逮捕から収監までの手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/20 03:17 UTC 版)
刑事事件の取り調べは、呼び出した場合にせよ、捕縛して連れて来たにせよ、その町の自身番屋で一通り聴取をした。廻り方の同心が、巡回中に逮捕した不審者は、一番近い場所にある自身番屋に連れて行って取り調べた。そこで、町内預りにするか、放免するか、牢屋へ送るかを決める。 牢屋敷に送ることを「送り」といい、送りと決まった嫌疑者は大番屋という、自身番屋の中でも留置場の設備のある、大きな番屋へと連行された。この場合、廻り方同心付きの小者が縄をとり、町役人付き添いで送られた。 小泥棒であっても、大勢の者と係り合いがありそうな場合も、多人数を取り調べることができる大番屋送りとされた。 伝馬町の牢屋敷に収監するためには、入牢証文が必要であった。証文を発行してもらうため、廻り方は容疑者を大番屋へ預けておき、たとえ夜であっても、町奉行所に戻り、必要書類を用部屋手付同心に提出する。 この書類は吟味方に回され、それを吟味方が確認した上で御用部屋で書かれた入牢証文を当番方へ渡す。その書類が牢屋奉行の石出帯刀に提出された。 入牢証文が無ければ牢屋敷の方では決して受け付けず、一連の手続きにはどうしても1日はかかるため、その間は留置する設備のある大番屋に容疑者を置く必要があった。
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