レムス・アル・ジェヌス・アルドロス
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「グイン・サーガの登場人物一覧」の記事における「レムス・アル・ジェヌス・アルドロス」の解説
パロの前聖王。レムス一世。妻はアグラーヤ王女アルミナ。長男はアモン。双児の姉にパロ現聖女王リンダ・アルディア・ジェイナ。父はパロ前々聖王アルドロス三世。母はアルドロス三世の妃ターニア。 プラチナブロンドの髪、紫色の瞳の持ち主の美少年であったが、成長につれて髪の色はより薄く、瞳の色はより濃くなり、痩せ細って狷介な印象が強くなってきた。幼少時は双児の姉リンダと瓜二つで、「パロの二粒の真珠」などと呼ばれたが、性格的には正反対で、勝ち気な姉の影に隠れてしまうような、内気な目立たない少年であった。そのため、リンダや従兄のアルド・ナリスに対し、強い劣等感を抱いていた。 その劣等感がレムスに、そしてパロに大きな災厄を招くきっかけとなる。黒竜戦役の際、リンダとともにリヤ大臣に操作された古代機械によって飛ばされた辺境の地・ルードの森からグインによって救い出された彼は、パロへ向けてノスフェラスを出発する際に、その劣等感につけこまれ、キタイの魔道師カル=モルの怨霊に憑依されることとなる。もっともその憑依は、ごく初期には彼にむしろ良い影響を与えたようにも見られ、以後、彼の内気な性格はしばらく影を潜め、冷静な知性と判断力を発揮して、アグラーヤ王ボルゴ・ヴァレンを感服させ、その娘アルミナとの婚約を求められるまでになる。 だが、それも長くは続かなかった。リンダとともにアルゴス入りしたレムスは、アルゴス軍を率いてパロ奪還の兵を起こすが、モンゴールに味方するカウロス公国軍との戦いに手間取り、パロ奪還に当たってさしたる功を挙げることなく、パロはナリスを中心とする人々の活躍により奪還されてしまう。そのことが、ナリスに対する劣等感をさらに強める結果となり、その直後に即位して聖王となったレムスと、摂政宰相として彼を補佐することとなったナリスとの間に、大きな亀裂を生んでいく原因となる。 その劣等感と、早く人々に認められたいという焦りからか、王としてのレムスの施政は苛烈なものとなる。それが却って人々の反感を招き、民の人気はますますナリスへと傾いていく。アルミナが婚約者としてそばにやってきてからは、その苛立ちも少し落ち着きを取り戻したように見えたが、ナリスとリンダの結婚によって、再び人々の人気がナリスとリンダに集中し始めると、彼は一層ナリスを疎んじはじめる。 やがて人々の間に起こったナリスの即位を求める声に、一部国王派が暴走し、ナリスを拉致監禁、拷問するという事件が起こる。実はその事件の背後には、レムスに憑依したカル=モルの亡霊を通じて彼を操るキタイの意図があった。間もなくその陰謀が明るみに出て、その首謀者であったカルファンことキタイ出身の学者カル・ファンが死亡すると、カル=モルの影はレムスから消滅し、彼は正気を取り戻したかに思えた。 ところが、キタイによるレムスの洗脳は終っていたわけではなかった。カル=モルを通じてではなく、自らレムスを操るようになった魔道竜王ヤンダル・ゾッグによって、次第に首都クリスタルは魔都へと変貌していく。それに気づいたナリスは、宰相ヴァレリウスとともに反乱を起こし、神聖パロ王国の設立を宣言する。それに対してレムスは、ヤンダル・ゾッグの魔道である「魔の胞子」によって洗脳された武将たちを率いて対抗し、ここにパロを二分する内乱が起こることとなる。 その頃、レムスとアルミナとの間に誕生した長男アモンは、実はヤンダル・ゾッグがレムスを通してアルミナの胎内に送り込んだ、強力な魔力を持つ精神生命体であった。ヤンダル・ゾッグとアモンとに操られたレムスには、もはや自我と呼べるものも乏しくなり、完全にキタイの傀儡となってしまう。 内乱は、キタイの竜騎兵、ヤンダル・ゾッグやアモンの強力な魔道により、レムス側優位に推移するが、やがて参戦したグイン率いるケイロニア軍の活躍によって形勢は逆転、クリスタルは陥落し、キタイ勢力はパロから撤退するに至る。 レムスはようやくキタイによる洗脳や憑依から解放されるが、神聖パロ側に捕らえられ、王位及び王位継承権を剥奪される。現在は王宮クリスタル・パレス内にて監禁生活を余儀なくされているが、彼の将来的な復位をほのめかすかのようなリンダの予言もあり、今後の彼の運命がどのようなものとなるかは、未だ予断を許さない状態である。
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