人物・作風の変遷とは? わかりやすく解説

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人物・作風の変遷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 01:51 UTC 版)

黒崎彰」の記事における「人物・作風の変遷」の解説

1960年代後半現代木版画旗手として華々しく登場浮世絵完成させた精緻な技術駆使して抽象的な形象世界万華鏡様に展開していった黒崎彰は、「ほぼ10年ごとにその作風変容ていった」。渋谷区立松濤美術館主任学芸員瀬尾典昭は、木版画制作から表現完成直前までの1965年1969年までを第1期、「赤い闇シリーズ1970年からペーパーワーク重点を移す1980年までを第2期とし、それ以降、現在までを第3期としている。 小学校5年生兵庫県学生美術展特選となり「絵描きになる」と宣言伊藤継郎の新制洋画研究所油彩を習うが、却って日本画村上華岳魅かれる父親意見もあって京都工芸繊維大学 工芸学部 意匠工芸学科進学大学授業内容欧米一辺倒なのになじめず、京都古本屋浮世絵店を歩き幕末浮世絵錦絵)に関心を持つ1965年油彩で初の個展を開くが、その直後、「以前世界決別」を期して油絵作品焼却事実上油絵での立身出世上掲の「絵描きになる」宣言)の挫折[43])、独学木版画制作専心1966年には「宗教のことを真剣に考えた時期」で「レクイエム」をテーマにした連作と「死の淵よりシリーズで、初の木版画個展を開く。また、彫り師刷り師を訪ね浮世絵技法学んだ。後に当時出会った刷り師や彫り師を「版画の師を持たなかった自分にとっての先生、心の恩人」と述べている。 1967年に「哀」「哀シリーズ発表し日本版画協会会友推挙国画会新人賞受賞1968年の「浄夜」で浮世絵から学んだ独自の技法開発主要なモチーフの「階段」が登場1969年の「寓話シリーズ赤と黒コントラスト際立つようになり、「世界日本現代版画の底力まざまざと見せつけた代表作」ともいわれる1970年には「赤い闇シリーズ展開し国内外において相次いで受賞71年から自薦してきた刷り師・内山宗平95年内山の死まで25年コンビを組む1972年の「失われた楽園」、続く「星の神話シリーズではシルクスクリーン用いた混合技法試み19731974年ハーバード大学(アメリカ)、ハンブルク造形芸術大学(ドイツ)、大英博物館(イギリス)にて版画研究行い視野広げる1978年には「日本工芸」に越前飯田などの紙すきの里探訪記を書き版画・紙研究家として業績を残す。 1980年前年招待され中国旅行から着想得て版画集「中国」を刊行1981年からの「軌跡」シリーズでは、黒色モノトーンストローク繰り返しイメージ構成一変。「時の軌跡」でソウル第3回東亜国際版ビエンナーレ 大賞受賞1984年の「二つ時の間に」シリーズ1980年韓国訪問強靭な韓国の手漉き和紙韓紙に魅かれ、木版画から、紙の素材面白さ生かしたペーパーワーク」に進んでいった。1982年ソウルで「現代紙の造形日本と韓国」展を開催日韓両国話題となり韓国に於けるペーパーワーク大きな影響与える。1987年京都精華大学教授として移るが、版画コース日本で初の紙工設立条件として提出し同大学で実現させた。この頃より当大学内にて、第1期木版画作品シルクスクリーン様であることより木版創作必然性につき批判が出る。 1994年から、ふたたび木版画新たな作品取り組み始めた黒崎は「紙とふれあっているうちに、段々また木版画で何かできそうなー中略ー『紙の上に刷る』のではなく、『紙と同化』を意識するようになった」と語っており、韓国紙つかったガイアシリーズ生まれている。また1993年から1994年にはNHK趣味百科の「木版画親しむ」(13シリーズ)に講師として出演入門書を書くなど、木版画普及実技指導にも力を入れたが、下火となったアーチストとしての仕事以後盛り返し見ず大学内でも権威であった所以教員学生一部より絶対君主指導敬遠されてもあった。 2002年には、はじめて白を基調とした『遊牧の民』シリーズ発表する一方版画研究家として版画解剖正倉院からゴーギャンへ」を上梓73年アメリカ滞在以来続けてきた版画史や版画生み出す道具素材への幅広い研究成果世に出した。 2012年少年時代疎開などで5年すごした滋賀県舞台にした「近江八景シリーズ8点を、2年かけて完成させた。

※この「人物・作風の変遷」の解説は、「黒崎彰」の解説の一部です。
「人物・作風の変遷」を含む「黒崎彰」の記事については、「黒崎彰」の概要を参照ください。

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