OH-1
緒元・性能 | ||
乗員 | ||
機体 | ||
全長 | 13.40m | |
全幅 | 11.60m(胴1.00m) | |
全高 | 3.80m | |
製作 | 川崎重工 | |
エンジン | ||
名称 | TSI-M-10 | |
出力 | 844SHP×2 | |
製作 | 三菱重工 | |
最大全備重量 | 約4.000kg | |
最大速度 | 約278km/h | |
巡航速度 | 約220km/h | |
航続距離 | 約540Km | |
実用上昇限度 | 約4.880m | |
備考 | ||
陸上自衛隊の観測ヘリコプターOH-6Dの後継機。純国産機として平成4年から開発に着手、8年8月、初飛行試験に成功した。メーンローターにヒンジレス(無関節)型ローターシステムを採用、操縦応答性の向上を図っているほか、グラスファイバー複合材を使ったローターブレード、座席の装甲化・防弾ガラス、二重の油圧・操縦系統などで生存製を高めている。タンデム型(縦列)座席で機体本体の幅は1mしかないため、レーダー反射面積が小さく、目視発見率も低い。ダクト内テールローターはブレード不等間隔で配列、騒音を抑え安全性を高めている。後部座席の後方上に赤外線センサー、可視カラーTV、レーザー測距装置を一体化した索敵サイトを搭載、敵地上部隊の状況を昼夜を問わず探知、識知できるコックピットには任務適合成の高いアピオニクス統合システムを採用している。AAM×4で武装する。 |
【OH-1】(おーえいちいち)
川崎重工が開発した、陸上自衛隊の観測ヘリコプター。
愛称は"Ninja(ニンジャ)"。
エンジンまで国産の、日本で2番目となる純国産ヘリコプターである。
OH-6Dの後継機として1992年から開発が始まった。初飛行は1996年。
複合材を多用したメインローターや、オフセット配置のダクテッドファンなどにより、優れた静粛性を誇る。
また、軽快な機体にターボシャフトを双発で備えていて運動性も高く、垂直上昇しながら360度ピッチ回転してしまう「ピレネースプリット」など、独自の機動をとることもできる。
前席パイロット/後席観測士のタンデム座席や、RMS、91式携SAMをベースにした空対空ミサイルの装備など、観測ヘリコプターというよりは武装偵察ヘリコプターに近い設計を成されている。
これは、AH-1Sを使い続けていた陸上自衛隊の事情を考慮したものと思われるが、全周囲索敵力を持つAH-64DJPロングボウの導入に伴い、本機の存在価値も見直しを迫られた。
AH-1Sよりもデータリンク能力に優れるAH-64との組み合わせで、従来以上に高度な連携を取ることができるとされる一方、ロングボウ型自体も索敵能力が高いため、予算節約のため財務省から圧力を受け、OH-1のほうが調達中止されるのではないかとも謂われていた。
ところが、実際には逆に陸上自衛隊によるAH-64の調達が13機で中断されると決定されたため、逆にOH-1を攻撃ヘリコプター化するという案も現実味を帯びつつある。
ただし元来は軽量軽快さを主眼に置いた機体であるため、兵装等による重量増でOH-1の利点が失われてしまうのではないか、という意見もある。
ローターやトランスミッションなどの能力には余裕があるため、他にもUH-1Jの後継となる汎用型の計画もあるが、いずれにせよ派生型の開発にあたってはエンジン出力の強化などが課題になるため、強化型エンジンのXTS2が開発中である。
スペックデータ
全長:12.0m
全幅:3.0m(水平安定板幅)
全高:3.8m/4.0m(主ローター頂部まで)
主ローター直径:11.6m
胴体幅:1.0m
回転円盤面積:107.8㎡
空虚重量:2,439kg
基本運用自重:3,550kg
最大離陸重量:4,500kg
最大兵装搭載量:132kg
エンジン:三菱製TS1-M-10ターボシャフトエンジン(推力633kW)2基
速度:140kt(最大)/119kt(巡航)
実用上昇限度:4880m
航続距離:292nm
行動半径:108nm
乗員:2名
兵装:91式AAM×4(左右2発ずつ)、増槽2基
OH-1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/16 08:29 UTC 版)
OH-1は、川崎重工業によって製造された陸上自衛隊の観測ヘリコプター(偵察機)。陸上自衛隊では愛称を「ニンジャ」としているが[2][3]、機体のコールサインである「オメガ」も愛称として使われている[4]。
- ^ 防衛省 我が国の防衛と予算-平成22年度予算の概要-
- ^ 観測ヘリコプター | 略称:OH-1 愛称:ニンジャ | Flickr 陸上自衛隊公式アカウント
- ^ 川崎重工の代表的なオートバイにも、同じく「ニンジャ」の別名が与えられている。
- ^ 自衛隊萌えキャラ紹介—第5回 木更津・第4対戦車ヘリコプター隊の4姉妹 | おたくま経済新聞
- ^ 石橋一弘 (2022). “国産AH-X案の技術的側面(その3)”. 防衛技術ジャーナル 491: 30.
- ^ a b “観測ヘリコプター(OH-1)の飛行再開について”. 2019年2月28日閲覧。
- ^ “AH-64DアパッチにU-125Aも…陸自戦闘ヘリや空自捜索機など廃止決定、無人機の時代へ”. FlyTeam. (2022年12月21日) 2022年12月27日閲覧。
- ^ 石橋一弘 (2021). “国産AH-X案の技術的側面(その1)”. 防衛技術ジャーナル 489: 28.
- ^ Howard Hughes Award - AHS Internationa
- ^ 陸上自衛隊 OH-1アクロフライト 明野駐屯地2001 JGSDF Akeno Open House - YouTube
- ^ “新多用途ヘリコプター(UH-X)を受注”. 川崎重工公式サイト. (2012年3月28日)
- ^ “多用途ヘリ 川重に決定 防衛省”. 東京新聞. (2012年3月7日). オリジナルの2014年10月10日時点におけるアーカイブ。
- ^ “川崎重工、防衛省から陸上自衛隊向けの新多用途ヘリコプター(UH-X)を受注”. 日経プレスリリース. (2012年3月28日). オリジナルの2012年5月11日時点におけるアーカイブ。
- ^ 佐官級幹部が漏洩か、川崎重工などに入札情報(MSN産経、2012/9/6閲覧)
- ^ 防衛省が告発状提出、次期多用途ヘリコプター開発不正疑惑(MSN産経、2012/10/5閲覧)
- ^ 富士重工の内部資料手渡す、防衛省幹部来週にも刑事処分(MSN産経、2012/12/15、2012/12/17閲覧)
- ^ 2等陸佐2人を略式起訴 防衛ヘリ談合で東京地検 「利益供与なく悪質性低い」
- ^ 陸自ヘリ開発「白紙」 官製談合事件で小野寺防衛相 MSN
- ^ 陸上自衛隊新多用途ヘリコプターの企業選定に係る事案に関する懲戒処分について(防衛省報道資料)
- ^ 川崎重工業株式会社に対する指名停止の措置について(防衛省報道資料)
- ^ a b Jウイング 2015年4月号
- ^ UH-X、ベル412EPI発展型に ガリソンCEOに聞く
- ^ ヘリコプター用エンジン(TS1出力増大型)の研究試作
- ^ a b 軍事研究 2012年6月号
- ^ JapanDefense.com
- ^ 防衛白書の検索
- ^ “令和6年度防衛白書 P.52 資料6 主要航空機の保有数・性能諸元”. 防衛省. 2024年7月16日閲覧。
- ^ 陸上自衛隊のOH-1、37機を運用停止 2月17日のエンジントラブルで
- ^ 不時着した陸上自衛隊のOH-1、海中から引き上げ八尾駐屯地へ移送
- ^ 陸上自衛隊 、OH-1とOH-6Dの飛行を再開
- ^ “佐賀・陸自ヘリ墜落で防衛省幹部、事故原因判明前に補償” (日本語). 佐賀新聞. (2018年3月18日) 2018年7月10日閲覧。
- ^ “観測ヘリコプター(OH-1)の飛行再開について” (日本語). 陸上自衛隊 ニュースリリース . (2019年2月28日) 2022年1月9日閲覧。
- ^ “OH-1「ニンジャ」が再び空を舞うまでの約3年3ヵ月” (日本語). 航空新聞社 WING. (2019年7月23日) 2022年1月9日閲覧。
OH-1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 08:20 UTC 版)
「凱歌の号砲 エアランドフォース」の記事における「OH-1」の解説
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