利根特定地域総合開発計画とは? わかりやすく解説

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利根特定地域総合開発計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:37 UTC 版)

利根川」の記事における「利根特定地域総合開発計画」の解説

ダム事業に関する詳細利根川上流ダム群総合開発全体の流れについては河川総合開発事業それぞれ参照 1947年昭和22年9月利根川流域カスリーン台風襲った過去に例を見ない記録的な豪雨戦前戦中乱伐による山林荒廃相まって利根川流域致命的な被害与えた。特に利根川現在の埼玉県加須市、旧大利根町付近堤防決壊し濁流埼玉県のみならず東京都葛飾区江戸川区にまで達した。また烏川流域渡良瀬川流域はほぼ全域浸水し利根川中流部またもや一面となった死者行方不明者日本全国で1,910であった利根川流域だけで1,100名が死亡している。 当時日本治水事業停滞森林乱伐による荒廃により各地水害頻発人的経済的被害膨大なものとなっていた。水害続発敗戦疲弊した日本経済さらなる悪影響を及ぼすことを懸念した内閣経済安定本部は、内務省解体後河川行政継承した建設省対し新たな河川改修計画作成命じた。これが河川改訂改修計画であり、日本の主要10水系対象治水砂防総合的対策検討された。この中で利根川従来利根川改修増補計画をさらに改定した利根川改訂改修計画1949年昭和24年)に策定されたが、この際導入されたのがダムによる治水対策である。 既に利根川水系では1926年鬼怒川支流男鹿川五十里(いかり)ダム建設する計画立てられていたが、地質問題戦争などがあり事業中断していた。 しかしカスリーン台風被害受けて利根川計画高水流量毎秒1万7000m3に上方修正され、内毎秒1万4000m3を堤防渡良瀬田中菅生稲戸井の四遊水池および利根川放水路にて調節し残り毎秒3,000m3を上流ダム群で調節する方針が採られた。この時利根川上流域では19箇所ダム建設候補地検討されたが、最終的に決定見たのは藤原沼田利根川)、相俣赤谷川)、薗原(片品川)、八ッ場吾妻川)、坂原神流川下久保ダム前身)の6ダム計画であった。 また鬼怒川では五十里ダム加え川俣ダム鬼怒川)が、渡良瀬川では草木ダム前身にあたる神戸ダム渡良瀬川)が計画される。これらのダム計画1956年昭和31年)の五十里ダム皮切りに藤原1957年)、相俣1959年)の各ダム完成しダム事業進展を見る。一方下流部においては新規に霞ヶ浦放水路常陸利根川)、小貝川付替、利根川河口導流堤行徳可動堰江戸川)などの計画立てられた。 @media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important} 利根川水系ダム計画端緒五十里ダム男鹿川利根川本流初の多目的ダム藤原ダム 鬼怒川本流初の多目的ダム川俣ダム 当初は「神戸ダム」として計画され草木ダム渡良瀬川) この当時治水に並ぶ喫緊の課題としては極端な食糧電力の不足があり、これを解決させるために1926年東京帝国大学教授だった物部長穂提唱した河水統制という概念戦前より内務省によって河水統制計画として錦川などで始まり戦後テネシー川流域開発公社TVA)を模範とした河川総合開発事業として治水のほか水力発電灌漑などを目的積極的に進められていた。 こうした河川開発を強力かつ広範囲実施すべく1950年昭和25年)、当時第3次吉田内閣国土総合開発法制定し日本22地域対象とした特定地域総合開発計画推進利根川水系対象地域指定され1951年昭和26年12月に利根特定地域総合開発計画が閣議決定された。これ以降利根川河川事業利根川水系全体にわたり、治水・利水両面目的とした総合開発計画移行する利根川水系における河川総合開発1936年当時東京市主体となって実施した江戸川河水統制事業最初であり、江戸川水閘門利用して新規用水確保するものであった続いて群馬県水力発電主目的として利根川最上流部にダム建設する群馬県利根川河水統制計画1937年着手、これに1940年東京市による東京市第三次水道拡張事業水源として共同参加したが、戦争により実現には至らなかった。 戦後利根川改訂改修計画策定治水事業先行したが、利根特定地域総合開発計画の立案により大規模河川総合開発へと発展した。同計画改訂改修計画治水砂防事業加え計画ダム群の多目的ダム化尾瀬ダム只見川)から片品川への導水尾瀬分水)を含む水力発電計画印旛沼手賀沼干拓両総用水建設1970年)、および国道4号国道6号どの道路網整備包括した大規模事業であり、この計画において現在首都東京最大水源である矢木沢ダム利根川)が初登場する。 この頃利根川治水利水について様々な案が提唱された。その一例として日本共産党書記長であった徳田球一による案がある。徳田1949年に『利根川水系綜合改革 - 社会主義建設礎石』という冊子発表その中で利根川惨状封建徳川帝国主義天皇制責任であると断じ上で 利根川放水路霞ヶ浦放水路小貝川付替による下流部治水加え江戸川古利根川元荒川を大拡張し運河として利用、さらに埼玉県本庄市から東京都立川市まで利根川荒川多摩川連結する大運河設けて水運灌漑上水道工業用水道利用房総半島では利根川房総半島小河川を繋ぐ運河千葉県茂原市まで建設して積極的な干拓を図るとした。また山間部には多数ダム積極的に建設するほかソビエト連邦より大量木材輸入して植林を図ることも重要であると論じた費用について独占資本家や大ヤミ業者から8000億円を徴収することで賄えるとも述べている。 この案は建設省によって採用されたものではないが、後年徳田構想近似した形で武蔵水路房総導水路建設されている。

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