黒い兄弟
黒い兄弟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 15:37 UTC 版)
煙突掃除夫の少年たちが結成した組織。初めて誓いを行った時は9名だった。2人仲間が増え、11名となる。アンジェレッタを仲間として受け入れようという声もあった。物語終盤ではビアンカが加わるも、アルフレドがのちに亡くなってしまう。 結成する以前は、狼団によるいやがらせを受けていた。 はじめて狼団と決闘を申し込んだ時には、あらかじめ罠を仕掛けておいたため、狼団(ジョバンニ不在)に勝利する。 次の決闘では、アルフレドを人質に取られるも、狼団(サソリ団含む)を相手に善戦する。決着がつかなかったため、ジョバンニの提案した一騎討ちでロミオがタキオーニを破り、アルフレドを取り戻した。 ロミオ 声 - 折笠愛 / 演 - 吉村和紘(舞台版)、大薮丘(ミュージカル版) 主人公。快活でまっすぐな11歳の少年。素朴で分け隔てない優しい性格、澄んだ目を持つ。スイスのソノーニョ村で家族と暮らしていたが、少年狩りでソノーニョ村を訪れた死神ルイニに狙われてしまい、ルイニが故意に起こした山火事で目を患った父ロベルトの治療費を稼ぐため、自らを売ることを決意。煙突掃除夫としてミラノに連れて行かれる。 幸運にも人のよいマルチェロ親方に雇われるが、女将のエッダや息子のアンゼルモからは辛く当たられ、食事は十分に与えられない上、逃亡阻止用に施錠された牢屋のような倉庫部屋で暮らす日々が続く。 中盤でアンゼルモの謀略でエッダに盗みの濡れ衣を着せられてしまうが、警察署に仕掛けられた爆弾からマルチェロや署長を救った功績と、アンジェレッタの証言で潔白を勝ち取り、仕事の時間以外は自由の身となる。 その後、再会したアルフレドと煙突掃除夫の少年たちの互助同盟グループ「黒い兄弟」を結成。黒い兄弟のリーダーとなったアルフレドの相棒として活躍する。イタリア語を話すようだが、教育水準の関係で文字の読み書きができず、アンジェレッタの助けを借り、賢く大人びたアルフレドを目指して勉強を始める。 終盤ではアルフレドを失ったショックから立ち直れずに黒い兄弟の仲間たちにも反発されたが、ビアンカからアルフレドの遺言を伝えられたことをきっかけに気力を取り戻す。アルフレドの遺言通りに黒い兄弟の2代目リーダーを拝命し、アルフレドの遺志を実現しようと決心する。第32話(編成の都合で急遽制作された)で屋根から転倒し骨折、カセラ教授宅に居候してアルフレドが読んでいた白鯨などの本に読みふけり、勉強をして教師になる夢を持つ。次の春に煙突掃除夫の契約満了により帰郷する。 約10年後、故郷ソノーニョ村で教師となり、子供たちに文字の読み書きを教えている。ビアンカと結婚し、彼女との間に生まれた一人息子に「アルフレド」と名づけた。 原作では「ジョルジョ・ベルナスコーニ」という名前である(ドイツ語版では、ロミオの名前は原作通り「ジョルジョ(Giorgio)」に変更されている)。また本作品では前述の通り、ミラノに来てから半年後に契約満了で帰郷しているが、原作ではロッシ家での冷遇に耐えかねて黒い兄弟の3人の仲間と共にミラノから脱出した後にルガーノのカセラ教授に身を寄せ、9年後に教師としてソノーニョ村へと帰郷する。 アルフレド・マルティーニ 声 - 藤田淑子 / 演 - 木村英貴(舞台版)、新里宏太(ミュージカル版) ロミオがミラノへ行く途中に出会った少年。日頃から本を読んでいて、豊かな知性と教養、気高く優しい心を持つ。ロミオより1歳年上。カセラ教授からも「神に特別に愛された少年」と評されるほど、非の打ち所の無い完璧な美少年として描かれている。 ロカルノでリンゴ泥棒扱いされたロミオを助けたのが縁でロミオの親友となった。ミラノで煙突掃除夫として親方に売られた後、聖バビラ教会でロミオと再会して「黒い兄弟」の初代リーダーとなった。強いリーダーシップとカリスマ性を持ち、彼自身は争いを好まず、直接手を出すことは滅多にない。泳げないのが唯一の弱点。ロミオたちと永遠の友情を誓う。 貧困によって好きな時に勉強ができない子供たちの境遇を思い、「自由に学び、自由に生きられる時代」を目指して、ロミオと新しい時代を創ろうと約束する。しかし、シトロン親方に酷使されて肺結核にかかってしまい、自分の命が残りわずかなことを悟る。 実は貴族マルティーニ子爵の息子で、叔父のマウリッツィオとその妻グラゼーラの策略で両親を殺され、さらに妹のビアンカ共々放火殺人の犯人に仕立て上げられた過去を持つ。当初は人間不信に陥っており、後に「ロミオがいなければ復讐を誓うだけのつまらない男になっていただろう」と回顧している。終盤ではマウリッツィオ夫婦に命を狙われながら、黒い兄弟や狼団の協力で大公の晩餐会へ乗り込み、国王に叔父夫婦の悪事と自らの無実を証明した。その日の晩にロミオと聖バビラ教会に礼拝に向かい、ロミオにビアンカを託して日の出とともに息を引き取る。 原作では「コシーニ」という姓である(ビアンカも同様)。また貴族出身ではなく金持ちという設定で、ミラノに来た経緯が異なるほか、キャラクターも本作品のような完全無欠な描写はない。 ビアンカ・マルティーニ 声 - 岡村明美 / 演 - 山田敦史(舞台版)、田上真里奈(ミュージカル版) 12人目の「黒い兄弟」の仲間。アルフレドの妹。甘えん坊で寂しがりやだが、多少お転婆で気が強い。アルフレドのことが大好きで、いつもアルフレドが自分の方を見ていないと気が済まない。ロミオにやきもちを焼くが、アルフレドが最も信頼するロミオに次第に興味を持つ。 兄のアルフレドと共にマルティーニ子爵の遺児。叔父夫婦に両親殺害の濡れ衣を着せられて兄と逃亡し、追っ手の目を欺くために髪を切った。兄と共にある農夫の家に身を寄せるが、兄が煙突掃除夫としてミラノに旅立った後で叔父夫婦に発見され、監視下に置かれていた。後にロミオや黒い兄弟たちの協力を得たアルフレドに救出され、兄と共にイタリア国王に真実を証明した。 ロミオが帰郷した後はカセラ教授の下で住み込み看護婦として働く。後に教師となったロミオと結婚し一子をもうけ、その子に兄と同じ名を付ける。 原作ではミラノに来ることはなく、スイスのロベレド村でアルフレドの帰りを待ちわびている。後にアルフレドの遺言に従って自身を訪ねて来たロミオ(ジョルジョ)と共にカセラ教授の家で暮らすようになる。 ダンテ 声 - 柊美冬(現・石村知子) / 演 - 能登谷祐治(舞台版)、南部海人(ミュージカル版) ロミオと同じくルイニに買われた少年で、ミラノへ向かう途中のロカルノの町でロミオと出逢う。坊主頭で大きめの帽子を深々と被っている。一見たちが悪そうに見えるが心優しく、自らを「ダンテ様」と呼んで戯けたりするなど、ひょうきんな性格。少々見栄っぱりで、カセラ教授曰く無鉄砲なところがある。 夜のミラノで狼団に絡まれているロミオを救い、再会を果たす。アルフレドが他界した際には、無気力状態となっていたロミオに喝を入れるべく決闘を挑んだ。ニキータのことが好きだった。 春にロミオ、ミカエル、アントニオと共に故郷へ帰る。誰かのセリフの後に「そういうこと」と付け足すことがある。 脚本集に描かれた10年後では密輸船に乗っている。 ミカエル 声 - 石川寛美 / 演 - 輝山立(ミュージカル版) 黒い兄弟の中では最年少。気が弱く泣き虫。いつもオオカミ団に狙われているほか、よく敵役にも狙われる。ロミオから弟分として可愛がられる。 母の手伝いをしていたこともあり、裁縫が得意。ミラノへ来る時に母からもらった聖母マリアのペンダントをお守りとして身につけている。 春にロミオ、ダンテ、アントニオと共に故郷へ帰る。 アントニオ 声 - 高乃麗 / 演 - 根来武志(舞台版)、小波津亜廉(ミュージカル版) 漁師の息子(ドラマCDより)。先に弟がミラノで煙突掃除夫として働いていたが、飢えと寒さの為に亡くなっていることを認識している。自身は脱走しようと試みるが、結局ミラノに来て煙突掃除夫となる。 原作では喧嘩が非常に強く、本作品でもリナルドを転ばせたりしている。 春にロミオ、ダンテ、ミカエルと共に故郷へ帰る。 アウグスト 声 - 岡野浩介 / 演 - おでぃ(ミュージカル版) メンバーで一番体格がよい。ロミオと同様、行動派で自分こそが勇敢だと思い込んでいた。終盤ではロミオにリーダーになることを委ねている。 ベナリーボ 声 - 岩永哲哉 / 演 - 八巻貴紀(ミュージカル版) ジルバ横丁に住む。寝相が悪いらしい。「黒い兄弟」の中でいちばん背が高いがやせている。 バルトロ 声 - 田野恵 / 演 - 米澤賢人(ミュージカル版) ロミオより少し先に煙突掃除夫としてミラノに連れて来られたらしく、一足先に故郷へと帰っている。 ジュリアーノ 声 - 大塚瑞恵(現・大塚みずえ) / 演 - 吉元祐典(ミュージカル版) ロミオより少し先に煙突掃除夫としてミラノに連れて来られたらしく、一足先に故郷へと帰っている。 エンリコ 声 - 丸尾知子(現・Chiko) / 演 - 佐藤弥益(ミュージカル版) あまり目立たない存在。ロミオにアウグストのことを教える。 パウリーノ 声 - 田野恵 ロミオより少し先に煙突掃除夫としてミラノに連れて来られたらしく、一足先に故郷へと帰っている。狼団との決戦時には組織を抜けだそうとしたが、ロミオの説得によって思い止まる。
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