podcast
「podcast」とは・「podcast」の意味
podcast(ポッドキャスト)とは、iPhone・アンドロイドなどの端末を問わず利用できる、基本的に無料で提供されるインターネットラジオ、インターネットテレビの一種である。podcastの利用者は配信されているデータを無料でダウンロードすることができ、ダウンロードしたデータはオフライン状態でも視聴が可能。podcastの配信者はインターネット上のサーバーに音声データ、動画データなどをアップロードし、これらはRSSを通して各配信先へ自動配信される。
この、RSSを通して自動配信されるという仕組みこそがpodcastの一番の特徴である。RSSとはもともとニュースやブログなど、WEBサイトの更新情報を配信するためのものである。たとえば複数のニュースサイトの情報を提供しているアプリなどは、RSSを使って各メディアの更新情報を受け取っている。
podcastはこのRSSという仕組みを利用したサービス。代表的な配信先は、「Apple Podcast」「Google Podcast」「Spotify」などである。
podcastは「iPod」と「Broadcast(放送)」を合わせた造語。その名の通り、普及当時はiPod(Apple社が開発した携帯デジタルオーディオプレイヤー)を中心に配信されていた。しかし、podcastの利用者拡大などにより、Google、Spotify、Amazonなどの大手も配信先として参入するようになった。
podcastの配信先が増えたことにより、利用者の取り合いという配信元同士の競争が生まれた。これは、podcastコンテンツの質の底上げにつながることになる。具体的には、配信元のオリジナル番組、または独占の番組を配信すること。Spotifyではオリジナル番組や独占配信を積極的に行っている。その結果、podcastプラットフォームシェア率1位という、長年首位だったApple Podcastを抜くこととなった。
podcastの始まりは2004年。アメリカのラジオ放送のDJであるクリストファー・リドンのブログに、インタビュー放送を録音したオーディオファイルを添付するため、科学者のデイヴ・ウィナーが協力したことがきっかけである。そこにIT起業家であるアダム・カリーが目をつけ、技術が発展していく。2005年には、配信された番組をダウンロードしてiPodに転送する機能がiTunesに組み込まれ、「podcast」として世間に浸透していった。
上記のようにブログから始まったこともあり、podcast普及当時はブログを中心に人気となった。しかしYouTubeなどの動画配信サービスの人気に伴い、徐々にpodcastの人気は下火となる。だが、日本国内では2018年前後にpodcastの利用者がまた増え始めた。podcastの利用者が増えた理由には、「動画より気軽に聞けること」「コンテンツの質が上がったこと」「スマートフォンの普及により手軽に利用できるようになったこと」が挙げられる。
podcastが生まれた国であるアメリカでは、2014年頃からpodcastブームが再来。「シリアル」という犯罪ジャーナリズム番組がブレイクしたことが主な理由である。「シリアル」はpodcast市場最も聴かれた番組として名高く、2018年時点で3億4千万回ダウンロードされている。
配信に利用されるデータはMP3などの音声データファイルが主なため、podcastは音声のみの配信というイメージがあった。しかし広義的にはMPEG-4、H.264形式の動画配信も含めてpodcastとなる。動画配信の場合は、Video Podcast(ビデオポットキャスト)、ビデオキャスティング、Vlogなどとも呼ばれ、音声配信とは差別化されている。
podcastの配信とラジオは同じく音声配信サービスだが「配信がリアルタイムかどうか」「配信が届く範囲」という違いがある。
ラジオはリアルタイムで情報を発信するサービスであり、情報の新しさ・電波が届く範囲のみの配信になるため地域性が高い配信になるというメリットもあるが、配信を自由に再生できない(巻き戻し・早送り等)・地域が限定されるという側面もある。
podcastはデータをアップロードして配信するものであり、いつでもどこでも利用できる・自由に再生することができる・ダウンロードができる、というメリットがあるが、リアルタイムの情報を得ることには向いていない・リアルタイムで配信といった臨場感はないという側面もある。
一般的に配信者は「Podcaster」と呼ばれ、配信することを「Podcasting」と呼ぶ。配信内容にはあらゆるジャンルがある。たとえば「ニュース」「教育」「歴史」「言語学習」「デザイン」「エンタメ」「映画やドラマのレビュー」など。2022年時点で人気のジャンルは「ニュース」「コメディ」「言語学習」「教育」「テクノロジー」。とくに「ニュース」ジャンルは全世代を通して人気のジャンルである。
配信者も個人や企業など問わず存在する。企業はpodcastをオウンドメディアとしてマーケティングに利用していることもある。たとえば「CHANEL」や「Dior」などのファッションブランドでは、クリエーションのインスピレーション元の紹介・解説などをしている。
podcastは基本的に無料で利用できるサービスだが、一部プレミアムサービスやサブスクリプションなどの有料配信も存在する。配信者はpodcastのデータを収益化のために利用することができるのだ。サブスクリプションなどの有料配信も収益化の方法の1つ。ほかにも収益化の手段として、投げ銭のような機能・広告表示などがある。
2022年時点の日本ではpodcastの普及率は海外に比べて低く、podcastの収益化が成功している配信者も海外に比べ圧倒的に少ない。また、収益化が成功した配信者でもpodcastのみで生計をたてることは稀である。多くの配信者はYouTubeでも配信したり、podcastで得た人気、知名度を利用した仕事をするなど、複数の仕事をして生計をたてている。
しかし、大金を稼ぐポッドキャスターもいる。たとえば世界で最も稼ぐポッドキャスターといわれるアメリカのコメディアン、ジョー・ローガンの2019年の広告収入は、推定33億円といわれている。2020年にはSpotifyと独占契約を結び、その報酬額は1億ドル(約80億円)ともいわれている。
「podcast」の熟語・言い回し
podcastの熟語・言い回しとして「apple podcast」「google podcast」「Mac Podcast」「itunes podcast」などがある。apple podcastとは
apple podcastとは、Apple社が提供しているpodcast用のアプリ。利用できるデバイスは、iPhone、iPad、HomePod、Mac、AppleWatch、AppleTVなどのApple製品。また、Apple製品に備わっているバーチャルアシスタントSiriに声をかけるだけでも利用ができる。
利用は基本的に無料だが、有料のサブスクリプションサービスも展開している。サブスクリプションでは、プレミアムコンテンツ、広告なしのコンテンツ、新しい番組の先行公開などのサービスを提供している。
また、「Apple Podcasts Spotlight」というpodcastクリエイターを表彰・紹介するプログラムも毎月開催している。
google podcastとは
google podcastとは、Googleが提供しているpodcast用のサービスである。アプリまたはインターネットブラウザで利用可能。ブラウザでも利用できるため、OSやデバイスは問わない。アプリはもともとアンドロイド向けに公開されていたが、2020年にはios用アプリのバージョン1.0がリリースされた。
Googleアシスタント、AirPlayに対応しており、GoogleHomeやHomePodなどでも利用可能。
定期購読というサービスがあるが、有料というわけではない。定期購読登録した番組の新しいエピソードが出たときに通知がくるというサービスである。
Mac Podcastとは
Mac Podcastとは、Macでpodcastを利用することである。iosに対応しているアプリであれば利用可能。また、ブラウザ上で利用できるpodcastサービスも利用ができる。
Apple Podcastであれば、キーボードショートカットを使って利用することも可能である。
itunes podcastとは
itunes podcastとは、Apple社の音楽プレーヤーソフトであるiTunesからpodcastを利用することである。Macだけではなく、WindowsPCでも利用ができる。
iTunesはiPhoneとパソコンを繋げるソフトだが、iPhoneの機能が上がるにつれてiTunesの利用は減っていった。しかし、ダウンロードしたpodcastの管理などがしやすいという点もあり、iTunesを利用し続けている人もいる。
もともとpodcastは、iTunesを通してiPodでラジオ感覚で聞けるようになったことが世間に広まった理由である。そのためpodcastとiTunesの関係は長い。
ポッドキャスト【podcast】
読み方:ぽっどきゃすと
ポッドキャスト
ポッドキャストとは、RSSなどのフィード技術を利用してWeb上で音声ファイルや動画ファイルなどを公開・配信する仕組みのことである。
ポッドキャストの名称は、Appleの携帯音楽プレーヤー「iPod」と、「放送」を意味する「broadcast」の語に由来する。ポッドキャストでファイルを配信することを「ポッドキャスティング」(podcasting)という場合もある。また、動画ファイルのポッドキャストによる配信を特に「ビデオポッドキャスティング」と呼ぶ場合もある。
ポッドキャストは、一般的には「アグリゲータ」と呼ばれる対応アプリケーションを利用して受信される。アグリゲータは、ブラウザやRSSリーダーがブログの更新情報を取得するのと同様に、音声・動画コンテンツの更新情報を自動的に問合せ、更新されたファイルがあった場合にダウンロードする。これによって、配信元のWebサイトを一々訪れて更新の有無を確認することなく、新しいコンテンツを取得することができる。
ポッドキャスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/20 21:09 UTC 版)
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ポッドキャスト(英語: podcast)とは、インターネットを通じて音声データを配信するソーシャルメディアのことである。
オーディオやビデオのウェブログとして位置付けられるインターネットラジオの一種である。
概要
Webサーバ上にマルチメディア・データファイル(音声データ・動画データなど)をアップロードし、RSSを通してWWW上に公開することである。内容は個人ブログ同様のものやテーマに基づく対談など、多様である。
「ポッドキャスト」はAppleのポータブルマルチメディアプレーヤー「iPod(アイポッド)」と、"放送"を意味する「broadcast(ブロードキャスト)」を組み合わせた造語である[1]。元来は「iPodシリーズなどの携帯プレイヤーに音声データファイルを保存して聴く事が可能な放送(配信)番組」の意味で名付けられた。出自こそアップルと無関係であったが、のちに半自動でポッドキャスト番組をダウンロードしてiPodシリーズへ転送する機能がiTunesに組み込まれた。
配信に利用されている音声データファイルのほとんどは標準的なMP3形式のオーディオファイルであり、iPodシリーズに限らずMP3オーディオファイルを保存して再生可能な全てのデジタルオーディオプレーヤーで聴取可能である。現在はMPEG-4やH.264形式の動画配信も含めて、Podcastと呼ぶ。
一般的にポッドキャスト (Podcast) はこの仕組み自体を指し、Podcasting(ポッドキャスティング)はこれを利用する配信を指す。Podcaster(ポッドキャスター)は、ポッドキャストを放送(配信)している人物を指す。
広義のポッドキャストでは、公開するマルチメディアファイルの種類は問わず、ポッドキャストのダウンロード専用ソフトウェア(アグリゲータ)を利用して、RSSから指定のファイルを得られる仕組みそのものを指す。だが一般的には、ポッドキャストと言った場合には音声データファイル(MP3など)の公開を意味するのが普通である。現在では音声データファイルだけではなく動画データファイルの配信も広く行われているほか、電子書籍(EPUB形式など)の配信にも対応している。動画の場合はビデオポッドキャストやビデオキャスティング、もしくはVlogなどと呼ばれる。
配信する音声データファイルがAACの場合、ファイルにチャプターマーカー(チャプター毎に画像やURLリンクを埋め込むことも可能)を付加することができる。これを拡張ポッドキャスト (Enhanced Podcast) と称するが、これに対応した再生環境はiPod+iTunesなどに留まっている。拡張ポッドキャストを編集できるソフトにGarageBand、Sound it!などがある。
歴史

ポッドキャストは、アメリカのソフトウェア・エンジニアのケヴィン・マークス (Kevin Marks) と、アメリカのMTVの元VJでIT起業家として知られるアダム・カリーによる iPodder ソフトウェア(後のJuice)の開発や、米科学者でスクリプト言語開発に多く関わった経歴を持つデイブ・ウィナーによるマルチメディアファイルをRSS内に関連付けすることを可能にするRSSエンクロージャーの開発を発端にしている。アダム・カリーはそのエンクロージャー要素をいち早く導入したブロガーの一人である。
ウィナーは、アメリカのラジオ放送NPRのDJであるクリストファー・リドンのブログに彼のインタビュー放送(2004年アメリカ大統領選挙の報道等)を録音したオーディオファイルを添付する技術について協力し、それに触発される形でカリーのiPodderにも必要な技術が盛り込まれるものとなった。

日本では、2005年2月からブログ・ポータルサイトのSeesaa BLOGやケロログが相次いでポッドキャスト配信サービスを一般ユーザに提供を始める。2005年6月末にApple ComputerのiTunesがポッドキャスト・アグリゲータ機能を提供し、次いでニフティがポッドキャストRSSを任意のウェブログに追加することを可能にする「Podfeed」サービスの提供を始めた。これらのサービスが提供されたことを契機として、日本のポッドキャストリスナー、ポッドキャスター双方の人口が急速に増加した。
方法
聴き方
一つは音声ファイルを配信しているウェブサイトをウェブブラウザ等で訪れ、ポッドキャスト・ファイルのリンクURLからウェブブラウザなどを使用してファイルをダウンロードし、マルチメディア・プレーヤー等に読み込ませて聴く方法である。その場でポッドキャストを簡単に聴きたい時などに適する。
一つはポッドキャスト・ファイルをダウンロードするために作られたアプリケーションソフトウェアを使用する方法である。これは一般的にアグリゲータ (Aggregator)と称する。アグリゲータはポッドキャスト用RSSへリンクするアドレスを登録し保持することで、登録されたRSSの最新の情報を入手し、RSSに関連付けされているポッドキャスト・ファイルを一括または選択してダウンロードすることを可能にする。RSSを発行しているポッドキャスターがデータを更新すれば、自分でポッドキャスターのサイトを訪れなくとも即座に最新の音声ファイルを入手できるため、複数のポッドキャスト番組を定期的にダウンロードする聴取方法に適する。ポッドキャスティングの最大の特長を活かした一般的な方法である。
アグリゲータで登録できるRSSは、前述の通りRSS 2.0のフォーマットで、エンクロージャー要素によって音声ファイルへのURLアドレスが記述されている必要がある。
ポッドキャスト用アグリゲータの主な目的はRSSに関連付けされているポッドキャスト・ファイルのダウンロードだが、音楽再生機能を持ち、ダウンロードしたファイルを直接再生できるものも多い。ポッドキャスターが管理するウェブサイト上でMacromedia Flashを利用して直接聴けるポッドキャスト・Webサイトも既に多く存在している。携帯ゲーム機のPlayStation Portableでは、ポッドキャストのストリーミング再生、時刻設定して無線LAN経由で保存するタイマー保存に対応している。
配信方法
- 音声を録音し、音声ファイルに変換する。
- Webサーバにその音声データをアップロードする。
- その音声ファイルのURLがenclosure要素により関連付けされているRSSを作成・公開する。
- RSSはバージョン2.0の仕様に基づいて記述する
- enclosure要素はitem要素の階層内に置く
- length属性には音声ファイルのバイト単位の容量を記載する
通常RSSはウェブログの更新システムが設置しているCGIやPHPなどのWebサーバ上のアプリケーションで自動的に生成されるテキストファイルであるため、既存のウェブログ上でポッドキャスティングを行うためには、そのウェブログ更新システム自体をRSSにエンクロージャー要素を埋め込めるように改良するか、もしくはそのポッドキャスト用のRSSを任意で作成・公開する必要がある。日本は最初からエンクロージャー要素を付加できるポッドキャスティング対応型のウェブログサービスも存在するため、RSS編集は必ずしも全てのポッドキャスターに必要な作業とはならない。
脚注
出典
- ^ “Short shrift”. The Guardian (2006年1月12日). 2014年8月9日閲覧。
関連項目
- ポッドキャストのページへのリンク