逮捕 英米法における逮捕

逮捕

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/06 16:34 UTC 版)

英米法における逮捕

英米法における逮捕は被疑者を裁判官に引致するための制度である[1]

令状逮捕と無令状逮捕

また、アメリカでも講学上または一般用語として「現行犯逮捕」が用いられることもあるが、一般にはarrest with warrant令状逮捕)とarrest without warrant無令状逮捕)という区別で議論されることのほうが多い[9]。そもそもアメリカの刑事手続では重罪(felony)とされる犯罪について広い範囲で無令状逮捕(arrest without warrant)が認められており、例えば強盗事件では相当の理由(probable cause)があれば事件から1週間を経過していても無令状で逮捕できる[9]

短い逮捕期間、事後審査重視

アメリカでも逮捕は令状主義が原則であるが、合衆国憲法では厳格な令状主義はとられておらず、連邦最高裁が重罪(felony)とされる犯罪については犯人であると信ずる「相当な理由」(Probable cause)があれば令状なく逮捕できるとしているため、実際には、原則と例外が逆転しており、逮捕(Arrest)のほとんどは無令状逮捕(arrest without warrant)であるとされる[9][10][11]。ただし、アメリカの刑事手続では逮捕後24時間以内(州によっては最大72時間以内)に捜査を終了させ身柄を裁判所に引き渡す必要がある[12]

アメリカの刑事手続では逮捕に関しては比較的緩やかな基準で許容される一方、逮捕後には直ちに裁判所が関与してその正当性が審査されるという制度がとられている[12]。裁判官による逮捕の相当性の審査は逮捕前の事前審査よりも逮捕後の事後審査のほうに重点を置いた制度となっている[9]


  1. ^ a b 平野龍一 1958, p. 99.
  2. ^ 河上和雄 & 渡辺咲子 2012, p. 190.
  3. ^ 検挙”. コトバンク. 2019年6月13日閲覧。
  4. ^ 警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。
  5. ^ 30万円(刑法暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、2万円)以下の罰金拘留又は科料に当たる罪に関する被疑事件。
  6. ^ 最高裁判所第一小法廷判決 1975年4月3日 、昭和48(あ)722、『傷害被告事件』。
  7. ^ a b c d パスカル・フォンテーヌ. “EUを知るための12章”. 早稲田大学. 2020年2月14日閲覧。
  8. ^ a b c 浦川 紘子. “EU「自由・安全・司法の地域」における刑事司法協力関連立法の制度的側面”. 立命館国際地域研究第38号. 2020年2月14日閲覧。
  9. ^ a b c d 日本弁護士連合会刑事弁護センター 1998, p. 16「アメリカの刑事手続概説」茅沼英幸執筆部分
  10. ^ 法務省. “諸外国の刑事司法制度(概要)”. 2016年9月17日閲覧。
  11. ^ 島伸一. “日本の刑事手続とアメリカ合衆国の重罪事件に関する刑事手続(軍事裁判を含む)の比較・対照及び日米地位協定17条5項(c)のいわゆる「公訴提起前の被疑者の身柄引渡し」をめぐる問題について”. 神奈川県. 2016年9月17日閲覧。[リンク切れ]
  12. ^ a b 日本弁護士連合会刑事弁護センター 1998, p. 17「アメリカの刑事手続概説」茅沼英幸執筆部分
  13. ^ a b c 村瀬信也 & 洪恵子 2014, p. 236「ICCの刑事手続の特質」高山佳奈子執筆部分
  14. ^ 村瀬信也 & 洪恵子 2014, p. 237「ICCの刑事手続の特質」高山佳奈子執筆部分
  15. ^ 在日米国大使館・領事館 ビザ免除プログラム有罪判決の有無にかかわらず逮捕歴のある方、犯罪歴(…)がある方…に該当する旅行者は、ビザを取得しなければなりません。ビザを持たずに入国しようとする場合は入国を拒否されることがあります。」


「逮捕」の続きの解説一覧



品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「逮捕」の関連用語

1
96% |||||

2
78% |||||

3
78% |||||

4
78% |||||

5
78% |||||

6
74% |||||


8
74% |||||

9
72% |||||


逮捕のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



逮捕のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの逮捕 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2020 Weblio RSS