma)は、両階級とも1960年よりも後に公表されたものであれば、亜種よりも低い階級を示すと見なされるため認められず、1961年よりも前に公表されたもので亜種より下位に置かれていないならば(型の代わりに)亜種とみなされる。 これを整理すると、以下のようになる。なお、科階級群には任意の階級を置くことができるため、族の上、亜科の下に上族 supertribeを置くことができるが、規約中にこの用語はないため、下表では表示しない。 国際動物命名規約に認められる分類階級 群 group 日本語 英語 科階級群family group 上科 superfamily 科 family 亜科 subfamily 族 tribe 亜族 subtribe 属階級群genus group 属 genus 亜属 subgenus 種階級群species group 種集群 aggregate of species 種 species 亜種集群 aggregate of subspecies 亜種 subspecies 現在有効な国際動物命名規約第4版ではこれより上位の学名は定められず、任意の階級を置くことになる。動物学では、綱と目の間に団 (legion) および区 (cohort) の階級を用いる分類体系もある。ただし、命名規約における区 divisionは「分類階級のひとつ.ある属または亜属を分割するものとして使用される場合には,命名法の目的において,亜属という階級と見なされるもの」とされる。植物における門と同じ英名であり、命名法上亜属と同義の階級とみなされ、この場合の区とは異なる。また、目の前後には巨目 magnorder、上目 superorder、大目 grandorder、中目 mirorder、目 order、亜目 suborder、下目 infraorder、小目 parvorderのように「亜- sub-」および「上 super-」だけでなく、「巨- magn-」、「大- grand-」、「中- mir-」、「下- infra-」、「小- parv-」という接頭辞をつけ、挿入されるこのもある。 以下に、『岩波生物学辞典 第5版』(2013)による分類階級の例を示す。昆虫など特定の分類群では、これに加え、節 section、枝 branch、群 group、集団 phalanx、系列 seriesを置くこともあるが、どこの階層に置かれるかは研究者により一貫していない。 動物学において用いられる主な分類階級(基本階級を太字、補助階級を普通の字体で示す) 日本語 英語 界 kingdom 亜界 subkingdom 門 phylum 亜門 subphylum 上綱 superclass 綱 class 亜綱 subclass 下綱 infraclass 上団 superlegion 団 legion 亜団 sublegion 下団 infralegion 上区 supercohort 区(コホート) cohort 亜区 subcohort 巨目 magnorder 上目 superorder 大目 grandorder 中目 mirorder 目 order 亜目 suborder 下目 infraorder 小目 parvorder 上科 superfamily 科 family 亜科 subfamily 上族 supertribe 族 tribe 亜族 subtribe 属 genus 亜属 subgenus 種 species 亜種 subspecies
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国際動物命名規約
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the International Commission on Zoological Nomenclature (ICZN) (1999). International Code on Zoological Nomenclature (4 ed.). The International Trust for Zoological Nomenclature. ISBN 0-85301-006-4. https://www.iczn.org/the-code/the-code-online/ In: Ride, W.D.L.;H.G. Cogger; C. Dupuis; O. Kraus; A. Minelli; F. C. Thompson; P.K. Tubbs, ed (1999). International Code of Zoological Nomenclature Fourth Editon adopted by the International Union of Biological Sciences. London: International Trust for Zoological Nomenclature. pp. xxix+306 pp オンライン版:“The Code Online (INTERNATIONAL CODE OF ZOOLOGICAL NOMENCLATURE Fourth Edition)”. International Commission on Zoological Nomenclature. 2021年7月2日閲覧。 日本語版:動物命名法国際審議会『国際動物命名規約第 4 版日本語版』野田泰一・西川輝昭、日本動物分類学関連学会連合、2000年、xviii + 133 pp。 日本語版追補:動物命名法国際審議会『国際動物命名規約 第4版 日本語版 [追補]』野田泰一・西川輝昭、日本分類学会連合、2005年10月。ISBN 4-9980895-1-X。
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