利根運河株式会社時代とは? わかりやすく解説

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利根運河株式会社時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 05:19 UTC 版)

利根運河」の記事における「利根運河株式会社時代」の解説

工事監督したのは、1879年明治12年)に来日したオランダ人技術者ローウェンホルスト・ムルデルである(ムルデル顕彰碑が、運河駅近傍流山市運河水辺公園設置されている)。この計画は、単に利根川江戸川を結ぶだけではなく茨城県沖鹿島灘ショートカットする内陸水路建設とも連携し太平洋岸の水運一気改善しようする壮大な計画一環であった1885年明治18年)にムルデル江戸利根両川間三ヶ尾運河計画書を提出し1886年明治19年1月12日改修計画着手した1889年明治20年5月9日千葉県庁利根運河開削願を提出し同年11月10日許可出た開削許可先立ち1888年明治21年7月14日起工、約57万円費用延べ220万人により、1890年明治23年2月25日通水同年3月25日通船同年6月18日竣工式開催した工事間中ムルデルは、近隣民家泊まりこみ陣頭指揮にあたっていたが、完成一カ月前に雇用期限が来たため帰国せざるを得なかった。このため式典ではムルデル祝辞訳文)が代読されている。 太政官布告に基き、原資償却目的に、使用料徴收内務省免許し、1887年明治20年11月から1949年昭和24年3月までの免許を、利根運河株式会社保有していた。 利根運河株式会社本社は、江戸川口の深井新田置かれ利根川口の船戸と、江戸川口の深井新田に、通航料徴収する収入所が置かれ付近一帯船頭船客相手料理屋食料品店雑貨屋回船問屋などが立ち並んだ利根運河株式会社は、運河大師勧請桜並木植樹等を行い運河観光地化図り現在の流街道付近から江戸川口まで店が並び賑わいをみせた。 1891年明治24年)の舟運年間37,600隻で、1892年明治25年4月14日内国通運会社現在の日本通運)が、利根運河初め汽船運河往復試運転実施1893年明治26年4月1日銚子汽船(後の銚子通運会社銚子合同汽船会社)が初就航し、銚子-東京間は6時短縮された。1895年明治28年2月15日には、東京-銚子間の直行汽船就航し東京-小名木川-江戸川-利根運河-利根川-銚子の144kmを18時間結んだ1896年明治29年7月22日に、台風による洪水新潟県では横田切れ発生)で利根川鬼怒川合流点河底上がり運河水流が逆(利根川から江戸川へ)になった田中村大青田総代人が、洪水損害賠償利根運河会社請求した1896年明治29年12月25日日本鉄道土浦線(後の常磐線)が開通すると、それまで蒸気船で1泊2日要した都心まで、わずか2時間結ばれた1897年明治30年6月1日銚子-東京間に総武鉄道(後の総武本線)が開通し所要時間従来5分の14時間)となった。これにより、長距離航路急激に衰退し運河最盛期は、開通から1910年明治43年)頃までのわずか20年程度であった1900年明治33年)、国の河川政策大きく変わる。今まで水運優先して水深深し川幅狭くしていたが、水害対策優先する方針変わり川幅広げて堤防高くした結果水深浅くなって汽船運行困難になった。また、汽船乗り場が町から離れ貨物積み替え不便になり、水運衰退する要因となった1914年大正3年時点での運河敷地面積52町2反歩であった1935年昭和10年9月26日に、台風前面温暖前線による豪雨襲い大洪水となった利根川側の水門閉鎖されいたものの、江戸川からの逆流によって、利根川運河堰の田中村福田村両翼護岸崩壊越流破堤し、約200町歩耕地氾濫浸水した1937年昭和12年)の舟運年間約6,500程度減少した1939年4月利根川増補計画内務省より告示された。1935年洪水反省から、運河両岸堤防大幅に強化するとともに利根川江戸川高水位の差(1935年洪水時は2メートル)を利用し高水時は本運河利用して利根川洪水のうち500m3/sを江戸川放水することとした。

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