「黒」のメイン・キャラクター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 14:16 UTC 版)
「神曲奏界ポリフォニカの登場人物」の記事における「「黒」のメイン・キャラクター」の解説
マチヤ・マティア 声:浅井清己/茅原実里 「黒」のヒロインで、ルシャゼリウス市警精霊課警部。単身楽団を用いず、ブルースハープのみで神曲を奏でられる天才的な神曲楽士(だと思われていた)。無口で感情の起伏の少ない淡々とした振る舞いを普段はしているが、それは表面上のものであり、心を開いた相手の前では歳相応の少女らしさを覗かせる。しかし滅多に他人に心を開かないため、現時点ではマナガとシェリカだけにしかそうした素振りを見せない。子供の頃は将都セレンダで生活していたが、6歳の時に病気で父親を、11歳の時に交通事故で母親を失っている。 腰まで届く黒の長髪に大きな黒眼、服装も上から下まで黒一色と、普段は黒尽くめに統一されている。この格好は元々は母の葬儀で着用していた喪服から来ており、警官になってからもこのコーディネイトを続けている。ただし、非番の日や自宅内では黒以外の明るい色の服を着用することもある。トレードマークの黒のケープはマナガから、唯一他の色である赤いリボン・タイはシェリカからのプレゼント。 マナガとの出会いは精暦1001年の夏。「彷徨える魔獣」によって引き起こされた100人以上の死者を出した飛行機墜落事故の最中。母親の葬儀が終わった直後に喪服のまま叔母(かなり人格に問題のある人物だったと語られている)によってセレンダから連れ出され、トルバスへと向かっていた最中のことだった。偶々その場に居合わせたマナガがマティアを救出したことにより一命を取り留めたが、背中には事故で負った大きな傷跡が残っている。その半年後、12歳の時にマナガと精霊契約を結び、15歳になってすぐに楽士警官となった。かなりの努力家で、楽士資格は独学で習得し養成学校には通っていない。だがその代わりに、扱える楽器はブルースハープのみで単身楽団を含めた他の楽器は一切扱えず、マナガ以外の精霊と交歓することもできない。自身が単身楽団を持たず、相棒が単身楽団のケースを持ち歩いているため、初対面の人間には精霊と間違えられることもある。 彼女の正体は黒の聖獣「ラグ」の半身。大昔の出来事により2つに別れた半身の片方が、人間として転生し続けた存在だった。最近彼女に起こっていた身体の変調もここに端を発する。「アドヴェント・ブラック」で遂に覚醒し、その際に左目が黒く変化し、右側に2枚・左側に1枚の青白い燐光を纏う闇色の羽根が出た(目も羽根もマナガの対)。また覚醒したことで強力な精霊雷も放てた。さらに、彼女の奏でる音楽は実は神曲と呼べるような代物ではなく、マナガと魂が同一なために「彼にのみ」力を与えることができたということ。そのため他の全ての精霊に対しては唯の音楽でしかなく、一切神曲と成りえていない。という数々の事実が明らかとなった。 マナガリアスティノークル・ラグ・エデュライケリアス 声:大塚明夫/小杉十郎太 通称:マナガ。マティアの契約精霊で「黒」の主人公。ルシャゼリウス市警精霊課警部補。始祖精霊レティアコールの対となる黒の聖獣で、本来の姿であるベルスト形態は黒ヒョウ。外見は、身長2メートル半かつ筋肉質という見上げるような巨漢で、精霊には非常に珍しい無精髭を生やした中年男性というもの。さらに、神曲支援を受けた際には右目が黒く変化し、3枚羽根という通常では存在しえないボロボロの羽根を出す。中年男性の容姿は後に出会ったマティアの父親の記憶が影響しているが、それ以前の本来の姿(「白」の時点)はクールな性格の美青年で、その当時の羽根は黒塗りの陶器に金粉をまきちらしたような艶をもつ6枚羽根だった。過去にあった出来事による罪の意識を抱えているが、新帝空231便の墜落事故の際にマティアと出会ったことで心を救われており、それが縁で彼女に契約を申し込んだ。 大柄でゴツい容姿ながら、性格は穏やかで基本的に誰に対しても腰が低い。血や殺害現場といったものが大の苦手で、ティグレアが行う検死に立ち会うなどの際にはかなり苦労している。普段は一人称は「私」だが、神曲支援を受けて姿が変わると「俺」になる。知人以外は容疑者であっても「あなた」と呼ぶが、相手が犯人だと確信を持った際には、「あんた」とぞんざいな呼び方に変わる。「赤」のツゲ事務所の面々とも様々な事件を通じて面識があり、特にユフィンリーはマティアに次いでこの世で最も信頼している神曲楽士である。また、コーティカルテとも聖獣と始祖精霊としての旧い知り合い。第1期アニメにも第7楽章でマティアと共に登場(アニメ版(第1期)を原作と比較した際の時系列の詳細は不明であり、設定的におかしい部分も多いため、アニメ版は基本的に原作シリーズとは別物として扱われている)。 愛車は、クウォンタ・クルーガー4WDで、巨体のマナガでも乗れる大型車。マニエティカの夫の車を「メモワーズ・ブラック」の際に借りて気に入った。何度か破壊されているが、身体のサイズに合う車がほとんどないのでその都度買いなおしている。トレードマークの黒い革コートはマティアからのプレゼント。また、拳銃を収納している単身楽団のケースは、シャドアニのかつての契約者であるフアニータの遺品を譲り受けたものである。 大型拳銃を旧式の単身楽団のケースに入れて持ち歩いているため、初対面の人間には神曲楽士と間違えられることもある。また、精霊であるにも拘らず精霊雷を扱うのが苦手で、普通の精霊には難無くこなせることでも滅多に成功しない。シャドアニのように精霊弾を使うことはできないが、銃の腕前自体は人間の域を遥かに超越している。しかし、相手が精霊の場合ただの銃弾ではほとんど効果が無いので、4作目の「トライアングル・ブラック」以降は「アドヴェント・ブラック」で使うまで1度も使用していなかった。警察主催の射撃大会で優勝経験があり、その驚異的な射撃の腕前は警察内部では知れ渡っている。 旧い精霊である「マナガ」の正体は聖獣の半身と多数の死者の魂の融合体。彼の羽根が3枚なのは半分の存在であるため。かつて聖獣「ラグ」だった時代に起きた精霊島の墜落を、彼は運命と諦めず無謀にも阻止しようとして果たせず、その墜落により出た避けられなかった多数の犠牲を自分の責任ではないにもかかわらず「自分の罪」として背負ってしまう。さらに精霊島を受け止めようとして失敗した影響で彼の身体は2つに千切れてしまっており、その片割れが失った半身の代わりに犠牲になった人間達の魂を取り込んで形成されたものが後の「彷徨える魔獣」であった。魂を取り込んだ際にラグの自我は死者の絶望に飲み込まれて失われており、意識の無いままその後1000年暴走し続けた結果引き起こした多くの事故も、後にマナガの抱える「罪」となっていった。 しかし、精暦1001年の夏「彷徨える魔獣」が襲った新帝空231便に乗っていた半身(マティア)と邂逅したことで自我を取り戻し、マティアの記憶から彼女の父親の姿を借りて物質化。「マナガ」となって彼女を墜落する飛行機から救い出し新しい生活が始まった。マティアとの生活の中ある時を境に彼女の正体に気付くが、その事は彼女の死に繋がるため隠していた。しかし「アドヴェント・ブラック」にてついにマティアが覚醒してしまい、一度は聖獣「ラグ」に戻る。だがレティアコールの手引きにより現場に到着したシェリカの訴えを聞き、また100年ほど(人間の一生分)待たせることをレティアコールに詫びた後、マナガとマティアの二人に戻った。 サジ・シェリカ 声:伊藤麻喜/- 「レオン・ザ・ゴールド」シリーズでのヒロイン。マナガ以外でマティアが心を開く唯一の親友。金髪(ひまわり色と表現される)で、マティアと同い年。明朗快活な性格。現在はマティアたちと同じアパートに住み、神曲楽士を目指してトルバス神曲学院へと通っている。マナガのことは「マナガのおっちゃん」と呼んでいる。母親は既に亡くなっており、父親のサジ・デルウィッツと父娘二人の家族。名前の由来は精霊の古い言葉「スウェル・エイ・クーア」であり、「刺すほどに眩しい陽射し」を意味するという(名付けたのは父親)。後ろ髪は腰まで届くぐらい長かったが、「アドヴェント・ブラック」でジャミールによって肩付近で切断され、その事件後の「レオン・ザ・レザレクター4」ではショートカットになっている。愛用のスクーターはピオゼイア社のウェスカ・PX200Eだったが、これもジャミールに破壊されたため、以降は大型バイクに乗り換えている。「レオン・ザ・レザレクター 3」の事件報道でレオンのことを知り、彼に興味を抱くようになる。特別講師であるフォロンやコーティカルテとも面識がある(彼女は時々、コーティカルテのことを「コーティ」と呼んでいる)。 父デルウィッツはオミテック工業ミガナ研究所の研究主任だったが、罠に嵌り強盗傷害事件の犯人として逮捕・投獄されてしまう。その後、真犯人のヤグニ達から身を守るため、孤児院「希望の家」を脱走して2年も浮浪児として生活していた。その際にマナガとマティアに出会い、父の無実の罪を晴らすよう依頼した。 将来は楽士警官を目指しており、筆記テストの成績もかなり優秀なのだが、肝心の精霊を呼び出す実技が上手くいかずボウライを数匹呼べる程度。放課後はマレオミ楽器店でアルバイトをしている。1年の時からバイトしているが、基礎過程の学生はアルバイトを禁止されているため、その頃はマティアとマナガ以外には秘密にしていた。 事件捜査に関する知識などは持ち合わせていないが、頭の回転は非常に速く柔軟な視点から物事を見ることができる。そのため「リライアンス・ブラック」以降、マティア達に事件の解決を決定付ける非常に重要なことを気づかせている。「アドヴェント・ブラック」にて、マナガ&マティアとカリナ達アパートの全住人の正体を知ることになり、その時に「ラグ」に訴えかけて一度は一つに戻った二人を再びこの世界に引き戻した。
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