FFS方式 (Advanced Fringe Field Switching)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 23:50 UTC 版)
「IPS方式」の記事における「FFS方式 (Advanced Fringe Field Switching)」の解説
Hydis(元現代電子産業LCD部門)が1998年に特許を取得した液晶ディスプレイの形式。面上の共通電極と絶縁層をはさんだ画素電極の2層構造を取ることが特徴で、画素電極の幅を狭めることが可能となり、フリンジ場が発生し画素電極上の液晶も駆動できるため、画素内のブラックマトリクスをなくすことができる。透過率が高く、広い視野角や高コントラスト比、低消費電力が特徴。 厳密にはIPS方式とは異なる方式である。基板に対して平行に配向させた液晶分子に対して、IPS方式では横電界でスイッチングするが、FFS方式ではフリンジ電界でスイッチングする点が異なる。ただし、スイッチング動作という観点から見た場合は両者でほぼ同じ動作であるため、多くのメーカーにおいて、FFS方式はIPS方式と同種の方式、あるいはIPSのバリエーションの一つとみなされている。 Hydis社は韓国に拠点を持つ小規模なメーカーで、製造したディスプレイは主にノートPCやタブレットなどのモバイル機器に採用されているが、基本的にはFFS方式の特許を他社にライセンス供与するビジネスモデルで生き残っている。2004年に日立ディスプレイズ、2006年に三洋エプソンイメージングデバイスなど複数の企業にライセンスされており、日立(現ジャパンディスプレイ)のIPS-PROやLGのAH-IPS、サムスンのPLS(Plane to Line Switching)、AUOのAHVA(Advanced Hyper-Viewing Angle)、BOEのSDSディスプレイなどはこの技術を利用していると考えられるが、メーカー側からは特にFFS方式であるとは明言されていない。 Hydis社はBOEの傘下を経て、2008年より電子ペーパー大手の台湾E-ink傘下となっている。2003年にはAFFS (fringe field switching) 、2007年にはHFFS(High aperture ratio Fringe Field Switching 、高開口比FFS)とFFS方式の改良型をリリース。Hydis社は2015年にディスプレイの自社生産から撤退した。
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