デキ302号機
(大江駅 /1978年)
デキ305号機(新川検車区 /2002年)
デキ303号機(舞木検査場/2025年)
三河鉄道キ10形電気機関車 (みかわてつどうキ10がたでんききかんしゃ)は、三河鉄道 が新製した直流 用電気機関車 。後年三河鉄道が名古屋鉄道 (名鉄)へ吸収合併されたことに伴い、デキ300形 と改称された。3両が2013年まで在籍したが、2014年3月までにいずれも除籍された。
概要
三河鉄道が自社線の電化 に伴い、日本車輌製造 で1926年 (大正15年)5月にキ10・11が製造され、三菱造船所 で1927年 (昭和2年)8月 にキ12・13、1929年 (昭和4年)9月にもキ14が増備された。凸字形で、日本車輌製造製の機関車はウェスティングハウス・エレクトリック 製の制御機器(電動機などは国産品)を用いていたが、三菱造船所製の機関車では純国産品を採用している。
その後の1936年 (昭和11年)には、1928年 (昭和3年)8月に三菱造船所で製造されて一畑電気鉄道 が購入したほぼ同型の機関車デキ1形(デキ1)が世界恐慌 に伴う輸送量減で余剰となり、三河鉄道に譲渡されてキ10形15(名鉄合併後、デキ300形306となる)として編入された。このような経緯から、単にデキ300形といっても各車両の車体長・形状などが少しずつ異なっている。
1941年 (昭和16年)に三河鉄道は名鉄に統合され、機関車も名鉄所属となり、形式もデキ300形となった。
1964年 (昭和39年)に304が須ヶ口駅 に併設された新川工場 の火災で廃車 、1966年 (昭和41年)にはデキ301が踏切 事故で廃車、1984年 (昭和59年)には国鉄ダイヤ改正 に伴う名鉄の貨物列車 消滅により、余剰となったデキ302が廃車となった。302はその後、モ800形 2両と共に豊田市 の鞍ヶ池公園 に貨車 (ト1形 [ 1] ・ワフ70形 )と編成を組んで展示されていたが、2003年 (平成15年)の公園改修時に解体された。
303, 305, 306に関しては入換・保線列車・搬入列車などの用途があることから残すことになり、1993年 - 1994年 (平成5 - 6年)には車体更新工事を受け、塗装がそれまでの黒から明るい青色に変更された。なお更新工事以前より、前面には警戒色である黄色と黒の虎縞模様が塗られていた。
2014年 (平成26年)2月5日に305, 306が廃車・解体されたが、残る303は解体を免れ、3月3日に舞木検査場 の工場設備扱いとなった[ 2] 。
全長:10,152mm(303)、10,150mm(305)、10,178mm(306)
全幅:2,678mm(303)、2,630mm(305,306)
全高:4,017mm(303)、4,027mm(305,306)
運転整備重量:30.5t(303,305)、29.8t(306)
電気方式:直流1500V(架空電車線方式)
軸配置:B+B
台車形式:板台枠
主電動機:TDK516-E(60kW)×4基
歯車比:14:70=1:5.00
1時間定格出力:240kW
1時間定格引張力:2868kg
1時間定格速度:29.8km
動力伝達方式:歯車1段減速、吊り掛け式
制御方式:抵抗制御、2段組み合わせ制御
制御装置:電磁空気単位スイッチ式
ブレーキ方式:EL14A空気ブレーキ、手ブレーキ
脚注
^ 車番はト1形(1)となっているが、実際のト1形(1)は1962年にチ90形(91)に改造されているため、この保存車両がト1形(1)かは不明。
^ 『私鉄車両編成表 2014』ジェー・アール・アール編、2014年、交通新聞社 197頁。ISBN 978-4-330-48414-3 。
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1941年改番 以降の形式称号を掲載。「引継車」は名岐鉄道および被合併会社から継承した車両。「譲受車」は被合併会社以外から購入・譲受した車両。
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