F-1 (支援戦闘機)とは? わかりやすく解説

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F-1 (航空機)

(F-1 (支援戦闘機) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 13:15 UTC 版)

第6飛行隊所属機(267号機)


注釈

  1. ^ T-2特別仕様機では後席のキャノピーを残したまま、代わりに鉄板を用いて搭載機器を覆い隠している。また、試験用に各種の計測機器が設置された。
  2. ^ 内部燃料搭載量の搭載量は3,891リットルとされていた[9]。これに対し、本機とよく対比されるジャギュアでは4,200リットルであった[14]
  3. ^ ロールスロイス/チュルボメカはロールスロイスとフランスの小型タービンメーカー、チュルボメカとの合弁企業。アドーア(Adour)はフランス北西部の川の名前で、国際共同開発にあたってエンジンに河川名をつけるロールスロイスの流儀にフランスが合わせたもの。基本設計はロールスロイスであり、米国インドオマーンエクアドルナイジェリアなどに輸出されている。
  4. ^ GE1についての日本側の危惧は的中し、結局、それ自体は実用化されなかった。ただし技術的には、後のYJ101、そしてF404の源流となった[12]
  5. ^ 500ポンド爆弾の場合、胴体下のハードポイントには4発用のFER、主翼下のハードポイントには2発用のDERといったアダプターを介して搭載することができた[13]
  6. ^ 赤塚 2006では増槽2本搭載とされているが、実際には、ASMを翼下に各1発ずつ搭載し、翼端に自衛用のAAMを1発ずつ、胴体下に落下タンクを懸吊して出撃することが想定されていた[6]
  7. ^ 戦闘機の配備数としては決して多くはないが、T-2とほぼ同一の機体であることから、96機生産されたT-2と合わせれば173機の生産となり、大量生産による価格低減は達成されている。開発費用の超過は当初予定の数パーセントに抑えられており、F-1の平均コストは1機当たり26億円程度である。

出典

  1. ^ Taylor 1982, pp. 152–153.
  2. ^ a b c d e 川前 2006.
  3. ^ a b c d e f g h i 久野 2006.
  4. ^ a b 佐藤 2006.
  5. ^ 防衛庁, ed. “第2章 防衛計画の大綱”. 昭和52年度防衛白書. 大蔵省印刷局. NCID AN10008844. http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/1977/w1977_02.html 
  6. ^ a b c d e f 鳥養 2006.
  7. ^ a b c d 神田 2018, pp. 36–51.
  8. ^ 日高 et al. 1978.
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 赤塚 2006.
  10. ^ a b c d 久野 2006b.
  11. ^ a b 木村 & 田中 1997.
  12. ^ a b c 鳥養 2006b.
  13. ^ a b c d e 赤塚 2006b.
  14. ^ Taylor 1982, pp. 115–117.
  15. ^ a b c 宮本 2009, p. 31.
  16. ^ 石澤 2006.
  17. ^ 防衛庁技術研究本部 1978, pp. 141–145.
  18. ^ a b 髙部 2006.
  19. ^ a b 宮本 2009, p. 27.
  20. ^ 日本の航空宇宙工業50年の歩み. 社団法人 日本航空宇宙工業会. (2003-5). p. 31. https://www.sjac.or.jp/common/pdf/toukei/50nennoayumi/4_2_nihonnokoukuki2.pdf 
  21. ^ 防衛庁技術研究本部 2002, p. 198.
  22. ^ a b c 1998年8月26日 読売新聞「岩手沖で自衛隊機不明 「赤い火の玉見た」 福岡・築城基地の同僚ら気遣う」
  23. ^ 1998年8月30日 朝日新聞「2操縦士の通夜に800人 F1戦闘機墜落事故/青森」
  24. ^ 1998年10月11日 朝日新聞「自衛隊機『墜落事故、多すぎる』三沢市長、異例の抗議/青森」


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F-1支援戦闘機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/09/29 05:31 UTC 版)

F-1支援戦闘機(岩国基地


  1. ^ N-156F は後にアメリカ空軍で練習機・軽戦闘機として採用される機体であるが、これは1960年代当時にアメリカ空軍で主流であった「戦闘機パイロットの養成には超音速高等練習機が必要である」と言う考え方が働いていた。超音速飛行そのものが特殊であるとされた時代の認識を引きずったものであり、アメリカ空軍ではせっかく採用したT-38を用いての訓練でも、ほとんど超音速を用いなかったが、この論そのものは日本の航空機開発と戦闘機搭乗員養成に大きな影響を与えた[要出典]
  2. ^ T-2の開発当初から複座式のT-2から単座式の新型支援戦闘機を派生開発する計画であり、改造が最小限に済むように考慮された。
  3. ^ T-2特別仕様機では後席のキャノピーを残したまま、代わりに鉄板を用いて搭載機器を覆い隠している。また、試験用に各種の計測機器が設置された。
  4. ^ T-2はF-1より1年長く、1988年まで生産された。
  5. ^ ジャギュアの機内搭載燃料4,200Lに対してF-1は3,823Lであった。
  6. ^ 「ジャギュアに似ている」と言われることについては、単にジャギュアの真似をしただけとする意見もあるものの、一方でF-1とジャギュアは共に同一のエンジンを用いる双発機であり、更に速度等の要求も似ているため、そこから導き出される機体形状が両者共に似てくることも事実である。ただしT-2/F-1の場合、形状こそジャギュアに似ているが、その機体設計に際してはむしろF-4 ファントムIIの手法を多く用いているとされる。エアインテーク、元になったT-2のキャノピーのデザインはF-4に近い。また当時の重いエンジンを重心に配置したままテイルブームを伸ばして尾翼との距離をとり、排気ノズル後方でいわゆるペン・ニブ型の処理を行うという方式は、かつてF-4で採られた手法を援用している。この点はT-2/F-1もジャギュアも同様だと言える。ちなみに、日本ではまず始めに高等練習機としてT-2を求めた上で、そこから支援戦闘機型のF-1を派生させたのに対し、英仏ではイギリス空軍フランス空軍フランス海軍各型合わせて200機の攻撃型のジャギュアを求め、その上で高等練習機型を派生させており、対照的といえる。
  7. ^ 欧州と日本の航空機開発における練習機と戦闘爆撃機の開発優先度の違いは、運動特性や座席配置から読み取れる[要出典]。日本ではまず練習機であるT-2を開発してから後席を除いた単座型の戦闘爆撃機としたのに対して、英仏では練習型ジャギュア開発に際し単座型の機首に前席を追加している。しかし、そのことからF-1は、キャノピー部分が水滴型ではなく座席後部で区切られ、後部の視界が悪くなってしまった。このことは配備当初から問題となっていたが改善されることはなかった。
  8. ^ 一部機体は外装式電波妨害装置、外装式チャフ・フレアディスペンサが搭載可能であった。
  9. ^ ロールスロイス/チュルボメカはロールスロイスとフランスの小型タービンメーカー、チュルボメカとの合弁企業。アドーアはフランス北西部の川の名前で、国際共同開発にあたってエンジンに河川名をつけるロールスロイスの流儀にフランスが合わせたもの。基本設計はロールスロイスであり、米国インドオマーンエクアドルナイジェリアなどに輸出されている。
  10. ^ TF-40-IHI-801A。製造は石川島播磨重工
  11. ^ 島国の日本で攻撃してくる敵を迎撃しようとすれば洋上に出るしかなく、ジェット戦闘機の発着できる滑走路が軍用、民間を合わせても限られる国情から、航空自衛隊の運用における安全性への要求は艦上機のそれに近い。また、単発のF-104Jの墜落事故が多発したこともあり、防衛庁では双発を望む声が強かった。
  12. ^ ただし、アドーア自体はF-1開発当時でも優れたエンジンのひとつであり、F-1やジャギュア以外にもイギリスのホーク練習機にも採用され、2,500基以上が生産されている。初期型のRT172 Mk102(T-2/F-1のTF40-IHI-801Aと同型)はアフターバーナー時推力7,303ポンドだが、最新版のRT.172Mk871は11,249ポンドに達している。
  13. ^ 胴体下ハードポイントに4射出架を介し、主翼下各2箇所ずつのハードポイントにそれぞれ2射出架を介する。
  14. ^ 西側の先進工業国の空軍では、クラスター爆弾禁止条約のように国際世論の反発によってクラスター爆弾を配備から外す傾向があり、日本でも2009年に国会で本条約の承認が完了しているため、航空自衛隊はこれらを破棄すると考えられる。
  15. ^ この点は西ドイツ空軍(現 ドイツ連邦空軍)におけるF-104の運用と同一であり、なおかつ双発である事から単発のF-104よりも安全性の有利をもたらした。
  16. ^ 戦闘機能力の陳腐化は当初より折込済みとはいえ、対領空侵犯措置任務まで付与されるだけのものがあったかといえば疑問である[要出典]。三沢基地にF-16が配備されて以降、同じく三沢に展開するF-1とのあいだでDACT(異機種航空格闘訓練)が繰り返されたが、高速旋回時の失速が空戦時には決定的なハンデとなり、結果は惨憺たるものであった。仮に実戦になり、侵攻した敵の上陸地点に多数の地対空ミサイルや対空火器が配備され濃密な防空網を張られている状態や、敵艦船上空に要撃戦闘機を配備されているような場合、これらを排除して目的を達することは到底難しかったと思われる[要出典]。戦術電波妨害(ECM)機や敵防空網制圧(SEAD)任務機等によるサポート体制が整わない、あるいは能力向上を殆ど行わない事等、防衛庁の運用思想にも問題があると言われることがある[要出典]が、それでもスタンドオフ性の高いASM-1を使用した対艦船攻撃能力にF-1の支援戦闘機としての唯一の戦略的価値を見出すことができる[要出典]
  1. ^ a b 赤塚聡 (2006)「F-1の開発―T-2からの改修点」『世界の傑作機 No.117 三菱F-1』文林堂 p.30
  2. ^ a b 久野正夫 (2006)「航空自衛F-1運用史」『世界の傑作機 No.117 三菱F-1』文林堂 p.50
  3. ^ a b 木村秀政・田中祥一『日本の名機100選』文春文庫 1997年 ISBN 4-16-810203-3 252-253pp.
  4. ^ a b c 宮本勲 『日本初の国産戦闘機 F-1の開発と能力と実績』 「空自F-2/F-1戦闘機と世界の戦闘攻撃機」軍事研究2009年8月号別冊、ジャパン・ミリタリー・レビュー、2009年8月1日発行、ISSN 0533-6716


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