浪曲師「南篠文若」時代・シベリア抑留とは? わかりやすく解説

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浪曲師「南篠文若」時代・シベリア抑留

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 19:26 UTC 版)

三波春夫」の記事における「浪曲師「南篠文若」時代・シベリア抑留」の解説

1923年大正12年7月19日新潟県三島郡塚山村塚野山越路町塚野山経て現・長岡市塚野山)で北詰家の三男として誕生家業本屋印刷書籍文具商だった。幼少期からの友達として米山稔がいる。 1930年昭和5年)、7歳の時、母が腸チフス死去。この時、自らも発病し生死の境さまよっていたため、母の臨終には立ち会えなかった。その後、妻を亡くした父親家庭内明るくしようと、夜になると三波含めた3人の子どもを仏壇前に正座させ、江差追分などの民謡教えた兄弟揃って一生懸命に歌ったが、父親の歌う民謡がひどく悲しいものに感じたという。 1932年昭和7年9歳時に父が再婚継母との関係は非常に良く自分連れ子分け隔てなく可愛がってくれたという。 1936年昭和11年)、家業傾き13歳の時、家族上京米屋製麺工場住み込み働き始める。この頃から浪曲師への志望高まっていく。同時期に寿々木米若入門願い出しているが、米若からは芸界苦労厳しさ書かれ丁寧な断り状が届く。しかし当時浪曲高い人気があり、志望者も多かったため、断り状さえ非常に光栄感じたという。 1938年昭和13年)、15歳築地魚市場内で仲買人をしていた伯父の店「川悦」に就職市場内でも仕事が終わると入れ木箱とろ箱)を重ねて即席演台設え浪曲披露し大人気だった。 1939年昭和14年)、伯父が病に倒れ死去、「川悦」の経営奔走するが、立ち行かなくなり店終い。たまたま八丁堀住吉亭で行われていた「浪曲学校卒業大会」という看板見かけ聴き行ったことをきっかけに、16歳9月文京区本郷の「日本浪曲学校」への入学決める。10月東京六本木寄席「新歌舞喜」で初舞台初舞台翌日には二つ目。3ケ月後、住吉亭で『南篠文若』の名披露興業モタレ最後の出演者 - トリ - の1つ前。若手にとっては最高の出演順)となる。以後少年浪曲家として活躍することとなる。1年8か月後には、15日程度だが、一枚看板で初の巡業行っている。 1944年昭和19年)、第二次世界大戦後期1月徴兵適齢のため20歳帝国陸軍入営し満州国に渡る。軍隊でもその腕を生かし入営半年経たない内に各中隊別に口演行い、のちに「浪曲上等兵」と渾名された。 1945年昭和20年8月9日未明日ソ中立条約一方的に破棄して満洲国侵攻してきたソビエト連邦ソ連)軍と部隊交戦敗戦同地迎え9月11日武装解除を受けソ連軍捕虜となる。10月ハバロフスク捕虜収容所送られその後22歳から26歳までの約4年間、シベリア抑留生活を過ごす。収容所内でも浪曲披露していたが、ソ連側による徹底した思想教育の中で、演目にも検閲が入るようになり、自らも強い影響を受け、オリジナルの「思想浪曲」や芝居創作しソ連各地収容所披露するなど、捕虜教育係のような役割負っていた。そうした事実を受け、帰国直後は「共産主義洗脳されていた」と述べている。また、当時ソ連捕虜の扱いについては「国際法無視し捕虜人権蹂躙した国家的犯罪。更にソ連謝罪賠償も全くしていない」と非難している。こうした自身戦争体験抑留体験もあり、後に1986年11月10日天皇陛下御在位60年奉祝祭」に奉祝委員としてテープカット参加したり、日本を守る国民会議(現・日本会議)の代表委員となるなど、保守系政治活動参加するようになった1949年昭和24年9月帰国浪曲師として復帰12月三味線漫才であった野村ゆきと結婚。ゆきは浪曲曲師として支える。1950年代半ばに入ると、時代流れと共に流行歌から演歌大衆歌謡流行り始める。戦後社会急速な変化の中、浪曲次第衰退し始めであろう予感していた南篠は、歌の持つ大きな力を感じていた。収容所時代から「オーケストラバック歌ってみたい」との密かな夢を抱き始めており、加えて1955年昭和30年4月、「おんな船頭唄」を引っ提げ民謡歌手から歌謡界デビューした三橋美智也存在大きな刺激になり「“民謡調の歌謡曲”がヒットするのなら、“浪曲調歌謡曲”の世界があってもいいではないか」との思いをさらに強くすることとなったその後、南篠はついに三味線一本浪曲師としての活動見切りをつけ終止符を打つ

※この「浪曲師「南篠文若」時代・シベリア抑留」の解説は、「三波春夫」の解説の一部です。
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