昭和後期の時世を反映した内容
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「いとしのエリー (漫画)」の記事における「昭和後期の時世を反映した内容」の解説
作品のYJ掲載期間(昭和59(1984)年〜62(1987)年)は昭和後期で、作品・概要にあるとおり物語にその当時の時世が色濃く反映されている。その多くは平成年代になってから姿を消した、あるいは見ることが少なくなったもので、当時の生活様式を垣間見られる側面がある。以下は物語に登場した、時世を反映している物を挙げる。 0系新幹線 - 愛称「ひかり」。上野や母親が京都に行く際に使用した。1999年に東海道新幹線から姿を消している。 ファミリーコンピュータ - 1983年発売の家庭用ゲーム機。ヤン坊が購入。平成初期に人気の座をスーパーファミコンに明け渡すまで、国内外で大ヒットした。物語中では「スーパーマリオブラザーズ」「グーニーズ」「ポートピア連続殺人事件」などをプレイしているという描写がある。 ダイヤル式電話機・電話ボックス - 清水宅と電話ボックスがプッシュホンである以外、全ての家庭が黒電話などのダイヤル式で、上野が串田の実家に電話する際偽名を使ったり、エリー以外の人間が電話に出る事を防ぐためあらかじめ時間を申し合わせて連絡を取ったなど、連絡相手を直接指定できない当時の恋人同士の通話手段が垣間見える。また当時から存在していたテレホンカード式の公衆電話ボックスは描かれておらず、清水と上野が硬貨の山を積み上げて北海道に電話をかけている。現在はほぼ全ての固定電話がプッシュホンで連絡手段も携帯電話に代わっている。また携帯電話の普及で公衆電話ボックス自体も非常に少なくなっている。余談だがポケベルや携帯メールなども無い時代のため、連絡のやり取りは小さいメモ用紙だったり、小声で話すなどしている。 レコード・レンタルレコード - 1980年代からコンパクトディスクが徐々に浸透している時期だが未だレコード盤での音楽視聴が主流となっている。上野がデビッド・ボウイの「レッツ・ダンス」やRCサクセションの「OK」などをレンタルレコード店で借りている。レンタル店は1990年代からレコード盤の衰退に伴いCD・DVDレンタル、ゲーム販売などの複合店舗などに変化し(例:ツタヤ)、レコード専門店は非常に少なくなっている。 氷枕・氷嚢 - 上野が風邪をひくたびにお世話になっていた冷却枕の一種。1990年代から冷却ジェルシートに代わられている。 ザ・ベストテン - TBS製作のランキング形式の音楽番組。上野がスキー場で捻挫した夜、一人でふてくされながら見ている。番組は1989年(平成元年)に終了。 なるほど!ザ・ワールド - フジテレビ製作の紀行・情報クイズ番組。上野の父親が見ようとしていた他度々ネタにされている。主人公串田枝理子の名はこの番組の初代司会のひとりだった楠田枝里子から取られている。番組は1996年にレギュラー終了。 三浦和義 - 当時ロス疑惑の渦中の人でマスコミを席巻した。上野が骨折・入院から復帰し松葉杖をついた様子を隣野が三浦に例えた。三浦は2008年に死亡している。 ブルマー - 漫画の趣向に関係なく、当時の女子学生の標準体操着であった。球技大会で隣野など女子生徒が着用している。ブルマー#日本における普及と衰退にあるとおり1990年代から衰退が始まり、公立校では2004年にブルマーは指定外となっている。 また作品中に描写された歌も当時の流行が反映されている。傾向としてロック色が強く、アシスタントにロックフリークの夫、わたべ淳や喜国を起用していたことからもその系統の趣味の強さが伺える。 いとしのエリー - サザンオールスターズのヒット曲。前述の通り連載当時はドラマの主題歌に起用されている。鎌倉の海岸で上野と串田の初キスシーンとなるバックで流れている。上野が串田を「エリー」と呼ぶきっかけとなった。 Rock'n Rouge - 松田聖子の1984年のヒット曲。それまで資生堂製品のCMを多く歌っていたが、この曲が本人出演のカネボウ化粧品のCMソングとなった為、資生堂提供の音楽番組で歌えなかったといういわく付の曲。上野が1年春休み時に串田宅へ個人教授を受けに行く時に家から出かけばなに浮かれて歌っているが・・・ 雨あがりの夜空に - RCサクセションの1980年のヒット曲で忌野清志郎の代表曲。串田宅での個人教授に一緒に呼ばれたヤン坊が歌っている。串田に“乗れないなんて”という上野の心情を揶揄している。 Oh! Baby - 前述のレンタルレコード店で上野が借りたRCサクセションのLP盤「OK」収録のラブソング。串田と上野、二人だけの引っ越し祝いのBGMとして流している。上野は1曲目を飛ばして2曲目のこの曲からかけはじめ、串田も曲名を知っていたことから両者ともアルバムが出る前のシングル盤などで曲を知っていた模様。 朝起きたら - 小林万里子の1978年の曲。有線や深夜放送で人気の曲だった。西荻で一人暮らしを始めた上野の隣人がかけている。「朝起きたら男の態度が変わっとった」は記憶喪失中のシーンに当てつけている。小林本人の音楽活動の長期休止もあって“埋もれた”楽曲だったが、2009年に桑田佳祐がカバーしている(小林の項目を参照)。 本気でオンリーユー(Let's Get Married) - 竹内まりやの1984年発表の英語詞のラブソング。イントロに「結婚行進曲」が使われ、文字通り“すぐに結婚しましょう”という内容なので結婚式で使われることもある。最終回で上野と串田が誓いを交わすシーンで歌いだしの「Now Let's Get Married(漫画上はMarry)」が描かれている。
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