FFR-31MR スーパーシルフ
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「雪風 (架空の兵器)」の記事における「FFR-31MR スーパーシルフ」の解説
FAFが開発した双発複座の戦術戦闘電子偵察機。主力制空戦闘機であるFFR-31 シルフィードの初期生産機(オリジナル・シルフィード)を戦術偵察用に改装した機体。OVA版ではFFR-31を改装云々は予算獲得の為の方便に過ぎず、実際は完全な新規設計機であるとされている。機体名称の由来は、西洋の伝承に登場する風の精霊「シルフ」である。綴りは「Super Sylph」。自機と情報を守るためだけの強力な武装と電子戦能力を持ち、シルフ雪風が撃墜されるまでは一度も撃墜された事は無く、「フェアリィ空軍最強の翼」の異名を得ていた。パイロットは「シルフドライバー」と呼ばれている。生産機数は87機を計画していたが、26機に削減された。特殊戦第五飛行戦隊、通称ブーメラン戦隊に13機が配備されている他、航空宇宙防衛軍団・防衛偵察航空団やシステム軍団・飛行試験センターにも配備されている。ただし、特殊戦以外の部隊に所属する機体が特殊戦機のような機械知性体を搭載しているかは不明。 搭載している機械知性が高性能な事も相まってその空戦能力は極めて高く、劇中では追尾してくるジャムの超高速ミサイルを、重心を中心にその場で旋回して進行方向に機尾を向けたままガン射撃で撃墜したり、模擬空戦において、スペック上ではスーパーシルフよりも優れた機動性を持つ新型戦闘機、FA-2 ファーンIIを翻弄している他、『敵は海賊』とのコラボレーション短編「被書空間」では、数千年ほどの技術差がある筈のラジェンドラの艦載CFVを撃墜している。 また、本機やメイヴは通常のレーダーシステムに加えて、空間受動レーダーと呼ばれる受動探知システムを搭載している、これは極低温下で作動することから「凍った目(フローズンアイとも読む)」と呼ばれており、敵機がいかに電磁的・光学的に自らをステルス化しても、押しのけられた大気そのものを誤魔化せないため、これを探知する事で敵機の位置を掴むシステムである。 原作では開発ナンバーFRX-47。主翼形はクリップドデルタの固定後退翼。双垂直尾翼。胴体腹部にベントラルフィンを有する。エンジン配置は双発でエアインテーク及びエンジンノズルは二次元形状。アウトラインは小説が執筆された当時の新鋭機であるF-14やF-15等の第4世代ジェット戦闘機に近く、横山宏による挿絵もそのように描写されている。劇中においては最新鋭ではないとされているが、搭載しているレーダーは新型機さえも凌駕することは何度も描写されており、電波出力において対人殺傷能力があると記述される。ただし航空機のレーダーが健康被害を与えるほど危険であることは現実においても同様で、軍用機のみならず民間の旅客機の気象レーダーでも地上で動作させることは禁止されている。 スペック(小説版) 全長:19.8m 全幅:13.5m 全高:6.2m ヌード重量:11,800kg 基準離陸重量:24,500kg 最大離陸重量:38,000kg エンジン:FNX-5010-J フェニックスMk.Xデュアル軸流圧縮型ターボファン×2、雪風は後にFNX-5011-B フェニックスMk.XI(最大推力9,800kg(ミリタリー推力時)、22,500kg(アフターバーナー使用時)、通称スーパーフェニックス)に換装 最高速度:不明、少なくともマッハ2.0以上 武装:高速射撃ガン 短距離空対空ミサイルAAM-III 中距離空対空ミサイルAAM-V 長距離空対空ミサイルAAM-VII 超高速空対空ミサイルHAM-VI 等を装備、具体的な装備可能数は不明である。 その他、TAISP(自動戦術情報収集ポッド)、TARPS(戦術航空偵察ポッドシステム)等の各種戦術データ収集ポッドを装備する。 OVA版では翼端が斜めに折れたカナード付きデルタ翼、尾翼は双垂直尾翼。コクピット後方上部に上反角のついた後退カナードを、機体下部にセンサーブレードを有する。キャノピはパイロット席とフライトオフィサ席でそれぞれ独立している。エアインテーク及びエンジンノズルは二次元形状。軍事評論家の岡部いさくは、このデザインを「航空機型汎用決戦兵器」と評している。 スペック(OVA版) 全長:22.2m 全幅:14.63m 全高:5.56m(通常時)、11.94m(センサーブレード展開時) ヌード重量:11,746kg 基準離陸重量:23,700kg 最大離陸重量:35,242kg エンジン:FNX-5011-B/C フィーニクスMk.XIターボジェット(最大推力10,180kg(ミリタリー推力時)、13,910kg(アフターバーナー使用時))×2 最高速度:マッハ3.0 巡航速度:マッハ1.65 限界高度:23,300m 武装:20mmガトリング砲×1 主翼下ハードポイント×2 胴体エンジン横ハードポイント×2短距離空対空ミサイルAAM-III 中距離空対空ミサイルAAM-V 長距離空対空ミサイルAAM-VII 超高速空対空ミサイルHAM を装備可能 その他、各種可視光・赤外線カメラ、TAISP、赤外線ラインスキャン、コンフォーマル・マルチバンドESMセンサー等の各種偵察装備を搭載 OVA版では更に、スーパーシルフには基本型であるFFR-31MRの他に、長距離迎撃戦闘機型のFFR-31MR/A、アビオニクスを改良したFFR-31MR/B、エンジンを強化したFFR-31MR/C、空力設計の改良、ラムジェットブースターの搭載等を行い高速性能を向上させたFFR-31MR/D等のサブタイプが存在するが、A~C型は既存機の改良案に盛り込まれる形で計画が消滅し、D型のみが実際に製造されている。D型の製造機数はスーパーシルフの中でもとりわけ少なく、少なくとも5機、最大でも7機であると言われている。OVAでの「雪風」はこのD型であり、パーソナルネームの筆文字が機首に描かれている。なお、D型は主に防衛偵察航空団に配備されており、特殊戦のスーパーシルフの中でD型なのは雪風のみ、あるいはごく少数であるらしい。 スペック(D型) 全長:22.0m 全幅:13.2m 全高:6.23m(通常時)、9.75m(センサーブレード展開時) ヌード重量:12,188kg 基準離陸重量:25,500kg 最大離陸重量:37,890kg エンジン:FNX-5011-D フィーニクスMk.XIターボジェット(最大推力10,220kg(ミリタリー推力時)14,780kg(アフターバーナー使用時))×2 最高速度:マッハ3.2 巡航速度:マッハ1.9 限界高度:24,000m 武装:20mmガトリング砲×1 主翼下ハードポイント×2 胴体エンジン横ハードポイント×2短距離空対空ミサイルAAM-III 中距離空対空ミサイルAAM-V 長距離空対空ミサイルAAM-VII 超高速空対空ミサイルHAM を装備可能 その他、各種可視光・赤外線カメラ、TAISP、赤外線ラインスキャン、コンフォーマル・マルチバンドESMセンサー等の各種偵察装備を搭載 この他、ジャムが作り出した「グレイシルフ」というスーパーシルフのコピー機も存在する。同機は瞬間移動などのジャム的な能力も持っているが、基本的な性能や機体形状はスーパーシルフと同一である。機体塗装は原作ではシルフ雪風そのものであり、コクピットも通常通りだが、OVAでは機体表面に濃淡のグレーを組み合わせた独特な模様(通常のジャム機の物とは異なる)が浮かび上がっており、コクピット内部には座席の代わりにジャム機特有の回転発光体が収まっている。小説、OVA共に、主に対「雪風」戦に使用されており、雪風以外の機体と遭遇している描写は見られない。
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