なんj
「なんj」とは・「なんj」の意味
「なんj」とは2ちゃんねる(2ch)や5ちゃんねる(5ch)における「なんでも実況板」の略称で、「nanj」とも表記される。なんjが2chに設立されたのは2004年だ。当時の2chはアニメやゲームなどのオタクネタと、ニュース速報(VIP)が主流だった。なんjは、これらの主流からの影響を受けず、自由にユーザーが楽しめる場所として発展していく。そもそもネットにおける「実況」とは、あるテレビ番組やスポーツ中継について、リアルタイムで意見を交換する風習のことである。たとえば、宮崎駿作品やM-1グランプリといった人気のテレビ番組については、ネットで実況が活発化する。実況に参加すれば、大勢で番組を視聴しているような感覚になれるので、2chユーザー(2ちゃんねらー)から人気の習慣だった。
実況に特化したなんjは、主にプロ野球ファンの交流の場となる。本来ならプロ野球の実況はスポーツ板で行うものだった。しかし、スポーツ板ではマニアックな議論が交わされ、他球団のファン同士が罵り合うなど、雰囲気が殺伐としていた。ゆるく実況しながら、交流を深めていくなんjに、多くの2ちゃんねらーは安らぎを見出したのである。こうして、なんjは運営も予期しない形で、独特の文化を形成していった。なんj民は新しいネットスラングを開発しながら、気軽に楽しめる環境を自分たちで整えていったのである。
なんjの大きな特徴として、「雑談の多さ」が挙げられるだろう。専門のスレッドやヤフーの知恵袋にはコアなオタクが集まるので、浅はかな知識は嫌われる。関係のないコメントでスレッドを消費することも、マナー違反だとされてきた。しかし、なんjでは常連同士の雑談が日常化していく。野球の実況でありながら、試合とユーザーの個人的な話題が交錯し、自由度の高い交流が繰り広げられていた。
共感を得にくい話題の相手を求めて、なんjに流れてきたネットユーザーも多い、古典文学の「とはずがたり」やマイナースポーツ、YouTuberの配信など、実況できるものなら文字通り「なんでも」、なんjではスレッドが立てられてきた。2000年代のなんjは、2chの中での新しい可能性を模索する場として機能していたといえる。
一方で2010年代から5chへの移行において、なんjにまつわる問題も目立つようになっていった。まず、二次元オタクに対する過剰な敵対心である。一部のVtuberやゲーム実況者に対しても、なんjでは憎悪を向けられることが多い。その理由は、2ch時代に「なんjはアニメやゲームのオタクに虐げられてきた」と考えるネットユーザーが多いからだ。こうしたユーザーの劣等感は、誹謗中傷や逆張りという形で露呈してきた。あえて流行のコンテンツを貶し、「アニメやゲームのオタクは気持ち悪い」と言い合うなんj民が増えていく。こうしたやりとりが、比較的穏やかだったなんjの空気感を変えていった。
さらに、自由度の高さが内輪受けにつながり、著しく社会常識に欠けた意見も交わされるようになった。2019年に京都アニメーションのスタジオの放火事件が起こったときは、被害者を「c3po」と揶揄する書き込みが多数なされてしまう。手足を失った被害者の体が、「スターウォーズ」シリーズに登場するロボットに似ているからだった。こうした倫理観を欠く言い回し自体は、匿名掲示板のネガティブな部分として珍しくない。しかし、二次元文化への憎悪と、自由な交流の先で、なんjが世間への配慮に欠ける場となったことを象徴する出来事だった。
2010年代後半になると、なんjを指して「オワコン」との評価も下されるようになっていく。かつての穏やかな雰囲気はもはやなんjになく、ほかのスレッドから流れてきたユーザーが多くなりすぎたこともあり、5chの中での個性的な部分はあまり見られない。一時期に比べるとなんjは過疎化し、人気スレッドとはいえなくなってきた。
それでも、なんjの文化が完全に終わったわけではない。プロ野球の実況自体はなんjでさかんに行われており、ユーザー同士は活発なやり取りを続けている。「芋煮会」と呼ばれるオフ会も繰り返し開催されてきた。芋煮会とはもともと、東北地方に伝わる、郷土料理を作るための行事だった。なんj民はオフ会を意味するスラングとして、芋煮会を使っている。
なお、なんjと似た意味の言葉に「おんj」「こんj民」がある。おんjとは「おーぷん2ちゃんねるのなんJ」の略だ。なんj民の避難所として利用されていた場所であり、風習や雰囲気も本家に近い。次に、こんj民は「なんjで出会いを求めるおじさんユーザー」を意味する言葉だ。由来は、あるなんj民が挨拶に「こん!」を使っていたことである。おそらく「こんにちは」の略だと思われる「こん!」は、非常に滑稽で背伸びをしている感じがするので、なんj民から嘲笑の的になった。それ以来、「こんj民」はあからさまに出会いを求めているユーザーの、恥ずかしさを戒めるスラングに使われている。
「なんj」の使い方・例文
・告白すれば、私もなんj民だった時期がある。しかし、この頃はまったくスレッドを見ていない。昔の方がなんjは面白かった。今では無個性だし、何よりも雰囲気が殺伐としすぎていて好きではない。・なんjをのぞいてみると、さっそく今の三振について議論が交わされていた。論点になっていたのは、打者が故障しているのではないかという点だ。確かに、好調時なら少なくともスイングはしていたような球だ。なんj民の意見は頷けた。
・私はネットスラングがあまり好きではない。ましてや、日常生活でネットスラングを使うような人には、顔をしかめてしまう。「なんj」という言葉が何なのかにも興味がなく、ただ「そういう言葉を使う人なのだな」と思うだけだ。
・はっきり言うが、なんjはもう終わったコンテンツである。そもそも、誰も見ていないから過疎化している。そして、「オワコン」という評価が固定化されつつあるので、ますます新しいユーザーが集まってこない状態だ。
・昔、なんjに書き込みをしていたときは楽しかった。誰かが最近、「彼女ができた」と告白した。そうすると、ほかのユーザーが冷やかしながらも祝福していたのだ。まるで、リアルの友人同士のやりとりのようで微笑ましかった。
・ネット掲示板の文化はすべてが悪とはいわない。そこでの書き込みで、救われた人も大勢いるだろう。それでも、匿名のユーザーに人生をとやかく言われたくはない。なんjばかり見ていると、審美眼が濁ってしまうのではないだろうか。
・なんjが衰退した原因として、スレッドが乱立しすぎたことは無視できない。あまりにもスレッドが多すぎて、何を見ればいいのか分からなくなった。これは2ちゃんねる全体の問題でもある。
・どうしてなんjを批判する人が多いのか、まったく分からない。確かに、2ちゃん文化が嫌いな人は一定数いるだろう。しかし、私はその人たちに「自分が書き込んだことはあるのか」と言いたい。知らないものを悪く言わないでほしい。
・なんjでどうして「こん!」を連発する人が多いのか、疑問だった。調べてみると、「こんj民」という人種がいるらしい。「こん!」とは彼らを侮蔑するスラングだったのだ。説明を読んで、思い当たる節は多く、納得がいった。
・仕事帰りに野球中継をつけてみる。ビールを用意したものの、一人で飲む酒は味気なかった。こういうとき、独身の自分を恨めしく思ってしまう。寂しさを紛らわせるために、今夜は久しぶりに、なんjの実況に参加してみようかと思う。
「なん j」の例文・使い方・用例・文例
- 私はうそなんかつかない
- うちには新車を買う余裕なんてありません
- 彼女はローザ・パークスにちなんでローザと名付けられた
- それは彼女次第だよ.なんといっても彼女がそれの所有者なんだから
- よりによってトムが僕に助けを求めてきたなんて信じられるかい
- この騒ぎはいったいなんですか?
- その子馬は生まれて間もなくなんとか独力で立ち上がることができた
- どんなことがあっても彼女なんか助けてやらない
- 冗談はさておき,あなたのことが本当に心配なんだ
- 彼を殴るべきでなかったのはわかっているけど,もとはと言えば彼のせいなんだ
- 知っているわけないでしょう.あなたの財布がどこにあるかなんて見当もつかない
- その当時はなんでもいっぱいあった
- 彼女はなんとかバックで車庫に車を入れた
- フットボールのことなら彼に聞いて.なんでも知っているから
- トレーにのっているコーヒーのバランスをとりつつなんとかドアを開けることができた
- そのコートがこんなに安いなんて買い得品だ
- 君は最近寛大なんだね
- 彼女に対してなんの悪意も持っていなかった
- 君を後に残していくなんて耐えられない
- あなたにわたしがどんなに貧しいかを知られるなんて耐えられない
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