弟子・その他
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加藤景延 声 - 田中完 美濃の陶匠。窯大将を務める。織部とは古くから親交があり、美濃の窯元を集めた「織部十作」の指揮を任される。古田織部の朝鮮密航にも同行した。 好きな色:ブリリアントレッド。 上田宗箇(上田左太郎→上田宗箇) 声 - 金山一彦 丹羽家の家臣。後に関ヶ原の戦いを経て浪人となるも浅野家の家老となる。織部の直弟子の1人、あるいは一番弟子。 節約を心がけ、槍の腕前を誇りとする無骨な武人。山崎の戦いの折に織部による「信幟」のデザイン(ハートマークの中に「信」の字)に衝撃を受け、彼に興味を持つ。後に織部に弟子入りを志願するも、織部の勧めで利休の弟子となり、利休の死後に正式に織部の弟子となる。正式な弟子入り前から、織部とつるむことが多く、彼の悪巧みに協力させられることも多い。 織部の趣向を目指しているものの、持ち前の武人らしさが邪魔をして数寄に創意が足りないと評される。しかし、切羽詰った庭造りを通して徐々に認められ、甲の要素を強くした武士の茶道の構築に貢献する。 豊臣政権下で直臣となり越前の大名に取り立てられ、北政所(おね)の従姉妹・おとく(声 - 槙口みき)を妻にしたが、関ヶ原の戦いに際して、大谷吉継の調略によってやむを得ず西軍に付き、戦後改易される。その後、蜂須賀家政の客将を経て、浅野幸長の家老となる。幸長の弟・長晟とは反りが合わず、大坂方に付こうと奈良で隠遁していたが、織部のとりなしで翻意する。 好きな色:チョコレートブラウン。 小堀遠州(小堀作介→小堀遠州) 声 - 勝杏里 豊臣秀長の小姓。おかまのようなしゃべり方をする。元服前から独自の美意識をもっており、明智光秀によって白く塗られた安土城を原点とする。石垣山城の築城に提案したアイデアが織部に褒められたことを喜び、元服し弟子入りしてからも織部を盲信し教えを実践している。妻は藤堂高虎の養女・おかね。 徳川家康が居住する大坂城西の丸天守建立を任されるが、本丸天守より目立つ華麗な白塗りするという政治的配慮に欠けた仕立てにしたため、家康の怒りを買う。その失態を償うため家康の小姓に志願し関ヶ原の戦いに参加し、島津の退き口の中で島津軍に連れ去られるものの、その後、逞しくなって帰還する。舅の藤堂高虎が家康に接近したことから、織部との板挟みに苦悩するが、孤篷庵に己の数寄を結実させる。 好きな色:スノーホワイト。 本阿弥光悦 声 - 四宮豪 刀砥ぎ職人。小田原の役に登場して織部の刀の手入れについて駄目だししていた。彼もまた数奇者で、織部の新作を心待ちにしている。織部の元に出入りするうち織部の悪巧みに翻弄されることもしばしば。朝鮮密航への同行を機に、作陶にも関わるようになる。 好きな色:セピア。 岩佐又兵衛 血気盛んで我の強い若き絵師。荒木村重の子。有岡城の戦いで一族郎党が信長の命で殺害されるが、乳母に助け出され奇跡的に生き残る。関西弁を喋る。 家より名物を選んだ父を理解できず武家の者を嫌うが、長谷川等伯の紹介で父と同じ数寄ムジナである織部に出会い、その下で薫陶を受ける。朝鮮密航にも同行し、現地の印判技術から版画への影響を受ける。 関ヶ原の戦いを忠実に描いた絵を徳川方に破棄されてしまうが反骨精神を失わず、したたかな絵師に成長する。その後、それまで見下していた宗達が新技法を確立したことに衝撃を受け、妻子を置いて自分の描く題材を求めて大坂方に従軍する。夏の陣で徳川方に斬られそうになったところ、(父のように)誇りよりも命を優先し、松平忠直に助けられる。戦後、拘束先で黒田一成から大坂の陣を描いた屏風の制作依頼を受ける。 好きな色:ブラッドオレンジ。 有来新兵衛(浦井新兵衛→有来新兵衛) 声 - 鈴木琢磨 織部プロデュースの店「瀬戸屋」を任されている商人。織部から五芒星型の看板を託され困惑する。瀬戸屋は慶長伏見地震で倒壊するが、徳川家康から資金の援助を受けて再建。以後、家康に接近してゆき、家康より「有来」の姓を賜る。 柳英子(ユウ・ヨンジャ) 朝鮮慶尚道法基里(ポッキリ、現在の梁山市)の村はずれに住む女陶工。身の丈六尺を超す大女。両班の子だったが捨てられ、法基里の老陶工に拾われる。そのせいか、両班向けの景徳鎮よりも朝鮮独特の雑器を好む。朝鮮窯術を学びに密入国し、法基里にやって来た織部の誘いで日本に渡り、名前を「おえい」と改め作陶に励む。織部の落胤・希介を産むが、関ヶ原の戦乱における疎開先・乃木村で医師夫婦の養子に出した。 佐竹義宣 常陸の大名。織部の朝鮮密航を密かに援助し、織部の帰国後、ひずんだ茶碗に魅せられて思わずお国言葉で「いがっぺぇ」と感嘆し弟子入りする。若くして織部流の「数寄の根っこ」を理解する人物。伊達政宗とは犬猿の仲。 取り潰しの危機を救ってくれた三成に恩を感じており、七将襲撃事件の際には伏見城まで護衛し関ヶ原の戦いでも石田派に付こうとしたが、家康の命を受けた織部に説得され徳川派に付く。戦後は出羽に転封された。 好きな色:イエローオーカー。 金森宗和(金森重近→金森宗和) 飛騨の大名・金森長近の孫。仲の良い小堀作介同様おかまっぽく(美意識は小堀の「きれい」に対し、「かわいい」という差異がある)、戦など野蛮なものを嫌うが、幼少のころから長近に鍛えられたため、武芸に秀でている。 数寄者としては未熟であったが、織部の命で作った水指に独断で加えた絵付が「破れ袋」誕生のきっかけとなる。大坂の陣を前に、徳川方として粋の極みたる大坂城を滅すことへの加担を拒んで廃嫡され、剃髪した。 俵屋宗達 京の扇屋・俵屋の若旦那。織部の信奉者で、ひょうげの美に価値を置いている。かぶき者には嫌悪感を抱いており、感情を爆発させると手がつけられない。 墨絵に関してはなかなか古典から逸脱できなかったが、八条宮別邸の襖絵製作にあたって新境地を開く。 好きな色:インクブラック。 玉子 明智光秀の娘で細川忠興のもとに嫁ぐ。喧嘩こそするが、史実と違い夫婦仲は最後まで悪くなかった。 関ヶ原の戦いでは、名物を守るため細川屋敷に立て籠もり、ダ・ヴィンチ砲で石田兵を薙ぎ倒すが戦死。直後に屋敷は爆破された。石田派の士気が低下するのを防ぐため、公には「重臣と刺し違えた」と報告された。
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