乳製品
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加工(製造)技術による類型分類
主要な加工技術で類型分類すると下述の4つに類型分類される[1][2]、北緯約40°、年間平均気温約15℃を境に、北方域と南方域とでは別々に乳加工体系が発達した[3]。また、インドの加工技術は多様性に富んでいる[4][5][6]。
- 発酵系列群 - 生乳を乳酸発酵し、酸乳にしてから加工。
- クリーム分離系群 - 生乳からクリーム分を分離して加工。
- 凝固剤使用系列群 - 生乳に凝固剤を添加し、チーズを得てから加工。
- 加熱濃縮系列群 - 生乳を加熱・濃縮して加工。
- インド
主な乳製品
- ヨーグルト - 乳をそのまま発酵させたもの。
- クリーム - 乳の乳脂肪分を取り出したもの。加工していない乳を(煮沸消毒後)放置すると上部に溜まるのがクリーム。
- チーズ - 乳から固形分を取り出して固めたもの。さらに発酵させたものが一般的である。
- バター - クリームから油分を分離させたもの。単にクリームを撹拌することで作られる。保存のために塩分が追加される。
- バターミルク - バター製造時に出来る液体のことである。欧米ではスーパーマーケットで買えるほどメジャーな飲料であるが、日本では省令上乳製品にならないため、主にバターミルクパウダーに加工される。
- ギー - バターをさらに精製したもの。低温で加熱することによって一部の成分が固まって沈澱するため、それを取り除いて作られる。普通の食糧油と同じように、常温で長期の保存ができる。精製バターとも呼ばれる。バターと違い、塩は加えられていない。
- 酒 - 発酵(ヨーグルト同様の乳酸発酵である)させたのみの醸造酒はアルコール度が低く、ヨーグルトのように用いられる。蒸留酒は、通常の酒のように飲まれる。モンゴルの馬乳酒(アイラグ。呼び名は地域によって異なる)等がある。中国には「奶醸啤酒」(ナイニャンピージウ)という発泡酒がある。日本では、米とともに発酵させた牛乳焼酎が少量製造されている。
- 乳脂 - 主に工業原料としての乳脂肪。石鹸の原料などに使われることがある。
- カゼイン - 主に工業原料としての乳蛋白成分。栄養剤、安定剤[要曖昧さ回避]、印章の原料などに使われる。
日本の法律に基づく乳および乳製品
食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」では次のように分類される。
- (省令上の)乳
- 生乳 - 牛から絞った状態の生の乳。
- 牛乳 - 生乳100%、成分無調整で殺菌したもの。
- 特別牛乳 - 限定された牧場および処理施設で作られる牛乳。
- 生山羊乳 - ヤギから絞った状態の生の乳。
- 殺菌山羊乳 - ヤギの乳100%。
- 生めん羊乳 - ヒツジから絞った状態の生の乳。
- 生水牛乳 - スイギュウから絞った状態の生の乳。
- 成分調整牛乳 - 生乳100%、成分調整して殺菌したもの。
- 低脂肪牛乳 - 生乳100%、乳脂肪分0.5 - 1.5%に成分調整して殺菌したもの。
- 無脂肪牛乳 - 生乳100%、乳脂肪分0.5%以下に成分調整して殺菌したもの。
- 加工乳 - 生乳、牛乳のほかに脱脂粉乳やバターなどの乳製品を原料として製造。
- (省令上の)乳製品
- クリーム
- バター
- バターオイル - バターまたはクリームからほとんどすべての乳脂肪以外の成分を除去したもの(乳等省令第2条第15項)。
- チーズ
- 濃縮ホエイ
- アイスクリーム類
- アイスクリーム
- アイスミルク
- ラクトアイス
- 濃縮乳
- 脱脂濃縮乳
- 無糖れん乳 - 「エバーミルク」など。
- 無糖脱脂れん乳
- 加糖れん乳 - 「コンデンスミルク」など。
- 加糖脱脂れん乳
- 全粉乳
- 脱脂粉乳 - 「スキムミルク」など。
- クリームパウダー
- ホエイパウダー
- たんぱく質濃縮ホエイパウダー
- バターミルクパウダー
- 加糖粉乳
- 調整粉乳 - 育児用粉ミルクなど。
- 調製液状乳 - 育児用液体ミルク
- 発酵乳 - ヨーグルトなど。
- 乳酸菌飲料 - 「ヤクルト」など。
- 乳飲料 - コーヒー牛乳、カルシウムなどの栄養強化乳など。
- ^ 中尾佐助:『料理の起源』,日本放送出版協会,東京(1972)
- ^ 平田昌弘、ヨトヴァ・マリア、内田健治 ほか、「【原著論文】ブルガリア南西部の乳加工体系」『ミルクサイエンス』 2010年 59巻 3号 p.237-253, doi:10.11465/milk.59.237
- ^ 平田昌弘、「アジアの伝統的乳製品とその乳加工体系を探る」『日本栄養・食糧学会誌』 Vol.55 (2002) No.5 p.291-293, doi:10.4327/jsnfs.55.291
- ^ 平田昌弘、「ユーラシア大陸の乳加工技術と乳製品 : 第6回 南アジア-インドの都市部・農村部の事例1 : 乳のみの乳製品」 帯広畜産大学 学術雑誌論文 食品資材研究会 (2011) ,New Food Industry, 53巻 6号 p.73-81
- ^ 平田昌弘、「インド西部における乳製品とその加工技術(前編)」『食の科学』 (2003) 310, p.24-32
- ^ 平田昌弘、「インド西部における乳製品とその加工技術(後編)」『食の科学』 (2004) 312巻 p.52-60, ISSN 02871734
- ^ Publishing, Harvard Health. “Two daily servings of dairy: Good for your heart?”. Harvard Health. 2020年11月5日閲覧。
- ^ 乳製品、飽和脂肪酸、カルシウム摂取量と前立腺がんとの関連について―概要― PMID 18398033
- ^ “乳製品の「乳化剤」、摂りすぎるとカルシウムを欠乏させる” (日本語). NEWSポストセブン. 2019年11月16日閲覧。
- ^ 日本経済新聞社・日経BP社. “乳製品、たくさん食べる人は死亡リスク低く|ヘルスUP|NIKKEI STYLE” (日本語). NIKKEI STYLE. 2019年11月16日閲覧。
乳製品と同じ種類の言葉
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