消化 動物以外の消化

消化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 15:23 UTC 版)

動物以外の消化

菌類の消化能力は幅広く、菌類全体について言えば、他の生物が分解できない非常に多くの有機物を分解することができる。細菌類には、さらに特殊な物質を分解する能力を持つものがある。

食虫植物は、動物とはやや異なるものの同じような消化機構を持つ。

細胞レベルでの消化

細胞内における消化は、細胞内消化と呼ばれる。

白血球の単球や血管外のマクロファージは細菌などの大きな異物を細胞内に取り込んで消化する。ただしこの場合、栄養摂取の役割はほとんどない[1]リソソーム細胞小器官の1つで、リパーゼなど多種の酵素をその中に蓄えており、細胞内の他の場所から運ばれてきた物質を分解する、細胞消化のための重要な細胞小器官である。

原生動物など単細胞性の動物的生物は、食物を細胞内の小さな空洞に取り込み消化を行う[1]。この空洞を食胞と言う。食胞の膜からは消化酵素が分泌され、分解物は膜を通じて吸収されるものと考えられる。残った物質は体外に放出される。これはリソソームと相同なものであるとも考えられている。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク


注釈

  1. ^ この説明だけでは微生物を住まわせている動物だけに利益があるように見えるかもしれない。しかし、微生物側から見た場合、消化管内は有機物が次々と流れてくる場所であり、しかも、例えば恒温動物であれば温度が一定範囲の保たれた場所であるなど、住家として利用しているという意味において共生なのである。

出典

  1. ^ a b c d e f g h 生化学辞典第2版、p.648 【消化】
  2. ^ Abelilla JJ, Stein HH (2019-01). “Degradation of dietary fiber in the stomach, small intestine, and large intestine of growing pigs fed corn- or wheat-based diets without or with microbial xylanase”. J Anim Sci 97 (1): 338–352. doi:10.1093/jas/sky403. PMC 6313383. PMID 30329141. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6313383/. 
  3. ^ a b c 横大路智治「食物アレルゲンの吸収機構の解明と食物アレルギーの発症に関する研究」『膜』第40巻第5号、2015年、284-290頁、doi:10.5360/membrane.40.284NAID 130005249025 
  4. ^ a b Husby S, Foged N, Høst A, Svehag SE (1987-09). “Passage of dietary antigens into the blood of children with coeliac disease. Quantification and size distribution of absorbed antigens”. Gut 28 (9): 1062–72. doi:10.1136/gut.28.9.1062. PMC 1433239. PMID 3678964. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1433239/. 
  5. ^ Husby S, Jensenius JC, Svehag SE (1985-07). “Passage of undegraded dietary antigen into the blood of healthy adults. Quantification, estimation of size distribution, and relation of uptake to levels of specific antibodies”. Scand J Immunol 22 (1): 83–92. doi:10.1111/j.1365-3083.1985.tb01862.x. PMID 4023632. 
  6. ^ 山田和彦、炭水化物の消化・吸収・発酵とその利用 栄養学雑誌 2001年 59巻 4号 p.169-176, doi:10.5264/eiyogakuzashi.59.169
  7. ^ Bogart & Ort (2011)、p.102-105、5.腹部 大腸(結腸)
  8. ^ a b 佐藤・佐伯(2009)、p.134-136、第6章 消化と吸収 2.消化と吸収 5)大腸large intestineの構造と機能
  9. ^ 坂田隆、市川宏文、短鎖脂肪酸の生理活性 日本油化学会誌 1997年 46巻 10号 p.1205-1212, doi:10.5650/jos1996.46.1205
  10. ^ 永瀬治彦、セルロース攝取の人体腸内細菌ビタミンB_1合成に及ぼす影響 ビタミン 1953年 6巻 p.863-867, doi:10.20632/vso.6.0_863
  11. ^ 飯沼さち子、腸内細菌によるビタミンB_2の合成(第3報) ビタミン 1952年 5巻 p.96-102, doi:10.20632/vso.5.0_96


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