副砲・対空装備等
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「ノースカロライナ級戦艦」の記事における「副砲・対空装備等」の解説
アメリカ海軍戦艦の副砲は弩級戦艦フロリダ級から超弩級戦艦コロラド級に至るまでMarks 7~9, 14,15 12.7cm(51口径)速射砲」を採用しており、また、高角砲は「Marks10,11,13,17 12.7cm(25口径)高角砲」を採用していた。しかし、本級からアメリカ海軍は船体を小型化するために副砲と高角砲の役割を一元化して武装重量を減らす試みを採った。 本級以前のアメリカ戦艦では主砲塔間に挟まれた船体中央部の広い範囲にケースメイト配置で副砲を配置し、その空いた場所に高角砲を設置するのが列強海軍では普通であったが、この場合は副砲は広い射界を有するものの、高角砲は艦橋や煙突など上部構造物に射界を阻まれ、効果的な対空射撃を行えない恐れがあった。そこで副砲に高角砲の役割を兼任させて解決させようと試みたのである。 新設計の両用砲として「Mark 12 12.7cm(38口径)両用砲」を採用した。この砲は発射速度は毎分12~15発、仰角は85度・俯角15度と広範囲に指向できた。最大射程は重量25kgの砲弾を仰角45度で射距離15,903m、最大仰角で高度11,887mまで届かせることが出来る優秀砲である。なお、この砲は厳密に言えば砲塔ではなく、連装式の砲架の上に対機関砲弾防御の45mm装甲でできたカバーを被せているだけである。また、副砲の砲身が38口径と既存の51口径よりも短く感じるが、これは当時のモーターの性能では、装甲を施した砲塔に長砲身の大砲を載せて戦闘機を追従できる高出力のものを開発するのが困難であった事が理由のひとつで、意図的に砲身を短く設計していた。これを二本煙突の両脇に内側に3基、外側に2基の方舷5基の計10基を搭載した。この配置により前後方向に最大8門、左右方向に最大10門が指向でき、対空火力で見れば同排水量クラスでは最大といえるもので、後継艦もこの配置を採用しているので一つの完成型といえる。 他に対空火器としてMark 2 28mm(75口径)四連装機関砲を4基、近接対空防御用に12.7mm単装機銃を12丁装備していた。更に1942年にエリコン20mm(70口径)機銃と12.7mm機銃の追加装備が行われたが、第二次世界大戦当時には28mm機関砲は旧態化していたため、スウェーデンのボフォース社製「40mm(56口径)機関砲」への更新が行われた。この40mm四連装機関砲を10基搭載したが、更に15基にまで増強された。
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副砲・対空装備等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/04 14:34 UTC 版)
副砲は「キング・ジョージ5世級」と同じく1940年に採用された「Mark I 13,3cm(50口径)両用砲」である。この砲は発射速度は毎分7 - 8発、仰角は+70度/-5度、最大射程は仰角45度で射距離21,397 m、最大仰角で高度14,935 mで、カタログデータでは優れるが実際の所は砲の俯仰角速度・旋回速度が普通の平射用砲塔と大差なく、ドイツ空軍の急降下爆撃機への対処は困難だった。 砲弾装填は人力であったが、水上砲戦での威力を重視したため砲弾重量は36,3kgもあり(日米の12.7cm砲弾で約25 - 28kg、動力装填式のフランス13cm砲弾でも32kg)速射性を阻害していた。これは重量が40,8kgまでならば人力で速射が可能であると言う間違った見解に基づき、弾薬包形式(砲弾と装薬が一緒、通常は動力装填式に多い)にした為、人力での装填作業を継続困難にしたのである。 他に対空火器として英国軍艦に広く採用されている「1930年型 Mark8 ポムポム砲(pom-pom gun)」を八連装(水平四連装銃身を上下に配置)で装備するのは前級と変わらないが、これを4基から6基へと増載した。装備型式は1番煙突の両脇に4基を、残り2基を後部艦橋の後部に後ろ向きで並列に配置した。この砲は口径が40mmと一見、強力そうだが有効射程が短く、弾道特性も悪いために実際は中々当らなかった。さらに、射撃中に弾体と薬莢が分解して頻繁に弾詰まりを起こすと言う悪癖を持っていた。 主なデータではマレー沖海戦による「プリンス・オブ・ウェールズ」搭載のポムポム砲は一基だけで12回も故障を起こし、もう一基も8回も射撃中止に陥った。 特徴的なのはイギリス海軍が懇意にして開発した17,8cm 20連装ロケット砲(通称:UP, Unrotated Projectile)でこれは、円筒状のロケット弾に無数の爆雷を詰めておき、規定の高度でカバーが外れて、尾部に落下傘を付けた爆雷が適度な散布界を持って展開するという画期的な兵器であった。しかし、実戦での効果においては不明である。 Mark I 13,3cm(50口径)両用砲(写真はシリウスのもの) ポムポム砲(写真はロドネーのもの)
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副砲・対空装備等
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「キング・ジョージ5世級戦艦」の記事における「副砲・対空装備等」の解説
キング・ジョージ5世級の副砲はネルソン級で両用砲の開発が要求に間にあわなかった苦い経験から、キング・ジョージ5世級は設計当初から高角砲を兼用するように開発が進められた「1940年型 13.3cm(50口径)高角砲」を採用している。この砲の発射速度は毎分7~8発、砲身の上下角は仰角70度・俯角5度、最大射程は仰角45度で射距離21,397 m、最大仰角75度で高度14,935 mまで届くという性能であった。この副砲は連装砲塔に収められ、カタパルトを境に前向きに背負い式に2基、後向きに背負い式に2基の片舷4基ずつ計8基を舷側配置した。しかし、カタログデータでは優れるが実際の所は砲塔の旋回速度や砲身を上下させる速度が普通の平射用副砲塔と大差なく、急降下爆撃機に対処は困難だった。軽量化のために装填は人力であったが、水上砲戦での威力を重視したため砲弾重量は36.3kgもあり、速射性を阻害していた。 さらに、キングジョージ5世級に装備されたHACS対空レーダーは測距儀またはレーダーからの情報をもとに高角砲を管制する機械式コンピューターであるが、プリンス・オブ・ウェールズが装備していたものは改良前の古いタイプで性能が劣っていた。 近接対空火器としてイギリス艦艇に広く採用された「1930年型 Mark VIII 4cm(39口径)ポンポン砲」を8連装(水平4連装銃身を上下に配置したもの)砲架で4基搭載した。この機関砲は口径が4cmと大きいが、有効射程が短く弾道特性も悪いために有効ではなかった。さらに、射撃中に弾体と薬莢が分解して頻繁に弾詰まりを起こしやすいという欠点を持っていた。マレー沖海戦によるプリンス・オブ・ウェールズ搭載のポンポン砲は1基だけで12回も故障を起こし、もう1基も8回も射撃中止に陥った。 特徴的なのは、イギリス海軍が開発しネルソンにも装備された「17.8cm20連装ロケット砲(英語版)(通称:UP, Unrotated Projectile)」である。これは円筒状のロケット弾に無数の爆雷を詰めておき、規定の高度でカバーが外れて、尾部に落下傘を付けた爆雷が適度な散布界を持って展開するという兵器であった。2番主砲塔上に1基、3番主砲塔上に並列で2基、艦尾甲板上に1基の計4基が搭載された。実際の戦闘では展開速度が航空機の速度に付いていけず、充分な戦果を得られないまま早期に撤去されて4cmポンポン砲を増載した。 後にアメリカから供与されたボフォース 4cm(56口径)対空機関砲やエリコン社製2cm(76口径)機銃にスペースを明け渡した。 艦尾甲板上のキング・ジョージ5世の17.8cm20連装 UP ロケット砲。 17.8cm UP ロケット弾を運ぶキング・ジョージ5世の水兵。 1942年にアイスランドのセイジスフィヨルドで撮られたキング・ジョージ5世。2番砲塔上のUP ロケット砲を撤去して代わりに4cm8連装ポンポン砲に換装し、20mm機関砲18門を搭載していた。
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副砲・対空装備等
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「ヴァンガード (戦艦)」の記事における「副砲・対空装備等」の解説
副砲はキング・ジョージ5世級と同じく1940年に採用された「Mark I 13.3cm(50口径)両用砲」であるが、新型砲塔であった。この砲を連装砲塔に収め、旋回角度は160度で発射速度は毎分9発、仰角は70度で俯角は5度、最大射程は仰角45度で射距離21,397 m、最大仰角で高度14,935 mで、カタログデータでは優れるが実際の所は砲身の上下する速度・旋回速度が普通の平射用砲塔と大差なく、ドイツ空軍の急降下爆撃機への対処は困難だった。 砲弾装填は人力であったが、水上砲戦での威力を重視したため砲弾重量は36.3kgもあり(日米の12.7cm砲弾で約25~28kg、動力装填式のフランス13cm砲弾でも32kg)速射性を阻害していた。これは重量が40.8kgまでならば人力で速射が可能であると言う間違った見解に基づき、弾薬包形式(砲弾と装薬が一緒、通常は動力装填式に多い)にしたため、人力での装填作業を継続困難にした。しかし、対水上砲として見れば速射能力は平射砲と比べて速く、有効な副砲と呼べるものである。 他に対空火器として英国軍艦に広く採用されている「1930年型 Mark8 ポムポム砲(pom-pom gun)」ではなく、スウェーデンのボフォース社製「4cm(56口径)機関砲」を採用している。この砲は重量0.89kgの機関砲弾を高度7,160m先まで飛ばすことが出来た。これを六連装砲架で10基、連装砲架で2基、単装砲架で9基計73門を装備した。
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