陰陽師が用いた道具・呪法などとは? わかりやすく解説

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陰陽師が用いた道具・呪法など

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 00:36 UTC 版)

陰陽師」の記事における「陰陽師が用いた道具・呪法など」の解説

九字(くじ) 陰陽道用いられとされる呪文一種一般には「臨兵闘者皆陣列在前」の九字言い結印したり四縦五横に切る所作を伴う。現在のところ「九字」の初見葛洪『抱朴子』「登渉篇」とされるが、同書では末尾が「在前」ではなく前行となっており、入山時に唱える六甲秘祝」として呪のみが載る。なお、四縦五横に切る所作自体道教経典等にも見え古くから存在しているが、結印所作見えない陰陽道における九字では、古いものでは鎌倉時代陰陽道反閇儀礼伝え文献に四縦五横に切りながら「青龍、白虎、朱雀、玄武、空陳、南寿北斗三体玉女」を唱えるものがある。現存する文献では身固反閇の際に用いられ可能性示唆されている。 喼急如律令 元来は、中国漢代公文書末尾書かれ決り文句で「急いで律令法律)の如く行え」の意であるが、転じて早々に退散せよ」の意で悪鬼を払う呪文とされた。なお、密教修験道においても「喼急如律令」の呪は用いられる六壬式盤(りくじんしきばん・りくじんちょくばん) 六壬によって吉凶判断するための道具で、栻とも呼ばれる。地を表す「輿(よ)」と呼ばれる方形台座地盤)と、天を表す「堪(かん)」と呼ばれる円形の天盤で作られ、輿には、二十八宿十干十二支四隅八卦記載され、堪には十二月将等が記載されている。堪の十二月将を輿の十二支合わせることで、簡易な計算行ったのと同じ効果得られる式盤正しく作成するためには、輿には撃たれ棗の木、堪には(ふう)にできるコブである人を使用する渾天儀こんてんぎ天文上の変異を知るために天文観測用いた道具で、指標となる星の運行組み合わせ配置観測した。特に本来はあってはならない箒星ほうきぼし彗星のこと)が現れる大災天変地異が起こるとされた。 呪符・霊符 陰陽師用いたとされる種々の紋様呪文記載した護符俗にセーマン晴明桔梗晴明紋・五芒星・ペンタフラマ・ペンタゴン)」や「ドーマン九字格子)」と呼ばれる図形を記すものも多い。他にも「鎮宅七十霊符」や「×」・「篭目」・「渦巻」・「六芒星」や、「急急如律令」の呪文文字書きつけたものなど数多く呪符がある。 日本における護符歴史未だ解明されていない部分多く古く藤原京跡などから「急々如律令」の呪句を書き付けた呪符木簡等が出土しており、奈良時代にはすでに活用されていたとも伝わっている。古い資料はほとんど残っておらず、不明な点が多い。 太上神仙鎮宅霊符太上秘法鎮宅霊符」「鎮宅七十二道霊符」等とも呼ばれる72種の護符現在の所、道蔵の『太上秘法鎮宅霊符』が原典とされ、中世初期伝来したものと考えられている。陰陽道限らず仏教神道などの間でも広く受容された。この霊符司る神を鎮宅霊符神というが、元来道教玄天上帝真武大帝)であると考えられている。玄天上帝玄武人格神化したものであり、北斗北辰信仰客体であったそれ故日本伝来する妙見菩薩天之御中主神等と習合し星辰信仰影響与えている。 近世には72種を一枚刷った鎮宅霊符」が各地妙見宮霊符社から出され軸装して祭られていた。なお、土御門神道祭神は現在泰山府君鎮宅霊符神安倍晴明主神である。楠木正成加藤清正なども鎮宅霊符神の熱心な信者であった伝えられている。 鎮宅霊符神を祭る主な社寺関西圏に多い。 群馬県少林鳳臺院達磨寺 福井県天社土御門神道本庁 京都府曙寺黄檗禅宗芝山閑臥庵)、革堂 靈麀山行願寺鎮宅霊符神堂、青蓮不動堂明王院松原不動寺)等 大阪府星田妙見宮小松神社)、大阪天満宮霊符社、堀越神社 太上神仙鎮宅七十霊符尊神高津山報恩院鎮宅霊符神社東大阪市東山町)、密華山妙法寺今里)等 奈良県鎮宅霊符神社陰陽町)、信貴山成福院熊本県霊符神社八代神社末社人形ひとかたひとがた形代かたしろかたじろ)、撫物なでもの)とも言い、紙や木材草葉などで人の形に作られ、それにより患部等を撫でることによって自分穢れをこれに移しつけて祓うのに使われるもので、流し雛風習はこれを元としている。一方で人形相手の名前等を記しその人形を傷つけるなどして、相手事故死病死などの重大な災いひき起こす呪いとして用いたり男女二体の人形一つにし祈祷することで恋愛成就を祈るなど、様々な祈祷儀礼広く見られる丑の刻参り藁人形が有名。 式神しきがみ陰陽師使役したとされる使役神を言う。「識神」「しきのかみ」「式(しき)」とも。「式神」の解釈密教護法童子似たものであるとか、精霊使役するのであるとか諸説存在する陰陽師にとって占具である式盤は最も身近な存在であり、天盤と地盤合して宇宙そのものを表す。それ故強大な呪力を持つとの信仰少なくとも密教側の史資料には散見され、「都表如意輪法」等のように、陰陽道式盤によく似たもの作成し一種呪具見做し祈祷することで種々の利益を得るとする信仰があった。そうした資料中には式神」を呼び出す旨が記されるものもある。 身固(みがた)め 陰陽道護身作法一種禹歩(うほ) 足で大地踏みしめて呪文唱えながら千鳥足様に前進して歩く呪法を指す。基本北斗七星柄杓方を象ってジグザグに歩くものであるが、九宮八卦九星配置を象って歩くやり方や、片足引きずりながら歩いて地面図形を描くといったものもある。名前の通り中国の禹が治水のために中国全土踏破した結果遂には足を引きずりながら歩くようになったという伝説にちなんだものである。魔を祓い地を鎮め福を招くことを狙いとしており、ドーマン九字と同様、葛洪『抱朴子』には薬草取りに山へ踏み入る際に踏むべき歩みとして記されていることが起源である。奇門遁甲における方術部門(法奇門)では、術を成功させるために行われていた。 反閇へんぱい道中除災目的として出立時に門の前で行う呪法自分自身のために行うこともあるが、多く天皇摂関家への奉仕として行われた反閇では最初に玉女呼び出して目的申し述べる呼び出すときには禹歩を踏む。最後は6歩歩いて振り返らず出発する五行占霊ごぎょうせんれい陰陽五行思想下敷きにした木・火・土・金・水五気あやかって行われる占術系の呪術儀法泰山府君祭・刀禁呪・浄心呪・浄身呪・浄天地呪 いずれも元来道教祭祀

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