アルドナリスとは? わかりやすく解説

アルド・ナリス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 00:20 UTC 版)

グイン・サーガ登場人物一覧」の記事における「アルド・ナリス」の解説

神聖パロ王国聖王にして、パロクリスタル大公。妻はリンダ・アルディア・ジェイナ異母弟パロ王子アル・ディーン(吟遊詩人マリウス)。父はパロ王子ヤヌス大祭司アルシス。母はアルシスの妻ラーナ大公妃黒髪黒い瞳痩身絶世美青年で、男女含めて最も美しい人物であるとまで讚えられた。その美は外見ばかりではなく彼のあらゆる立ち居振る舞い趣味にまで及んでおり、極めて洗練されたセンスによって「典雅裁決者」との異名を得るにも至ったキタラギターリュート似た弦楽器古代ギリシャ弦楽器キタラとは形状異なる)などの楽器、歌、舞踊名手としても知られ、また武器取ってレイピア達人でもあり、パロ文武両面頂点に立つクリスタル公爵地位に就く者として、正にふさわしい人物であった。 その能力魔道学問にも及んでいる。自らも初級魔道師資格を持つ彼は、魔道対す造詣深く、自ら直属魔道士部隊指揮して戦時平時情報収集などに大い活用していた。またあらゆる学問に対して深い興味抱き未知なるものに対する強い憧憬抱いていた。中でも、彼が唯一の〈マスター〉として操作許されていた古代機械対す関心極めて高く、カラヴィアのランヨナ・ハンゼと云った若い優秀な学者とともに、その研究熱心に取り組んでいた。 その端正にして優雅な姿や挙措、それに似付かわしい能力の高さから、パロ宮廷内や国内における人気極めて高かったが、その反面密かに周囲人々見下し侮蔑するようなところもあった。その侮蔑は、とりわけ彼を熱狂的に支持するような人々に対して向けられることが多かったまた、自分自身他者生に対す執着希薄で、それぞれの命を弄んで見せるような一面もあった。 彼の性格に、そのような昏い一面が加わることとなった理由は、彼の生い立ちにある。父アルシスは弟アル・リース(後のアルドロス三世リンダレムスの父)と王位激しく争い内乱の末に敗れたという経緯があったため、ナリス生まれた当時から謀反旗頭となりうるとして王から警戒され、地方都市マルガにてほぼ軟禁状態におかれたまま成長したという経緯があった。またその父母は、純血の掟に従った愛なき結婚であったがために、ナリスは父からも母からも愛されることはなかったのである異母弟アル・ディーン(後のマリウス)と、守り役である聖騎士ルナン長女リギアの2人だけを友として育ったナリスは、病弱押して努力重ねて知識教養、そしてレイピアの腕を身につけていく。そして、成人となった18歳誕生日見事な宮廷デビュー果たしパロ文武の長たるクリスタル公の大任に任ぜられる。だがその代償として、宮廷生活に馴染めなかった弟の出奔招きそのことナリス内面大きな影を落とすこととなる。 クリスタル公に任ぜられた当初一部から大きな反発招いたが、その才能カリスマ性宮廷内に次第確固たる地位築いていった。しかし、モンゴール軍によりパロ首都クリスタル急襲された黒竜戦役緒戦において重傷負い戦線からの離脱余儀なくされるモンゴール占領下パロでしばらく潜伏したのち、クリスタル潜入するナリス懸想するサラ密告により捕らえられモンゴール公女アムネリスとの政略結婚強制されることとなる。 だが、それを逆に好機捕らえた彼は、恋の達人としての手管弄してアムネリスを籠絡する。そしてアムネリスとの婚礼の際、彼を暗殺する動き利用して自らの死を装い、再び潜伏成功する。やがてパロ下町アムブラで起こった暴動利して反乱起こした彼は、パロ各地武将とも呼応してモンゴール軍を撃破しクリスタル解放成功する。続く第二次黒竜戦役で、アルゴス黒太子スカールらとの連合軍により、モンゴール滅亡させたナリスは、帰国後、従弟レムス聖王即位に伴い摂政宰相に任ぜられる。だが、パロ解放最大立役者として国民からの熱狂的な支持を受けるようになったナリス絶大な人気が、レムス悋気誘い、後に国内国王派宰相派とに二分されていく一因となっていく。 やがて従妹リンダ結婚したナリスは、しばし幸福な結婚生活を味わう。だが、その結婚によってもたらされ彼のさらなる人気が、彼の聖王即位求め動き呼び一部国王派暴走をも招くこととなる。ナリス拉致監禁の上暴行を受け、右脚切断、残る手足の自由をもほとんど失ってしまう。それをきっかけとして、ナリス宰相の座を辞し後任魔道師ヴァレリウス指名して故郷とも云うべきマルガにて妻リンダ隠遁生活を送ることとなる。 その彼に再び転機もたらしたのは、当時復活したモンゴール将軍であったイシュトヴァーンによる極秘訪問であった。彼との会談により心動かされナリスは、今や無二の側近ともなったヴァレリウスに、レムス対す反乱決意告げる。それは、彼の生い立ちによって宿命づけられていたと云っても過言ではない決意ではあったが、その決意に至るにはもうひとつ理由もあった。それは、聖王レムス背後に彼が見ていた、キタイによる侵略の影だった。 奇禍による重傷装い、その治療のためとして再びクリスタル戻ったナリスは、病身鞭打って密かに賛同者募り反乱への準備固めていく。だが、その動きはすべて、レムス側の知るところとなっていた。反乱起こそうとした矢先レムス側に機先を制されナリス側は常に後手に回ることとなり、非常な苦戦を強いられるクリスタルからの敗走途中全滅の危機こそスカール率い援軍によって免れたが、その直前全軍ナリスの死が伝えられる。 だが、それはヴァレリウス助け求めた大魔道師イェライシャ秘薬用いた佯死であった。その策略持ってレムス側との停戦にこぎ着けナリスは軍とともにマルガへと帰還することに成功する。しかし、その味方をも欺いた策略卑劣としてスカール怒りナリス袂を分かつこととなる。マルガ到着したナリスは、マルガ中心とした地域領域とする神聖パロ王国独立宣言し、その初代国王に即位する。 なおも内乱における苦戦続いたが、イシュトヴァーン率いゴーラ軍の参戦により、一旦は戦況好転したかに思えた。だが、そのイシュトヴァーンキタイ魔道竜王ヤンダル・ゾッグ魔の手が襲う。ヤンダル・ゾッグ催眠術かかったイシュトヴァーンは、自軍に対してマルガ攻撃指示圧倒的な兵力を誇るゴーラ軍にマルガ瞬く間陥落しナリスイシュトヴァーン捕虜となってしまう。 その後ヴァレリウスグイン活躍により、イシュトヴァーンの後催眠解かれゴーラ軍との間に改め同盟結ばれることとなる。が、その捕虜生活は、長引く戦いの中で悪化していたナリス病状をさらに悪化させることとなってしまった。もはや自らの命が旦夕に迫ったことを悟ったナリスは、グインとの会談切望する。その席でナリスは、グインに自らが知る古代機械秘密託し、その直後股肱の臣ヴァレリウスの腕の中で静かに息を引き取った

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