OH-1とは? わかりやすく解説

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【OH-1】(おーえいちいち)

川崎重工開発した陸上自衛隊観測ヘリコプター
愛称は"Ninja(ニンジャ)"。
エンジンまで国産の、日本2番目となる純国産ヘリコプターである。

OH-6D後継機として1992年から開発始まった初飛行1996年
複合材多用したメインローターや、オフセット配置ダクテッドファンなどにより、優れた静粛性を誇る。
また、軽快機体ターボシャフト双発備えていて運動性高く垂直上昇しながら360度ピッチ回転してしまう「ピレネースプリット」など、独自の機動をとることもできる

前席パイロット/後席観測士タンデム座席や、RMS91式携SAMベースにした空対空ミサイル装備など観測ヘリコプターというよりは武装偵察ヘリコプターに近い設計成されている。
これは、AH-1S使い続けていた陸上自衛隊事情考慮したものと思われるが、全周索敵力を持つAH-64DJPロングボウ導入に伴い本機存在価値見直し迫られた。
AH-1Sよりもデータリンク能力優れAH-64との組み合わせで、従来以上に高度な連携を取ることができるとされる一方ロングボウ自体索敵能力が高いため、予算節約のため財務省から圧力を受け、OH-1のほうが調達中止されるではないかとも謂われていた。

ところが、実際に逆に陸上自衛隊によるAH-64調達13機で中断される決定されたため、逆にOH-1を攻撃ヘリコプター化するという案も現実味帯びつつある。
ただし元来軽量軽快さを主眼置いた機体であるため、兵装等による重量増でOH-1の利点失われてしまうのではないか、という意見もある。
ロータートランスミッションなどの能力には余裕があるため、他にもUH-1J後継となる汎用型計画もあるが、いずれにせよ派生型開発にあたってエンジン出力強化などが課題になるため、強化エンジンXTS2開発中である。

スペックデータ

全長:12.0m
全幅:3.0m(水平安定板幅)
全高:3.8m/4.0m(主ローター頂部まで)
ローター直径:11.6m
胴体幅:1.0m
回転円盤面積:107.8㎡
空虚重量:2,439kg
基本運用自重:3,550kg
最大離陸重量:4,500kg
最大兵装搭載量:132kg
エンジン三菱TS1-M-10ターボシャフトエンジン推力633kW)2基
速度:140kt(最大)/119kt(巡航
実用上昇限度:4880m
航続距離:292nm
行動半径:108nm
乗員:2名
兵装91AAM×4(左右2発ずつ)、増槽2基

oh1.jpg

Photo:MASDF


OH-1

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 12:08 UTC 版)

OH-1は、川崎重工業によって製造された陸上自衛隊の観測ヘリコプター偵察機)。陸上自衛隊では愛称を「ニンジャ」としているが[2][3]、機体のコールサインである「オメガ」も愛称として使われている[4]


  1. ^ 防衛省 我が国の防衛と予算-平成22年度予算の概要-
  2. ^ 観測ヘリコプター | 略称:OH-1 愛称:ニンジャ | Flickr 陸上自衛隊公式アカウント
  3. ^ 川崎重工の代表的なオートバイにも、同じく「ニンジャ」の別名が与えられている。
  4. ^ 自衛隊萌えキャラ紹介—第5回 木更津・第4対戦車ヘリコプター隊の4姉妹 | おたくま経済新聞
  5. ^ 石橋一弘 (2022). “国産AH-X案の技術的側面(その3)”. 防衛技術ジャーナル 491: 30. 
  6. ^ a b 観測ヘリコプター(OH-1)の飛行再開について”. 2019年2月28日閲覧。
  7. ^ “AH-64DアパッチにU-125Aも…陸自戦闘ヘリや空自捜索機など廃止決定、無人機の時代へ”. FlyTeam. (2022年12月21日). https://flyteam.jp/news/amp/138141 2022年12月27日閲覧。 
  8. ^ 石橋一弘 (2021). “国産AH-X案の技術的側面(その1)”. 防衛技術ジャーナル 489: 28. 
  9. ^ Howard Hughes Award - AHS Internationa
  10. ^ 陸上自衛隊 OH-1アクロフライト 明野駐屯地2001 JGSDF Akeno Open House - YouTube
  11. ^ “新多用途ヘリコプター(UH-X)を受注”. 川崎重工公式サイト. (2012年3月28日). http://www.khi.co.jp/news/detail/20120328_2.html 
  12. ^ “多用途ヘリ 川重に決定 防衛省”. 東京新聞. (2012年3月7日). オリジナルの2014年10月10日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/613OW 
  13. ^ “川崎重工、防衛省から陸上自衛隊向けの新多用途ヘリコプター(UH-X)を受注”. 日経プレスリリース. (2012年3月28日). オリジナルの2012年5月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120511222120/http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=306296&lindID=4 
  14. ^ 佐官級幹部が漏洩か、川崎重工などに入札情報(MSN産経、2012/9/6閲覧)
  15. ^ 防衛省が告発状提出、次期多用途ヘリコプター開発不正疑惑(MSN産経、2012/10/5閲覧)
  16. ^ 富士重工の内部資料手渡す、防衛省幹部来週にも刑事処分(MSN産経、2012/12/15、2012/12/17閲覧)
  17. ^ 2等陸佐2人を略式起訴 防衛ヘリ談合で東京地検 「利益供与なく悪質性低い」
  18. ^ 陸自ヘリ開発「白紙」 官製談合事件で小野寺防衛相 MSN
  19. ^ 陸上自衛隊新多用途ヘリコプターの企業選定に係る事案に関する懲戒処分について(防衛省報道資料)
  20. ^ 川崎重工業株式会社に対する指名停止の措置について(防衛省報道資料)
  21. ^ a b Jウイング 2015年4月号
  22. ^ UH-X、ベル412EPI発展型に ガリソンCEOに聞く
  23. ^ ヘリコプター用エンジン(TS1出力増大型)の研究試作
  24. ^ a b 軍事研究 2012年6月号
  25. ^ JapanDefense.com
  26. ^ 防衛白書の検索
  27. ^ 令和5年度防衛白書 P.107 資料11 主要航空機の保有数・性能諸元”. 防衛省. 2023年7月29日閲覧。
  28. ^ 陸上自衛隊のOH-1、37機を運用停止 2月17日のエンジントラブルで
  29. ^ 不時着した陸上自衛隊のOH-1、海中から引き上げ八尾駐屯地へ移送
  30. ^ 陸上自衛隊 、OH-1とOH-6Dの飛行を再開
  31. ^ “佐賀・陸自ヘリ墜落で防衛省幹部、事故原因判明前に補償” (日本語). 佐賀新聞. (2018年3月18日). http://www.saga-s.co.jp/articles/-/193960 2018年7月10日閲覧。 
  32. ^ “観測ヘリコプター(OH-1)の飛行再開について” (日本語). 陸上自衛隊 ニュースリリース . (2019年2月28日). https://www.mod.go.jp/gsdf/news/press/2019/pdf/20190228_02.pdf 2022年1月9日閲覧。 
  33. ^ “OH-1「ニンジャ」が再び空を舞うまでの約3年3ヵ月” (日本語). 航空新聞社 WING. (2019年7月23日). https://www.jwing.net/news/15247 2022年1月9日閲覧。 



OH-1

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 08:20 UTC 版)

凱歌の号砲 エアランドフォース」の記事における「OH-1」の解説

先に攻撃できる

※この「OH-1」の解説は、「凱歌の号砲 エアランドフォース」の解説の一部です。
「OH-1」を含む「凱歌の号砲 エアランドフォース」の記事については、「凱歌の号砲 エアランドフォース」の概要を参照ください。

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