リンダ・アルディア・ジェイナ
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「グイン・サーガの登場人物一覧」の記事における「リンダ・アルディア・ジェイナ」の解説
パロ聖女王。夫はクリスタル大公・神聖パロ前国王アルド・ナリス。双児の弟にパロ前聖王レムス・アル・ジェヌス・アルドロス。父はパロ前々聖王アルドロス三世。母はアルドロス三世妃ターニア。 プラチナブロンドの髪、紫色の瞳の持ち主の、中原一とも云われる絶世の美女。幼少時は双児の弟レムスと瓜二つで、「パロの二粒の真珠」などと呼ばれた。少女時代は勝ち気な、少年のような性格の持ち主として知られたが、成長とともに勝ち気なところは影を潜め、誰もが認める淑女へと変貌した。 極めて優れた予言者で、その能力は、多くの魔道師や予言者を輩出したパロ聖王家にあっても特に強力なものであり、パロ建国王アルカンドロスの娘で伝説の予言者「リンダ処女姫」に匹敵すると云われる。リンダ自ら占いなどによる予知を行うこともあるが、その能力が最も発揮されるのは、彼女の意志とは無関係に訪れる予知の際である。そのような予知が彼女を訪れる場合、彼女はほとんど意識を失っており、意識を回復した後も、自分がどのような予言を行ったのか憶えていない場合が多い。その中には、たとえばレムスが即位した際に訪れた予知のように、彼女に意識があれば口にするのをはばかったであろう不吉な予言もあり、彼女に不運や不幸を招くきっかけとなることもある。 その美貌ゆえ、リンダの崇拝者となる男性は多い。レムスとともに飛ばされたノスフェラスからの帰途、グインとともに彼女達を守護した傭兵イシュトヴァーンもそのひとりである。リンダとイシュトヴァーンは恋に落ち、アルゴスで別れる際に、3年後までに王になって迎えに行くという約束を交わしたが、この恋はほどなくして破れ、実ることはなかった。 パロへ帰還した後に、このイシュトヴァーンとの恋が、リンダに哀しみをもたらすことになる。彼女を密かに自分好みの女性に育てようとしていたナリスは、その思惑など知らぬリンダがイシュトヴァーンへの恋心を無邪気に告白したことに腹を立て、以後、リンダに冷たくあたるようになる。そのナリスの行動は、リンダの崇拝者の1人であるアウレリアス伯爵の怒りを買い、ついにはナリスとアウレリアスの決闘へと発展してしまう。 自分を争って2人の男性が決闘にまで至ったこと、そしてその決闘でナリスが重傷を負ったことに衝撃を受けたリンダを予知が襲い、彼女は人事不省に陥る。だが、そこから目覚めた時、彼女は自らがナリスとの婚姻を宿命づけられていたことを知る。ナリスのもとを訪れてそのことを告げたリンダは、間もなくナリスと結婚することになる。その結婚生活は幸福ではあったが、実は夫と肉体的に結ばれることはなかった。それは、彼女が持つ予知能力は、処女性を失うと著しく減退すると云われていたため、ナリスがそれを避けようとしたことによる。 そして、新婚生活の幸福は長くは続かなかった。結婚から半年ほどした頃、国王レムス派と宰相ナリス派との対立が深刻化し、その煽りを受けてナリスが国王派に拉致監禁され、手足が不自由になるほどの重傷を負ってしまったのだ。それからというもの、彼女は、宰相職を退いてマルガで隠遁生活を送ることとなったナリスを介護する日々を送ることとなる。 その彼女を再び激震が襲ったのは、キタイの傀儡と化したレムスに対してナリスが起こした反乱だった。その反乱の動きをいち早く察したレムスによって身柄を拘束されたリンダは、ヤンダル・ゾッグの魔道によって夫の死を目撃させられ(実際にはナリスの計略による佯死であった)、その後、長らく意識不明状態に陥ることとなる。 その彼女を救ったのは、単身クリスタル・パレスに乗り込んできたグインであった。グインの不思議なパワーによって目覚めた彼女は、やはり彼女の崇拝者であるアドリアン子爵の手助けもあって脱出に成功する。 グインとともに急いで夫ナリスのもとへ向かったリンダだったが、そこに待っていたのは、夫との永遠の別れであった。病身を押しての反乱がナリスから最後の体力を奪ってしまったのだ。夫の死を受けて、リンダは神聖パロ王国の解散を宣言したものの、夫の遺志を継ぎ、パロをキタイの手から解放すべく戦い続けることを決意する。 グインの活躍によってキタイの手から解放されたクリスタルへ入ったリンダは、レムスを聖王位から退位させ、自ら聖女王として即位する。女王としての彼女の最初の仕事は、内乱で疲弊し、多くの人材も失われたパロの再建であった。そして、ケイロニアからの援助と、宰相ヴァレリウス、宰相代理ヨナの補助を受けつつ、パロ再建という難しい課題へ挑むこととなった。 その後、パロを訪れて記憶の一部を取り戻したグインがケイロニアに帰還し、次いでヨナがヤガへ旅立った後に、イシュトヴァーンが一千のゴーラ兵を率いてクリスタルへの入城を望んでいるとの知らせが入り、リンダはその対応に追われる。そしてクリスタルへ入城したイシュトヴァーンを歓迎する宴の最中にリンダはイシュトヴァーンに求婚されるが、リンダは極秘裏にナリスの弟王子アル・ディーンと婚約しているという嘘をついて求婚を断る。その後、マルガにあるナリスの墓標への参拝を望むイシュトヴァーンやヴァレリウスと共に、マルガへ向かうことになる。 そしてマルガでの参拝を終えて、クリスタル・パレスでのイシュトヴァーンとの宴の最中に、グインがサイロンでの黒死病の大流行を鎮めた後に愛妾を作り、しかもその愛妾がグインの子を身籠ったことをイシュトヴァーンから聞かされた時には、動揺を露わにした。
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