cry
「cry」の意味
「cry」は、涙を流して悲しんだり、痛みや驚きを感じたりするときに発する声や叫び声を指す。また、泣く行為自体を意味することもある。さらに、動物が鳴くことや、人々が大声で要求や抗議を行うことも「cry」と表現されることがある。「cry」の発音・読み方
「cry」の発音は、/kraɪ/であり、IPAのカタカナ読みでは「クライ」となる。日本人が発音するカタカナ英語では「クライ」と読む。「cry」の定義を英語で解説
The word "cry" refers to the act of shedding tears or the sound made when someone is sad, in pain, or surprised. It can also refer to the act of weeping itself. Additionally, it can be used to describe the sound made by animals or the act of people loudly demanding or protesting something.「cry」の類語
「cry」の類語には、weep, sob, wail, bawl, howlなどがある。これらの単語は、泣くことや悲しみを表す声を意味するが、それぞれ泣き方や声の強さなどに違いがある。「cry」に関連する用語・表現
「cry」に関連する用語や表現には、cry out, cry for help, battle cry, cry wolf, cry over spilled milkなどがある。これらの表現は、それぞれ異なる状況や意味で「cry」が使われている。「cry」の例文
1. She cried when she heard the sad news.(彼女は悲しい知らせを聞いて泣いた。)2. The baby's cry woke me up in the middle of the night.(赤ちゃんの泣き声で夜中に目が覚めた。)
3. The protesters cried out for justice.(抗議者たちは正義を求めて叫んだ。)
4. The dog's cry alerted the neighbors.(犬の鳴き声が近所の人たちに気づかせた。)
5. She couldn't help but cry at the end of the movie.(彼女は映画の終わりに泣かずにいられなかった。)
6. He cried tears of joy when he saw his family again.(彼は家族に再会して喜びの涙を流した。)
7. The crowd cried out in surprise when the fireworks began.(花火が始まると、群衆は驚きの声を上げた。)
8. The mother cried for help when she saw her child in danger.(母親は子供が危険な状況にあるのを見て助けを求めた。)
9. The wolf's cry echoed through the forest.(オオカミの鳴き声が森に響いた。)
10. He cried out in pain when he stubbed his toe.(彼はつま先をぶつけて痛みで叫んだ。)
クリプトクロム
(cry から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/08 04:28 UTC 版)

クリプトクロム(Cryptochrome、 Cry)は青色光受容体タンパク質である。
ギリシャ語で「隠れた色素」(κρυπτοσ χρομοσ) という意味であり、元来は植物にあると想定された青色光受容体を指した。現在では特定の一群のタンパク質の名称であり、植物にはもう一種の青色光受容体であるフォトトロピンも見つかっている。クリプトクロムは緑藻から高等植物までにあり、さらに動物などにもよく似たタンパク質があることが明らかになっている。
クリプトクロムはフラビンタンパク質で、植物では光に基づく花芽形成、伸長、概日リズムなどの調節に関与している。青色光は光屈性にも関わっているが、これはクリプトクロムでなくフォトトロピンによることがわかっている。植物にはこのほかに赤色・近赤外光受容体フィトクロムがある。多くの植物ではクリプトクロムには2種類あり、CRY1およびCRY2と呼ばれている[1]。
クリプトクロムは、光をエネルギー源としてDNA修復を行う細菌の酵素であるフォトリアーゼに構造が似ており(酵素活性は失っている)、進化的にはこれに由来すると考えられている。色素団としてプテリンとフラビンの2つを含んでいる。プテリンが光子を吸収し、これにより電子が放出され、この電子はフラビンに吸収される。これによりクリプトクロム分子はリン酸化を受け、さらにシグナル伝達の引き金を引くものと考えられているが、詳細は不明である。
クリプトクロムは動物(脊椎動物、昆虫、サンゴなど)やシアノバクテリア(藍藻)にも見つかっているが、これらは植物のものとは別系統とされる(Zhu,etal。2005 CurrBiol)。
動物では概日リズムに働く2タイプのCryがある。ほ乳類のCryは光受容能力はなく、CLOCK/BMALの抑制に働く。キイロショウジョウバエのCRYは青い光を受容して概日リズムをリセットするが、抑制能力はない。ただし蝶、 ミツバチ、 ハマダラカなど他の昆虫ではほ乳類型とショウジョウバエ型の両方のCryを持っている[2]。
発見
1880年代にチャールズ・ダーウィンが植物の青色光に対する反応を初めて記録したが、原因となる色素を特定する研究が始まったのは1980年代になってからである[3]。 1980年、研究者たちは植物シロイヌナズナのHY4遺伝子が植物の青色光感受性に必要であることを発見し、1993年にその遺伝子の塩基配列が決定されると、青色光によって活性化されるDNA修復タンパク質であるフォトリアーゼと高い配列相同性を示すことがわかった。 1995年には、HY4遺伝子とその2つのヒトホモログの産物はフォトリアーゼ活性を示さず、代わりに概日光色素と推定される新しいクラスの青色光光受容体であることが明らかになった[4]。 1996年と1998年には、Cryホモログがそれぞれショウジョウバエとマウスで同定された[5][6]。
進化の歴史と構造
クリプトクロム (CRY1、 CRY2) は、進化的に古く、高度に保存されたタンパク質であり、生命のあらゆる王国に存在するフラボタンパク質スーパーファミリーに属している[7]。 このスーパーファミリーのメンバーはすべて、N末端にフォトリアーゼホモロジー (PHR) ドメインを持つという特徴を持っている。PHRドメインは、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)補因子や光捕集性発色団と結合できる。クリプトクロムは、光によって活性化され、紫外線によって誘発されたDNA損傷の修復に関与する細菌の酵素であるフォトリアーゼに由来し、近縁の存在である。真核生物では、クリプトクロムはもはやこの元々の酵素活性を保持していない[7]。クリプトクロムの構造はフォトリアーゼと非常によく似た折り畳み方をしており、1分子のFADがタンパク質に非共有結合している[7]。ラマチャンドランプロットによると、CRY1タンパク質の二次構造は主に右巻きのαヘリックスであり、立体的な重なりはほとんどない[7]。分子は直交する束のように配置されている[7]。
機能
光屈性
植物では、クリプトクロムは青色光に反応して、光源に向かって成長する光屈性を媒介する。この反応には、フォトトロピンという独自の光受容体が存在することが知られている。フィトクロームやフォトトロピンとは異なり、クリプトクロムはキナーゼではない。フラビンクロモフォアは、光によって還元されて細胞核に運ばれ、細胞核で膨圧に影響を与え、茎の伸長を引き起こす。具体的に、Cry2は青色光による子葉や葉の伸長に関与している。遺伝子組み換え植物でCry2を過剰発現させると、青光刺激による子葉の膨張が増大し、数枚の原葉に花がつくよりも、多くの広葉樹の葉に花がつかなくなる[8]。シロイヌナズナのEarly Flowering 3(elf3)遺伝子とCry2遺伝子の二重機能喪失変異は、連続光下では開花を遅らせ、長日時・短日時には開花を早めることが示されており、シロイヌナズナのCRY2が連続光下での開花時期を早める役割を果たしている可能性が示唆されている[9]。
光形態形成
クリプトクロム受容体は、植物が光形態形成によって青色光に反応する原因となる。種子や苗の発育を制御し、植物体から花の咲く時期への切り替えを行う。シロイヌナズナでは、クリプトクロムが最適ではない青色光条件下での植物の成長を制御することが明らかになっている[10]。
光の取り込み
ショウジョウバエやシロイヌナズナにおけるクリプトクロムの光受容と光伝達については、多くの研究がなされているにもかかわらず、まだ十分に理解されていない。クリプトクロムには、プテリン(5、10-メテニルテトラヒドロ葉酸(MTHF)の形)とフラビン(FADの形)という2つの発色団があることが知られている[11]。どちらも光を吸収する可能性があり、シロイヌナズナでは、プテリンは380 nm、フラビンは450 nmの波長で吸収するようである。過去の研究では、プテリンが捕らえたエネルギーがフラビンに伝達されるというモデルが支持されている[12]。この光伝達モデルでは、FADがFADHに還元され、クリプトクロムの特定のドメインのリン酸化を仲介すると考えられる。これがシグナル伝達の連鎖を引き起こし、細胞核での遺伝子制御に影響を与える可能性がある。
新しい仮説[13]では、植物のクリプトクロムでは、光信号をパートナー分子が感知できるような化学信号に変換する際に、FAD補因子や隣接するアスパラギン酸など、タンパク質内の光によって誘発される負電荷が引き金になるのではないかと提案している[14][15]。 この負電荷は、タンパク質に結合したATP分子を静電的に反発させ、その結果、光子吸収前にATP結合ポケットを覆っているタンパク質C末端ドメインも反発させる。その結果、タンパク質のコンフォメーションが変化し、C末端の以前はアクセスできなかったリン酸化部位がリン酸化され、リン酸化されたセグメントが光形態形成の負の制御因子COP1の同じ結合部位と競合することで、転写因子HY5を解放することができる。
ショウジョウバエにおいて
ショウジョウバエ (Drosophila) では、クリプトクロムは一つのCry遺伝子(dCry)によってのみコードされ、青色光受容体として機能する。青色光への曝露は、C末端が欠失した常に活性型のCRY変異体(CRYΔ)と同様のコンフォメーション変化を誘導する[16]。このコンフォメーションの半減期は暗所では15分であり、CRYが他の時計遺伝子産物であるPERおよびTIMと光依存的に結合するのを促進する[17][16][18][19]。dCRYに結合されると、dTIMはユビキチン-プロテアソーム系による分解を受ける運命となる[16][19]。
短い光パルスでは同調しないものの、完全な光周期の明暗(LD)サイクルは、ショウジョウバエの脳内の腹側-外側ニューロン (ventral-lateral neurons) において依然としてサイクリングを駆動することができる。これらのデータと他の結果は、CRYがショウジョウバエの体内時計にとって細胞自律的な光受容体であり、ノンパラメトリック同調(短い離散的な光パルスによる同調)に役割を果たしている可能性があることを示唆している。しかし、外側ニューロンは青色光CRY経路とロドプシン経路の両方を介して光情報を受け取る。したがって、CRYは光知覚に関与し、概日時計への入力であるが、光情報の唯一の入力ではない。CRY経路が存在しない場合でも持続的なリズムが示されており、この場合はロドプシン経路が何らかの光入力を提供していると考えられている[20]。最近では、古典的な概日CRY-TIM相互作用とは独立した、CRY媒介性の光応答が存在することも示されている。このメカニズムは、カリウムチャネルコンダクタンスに依存するフラビンの酸化還元に基づくメカニズムを必要とすると考えられている。このCRY媒介性の光応答は、オプシンをノックアウトしたショウジョウバエにおいて、光応答から数秒以内に活動電位の発火を増加させることが示されている[21]。
クリプトクロムは、概日リズムに関与する多くの遺伝子と同様に、mRNAおよびタンパク質レベルで概日的なサイクリングを示す。ショウジョウバエでは、Cry mRNA濃度は明暗(LD)サイクル下で変動し、明期に高く暗期に低い[22]。このサイクリングは恒暗(DD)条件下でも持続するが、振幅は減少する[22]。Cry遺伝子の転写も同様の傾向で変動する[22]。しかし、CRYタンパク質レベルは、Cry転写およびmRNAレベルとは異なる様式で変動する。LDサイクル下では、CRYタンパク質は明期に低く暗期に高く、DDサイクル下では、CRYレベルは主観的な昼夜を通じて継続的に増加する[22]。したがって、CRYの発現は、転写レベルでは時計によって、翻訳および翻訳後レベルでは光によって調節される[22]。
Cryの過剰発現も概日的な光応答に影響を与える。ショウジョウバエでは、Cryの過剰発現はハエの低強度光に対する感受性を増加させる[22]。このCRYタンパク質レベルの光調節は、CRYが他の時計遺伝子や構成要素の上流で概日的な役割を果たしていることを示唆している[22]。
哺乳類において
哺乳類では、クリプトクロムタンパク質は二つの遺伝子、Cry1とCry2によってコードされている。
Cry2
クリプトクロムは、Period (PER)、CLOCK、およびBMAL1と共に、転写・翻訳フィードバックループ(TTFL)を生成する哺乳類の4つの時計遺伝子/タンパク質群の一つである[23]。このループでは、CLOCKタンパク質とBMAL1タンパク質は転写活性化因子であり、共にCry2およびPer遺伝子のプロモーターに結合し、それらの転写を活性化する[23]。その後、CRY2タンパク質とPERタンパク質は互いに結合し、核内に入り、CLOCK-BMAL1によって活性化された転写を抑制する[23]。したがって、CRY2の全体的な機能は、CLOCKおよびBMAL1の転写を抑制することである。
Cry1
Cry1遺伝子は、哺乳類の概日性光受容体であるCRY1タンパク質をコードする。マウスでは、Cry1の発現は、概日リズムの生成に関与する脳領域である視交叉上核において概日リズムを示し、mRNAレベルは明期中にピークに達し、暗期中に最小となる[24]。この日内発現変動は、恒暗条件下でも維持される[24]。
CRY1は哺乳類におけるTIMホモログとして確立されているが、哺乳類における光受容体としてのCRY1の役割については議論があった。初期の論文では、CRY1が光非依存的および光依存的な機能の両方を持つことが示唆されていた。Selby CPらによる2000年の研究では、ロドプシンを持たないがクリプトクロムを持つマウスが依然として光に応答するが、ロドプシンもクリプトクロムも持たないマウスでは、光感受性のメディエーターであるc-Fos転写が著しく低下することが発見された[25]。近年では、メラノプシンが主要な概日性光受容体であり、特にメラノプシン細胞が同調および眼と視交叉上核(SCN)間のコミュニケーションを媒介するというデータが支持されている[26]。CRYが哺乳類の光受容体であることを確認または否定する上での主な困難の一つは、この遺伝子をノックアウトすると動物がリズムを失うため、純粋な光受容体としての能力を測定することが困難であることである。しかし、いくつかの最近の研究では、ヒトCRY1が末梢組織において光応答を媒介する可能性があることが示唆されている[27]。
正常な哺乳類の概日リズムは、Cry1プロモーターの活性化に続くCry1発現の遅延に決定的に依存している。Per2プロモーター活性化とPer2 mRNAレベルのリズムはほぼ同じ位相を持つが、Cry1 mRNAの産生はCry1プロモーター活性化に対して約4時間遅延する[28]。この遅延はCRY1またはCRY2レベルとは独立しており、プロモーター内のE/E'ボックスとDボックス要素、および遺伝子の第一イントロン内のRevErbA/ROR結合要素(RRE)の組み合わせによって媒介される[29]。リズムを失ったCry1−/− Cry2−/−二重ノックアウト細胞にCry1プロモーターのみをトランスフェクションしても(Cry1の恒常的発現を引き起こす)、リズム性を回復させるには不十分である。これらの細胞において概日リズムを回復させるためには、プロモーターと第一イントロンの両方をトランスフェクションする必要がある[29]。
CRY1が、睡眠覚醒パターンが家族内でどのように遺伝するかに関与する可能性があるという証拠がある。CRY1Δ11という変異があり、これは個人の概日リズムを遅延させる[30]。CRY1Δ11は、遺伝子の自己抑制領域を欠失したスプライシングバリアントである[30]。これはCLOCKおよびBMALへの親和性を高めることによって遅延を引き起こし、結果として周期を延長させる[30]。この変異を持つ人々は、一般集団よりも睡眠中央時刻が遅くなり、睡眠相後退症候群として知られる障害を引き起こす[30]。
CRY1はまた、DNA修復、特に時間的調節における重要なモジュレーターでもある[31]。CRY1は細胞周期進行、特にG2/M期チェックポイントに影響を与え、CRY1の枯渇は、ミスマッチ修復、UV修復、ヌクレオチド除去修復ネットワークを含むDNA修復ネットワークに影響を及ぼす[31]。がんにおいては、CRY1はDNA損傷によって安定化され、その結果、CRY1の発現は前立腺がんにおける予後不良と関連している[31]。DNA修復におけるその役割と腫瘍形成促進性のため、さらなる研究はCRY1を治療標的として利用することができる。
CRY1のバリアントは、代謝出力に関してヒトに影響を与える可能性がある。2021年の研究によると、腸運動によって測定された代謝出力は、野生型の参加者と比較してCRY1Δ11バリアントを持つ参加者で著しく異なっていた[30]。バリアントを持つ参加者は、野生型と比較して睡眠サイクルと代謝出力の遅延が見られた[30]。
磁気受容

磁気受容は、生物が方向、高度、または位置を知覚するために磁場を検出することを可能にする感覚である。実験データは、鳥類の眼の光受容ニューロンにおけるクリプトクロムが、渡り中の磁気定位に関与することを示唆している[33]。クリプトクロムはまた、ショウジョウバエ (Drosophila) が磁場を感知する光依存的能力に不可欠であると考えられている[34]。かつては、シロイヌナズナ (Arabidopsis thaliana) 植物においても磁場がクリプトクロムに影響を与えると報告されていた。成長挙動は、青色光(赤色光ではない)の存在下で磁場の影響を受けるように見えた[35]。しかし、これらの結果は後に、別の研究室での厳密に制御された条件下では再現不可能であることが判明し[36]、植物クリプトクロムは磁場に応答しないことを示唆している。
クリプトクロムは、青色光に曝露されると、相関したスピンを持つラジカル対を形成する[37][38]。ラジカル対はまた、フラビン補因子の分子状酸素による光非依存的な暗所再酸化によっても生成され、スピン相関したフラビン-スーパーオキシドラジカル対を形成する[39]。磁気受容は、周囲の磁場がこれらのラジカルのスピン相関(平行または反平行)に影響を与えることによって機能すると仮説が立てられている。これは活性型クリプトクロムの寿命に影響を与える。クリプトクロムの活性化は、網膜ニューロンの光感受性に影響を与える可能性があり、全体として動物が磁場を感知できるようになる[40]。動物クリプトクロムおよび密接に関連する動物(6-4)フォトリアーゼは、クリプトクロム-フォトリアーゼスーパーファミリーの他のタンパク質よりも長い電子伝達トリプトファン鎖(三量体ではなく四量体)を含んでいる[41][42]。より長い鎖は、光誘起フラビン-トリプトファンラジカル対のより良い分離と、トリプトファン三量体を持つタンパク質よりも1000倍以上長い寿命をもたらす[41][42]。ナノ秒からマイクロ秒の時間スケールでのこれらのラジカル対のスピン選択的な再結合の欠如は、クリプトクロムによる磁気受容が順方向の光反応に基づいているという示唆とは矛盾するように思われる。
脚注
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外部リンク
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泣く
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泣く(なく、英: cry)とは、ある感情や目の物理的刺激への反応として涙を流す、または目に涙を浮かべることである。泣くことを促す感情としては、怒り・幸福・悲しみなどがある。泣くという作用は、「眼構造の刺激を伴わずに、涙器から涙が流れることを特徴とする複雑な分泌促進現象」と定義されてきた[1] [2]。関連する医学用語に流涙(りゅうるい)があり、感情によらず涙を流す反応を言う。
泣き方にはむせび泣きや号泣など様々な形がある。すすり泣き(sobbing)と言われる泣き方には通常、ゆっくりとした不規則な吸気、また時には息のしゃくり上げや筋肉の振戦などの他の仕草が伴う。
泣くことの機能
感情的に流れる涙の機能もしくは起源についての問題はいまだ解明されていない。被った痛みに対する反応であるなどの単純なものから、他人から利他的な行為を引き出すための非言語的コミュニケーションであるなどのより複雑なものまで様々な理論がある。ストレスを和らげるなどの生化学的な目的に資するものだと主張する者もいる[3]。泣くことは 、苦しみ・驚き・喜びなどの激しい感情的感覚のほとばしりに対する捌け口、またはその結果であると考えられている。この理論は、なぜ人が悲しい出来事だけでなく楽しい出来事があった場合にも泣くのかを説明しうる[4]。
人は泣くことの肯定的な面を記憶する傾向にあり、悲しい感情から解放されるなどの、同時に起こった前向きな出来事と結び付けている可能性がある。併せて、こうした記憶の特性は、泣くことが人に利するものであるという意見を補強する[5]。
ヒポクラテスの医学では、涙は四体液説に結びつけられ、泣くことは脳からの余分な体液の浄化作用と考えられていた[6]。ヨーロッパの中世医学では、人間の体液は全て血液に由来し、感情の中枢である心臓から、感情の高揚とともに目に上ってくるものであると考えられた。中世フランス語には「心から眼に水が上る(l'eve del cuer li est as elz montee)」という言い回しが多用されている[7]。一方、中国・明代の薬事書『本草綱目』においては、涙は肝臓の組織液であり、心の系が急して器官が揺れ動くことで液道が開かれ涙が出てくる旨が記されている。ここでは、涙が塩辛く、毒性を持つものと説明され、母親が子を抱えながら涙することは悪影響をもたらすと説明されている[8]。ウィリアム・ジェームズは、感情を理性的思考に先立つ反射として考え、泣くという生理的反応はストレスや刺激と同様に、恐怖や怒りなどの感情を知覚的に認識するための前提条件であるとした。
生物学的解釈
ミネソタ大学の生化学者ウィリアム・H・フレイ2世は、人が泣いた後に「すっきり」するのは、ストレスに関連するホルモン、特に副腎皮質刺激ホルモンを排出することによるものだと指摘した。泣いているときに粘膜の分泌が増加する現象と合わせると、泣くこととは、ストレスホルモンの水準が高まった際にこれを処理するための人間に発達したメカニズムである、という理論を導きうる[9]。しかし、涙が化学物質を排出する能力は限定的であり、この説も説得力に欠ける。スペイン眼科学会のフアン・ムルーベ会長は、涙腺を通過する血液の量は体の5リットルの血液と比較して小さいことを報告している。また、呼吸や汗などの他の軽度の体排泄方法とは異なり、涙はほとんどが身体に再吸収される[10]。
人間が感情的反応として涙を生成する唯一の動物であるかは議論がなされてきた[11][12]。チャールズ・ダーウィンは『人及び動物の表情について』の中で、インドゾウが悲しいときに涙をため込むさまについてロンドン動物園のインドゾウの飼育員から語られたことを記している。近年では、カルロ・V・ベリーニが泣く行為を分析し、ほとんどの動物は泣くことができるが、人間だけが心理的感情から涙を流している(weeping)と結論付けた。涙を流すことは、おそらくミラーニューロンネットワークを通じて共感を誘うとともに、頬を伝う涙のマッサージ効果によって誘発されるホルモンの放出、またはすすり泣きのリズムの解消を通じて情緒に影響を及ぼす行動である。
心理学的解釈
近年の泣くことに関する心理学的理論は、泣くことと無力感の認知経験との関連性に重きを置いている[13]。この見地に立つと、無力感という基本的経験から一般に人が泣く理由を説明することができる。例えば、人が予期せぬ朗報を受け取った時に泣くのは、表向きには、起こっている事態に対して無力である、影響を与えることができないと感じるためである。
感情性の涙は進化論の文脈にも位置付けられてきた。ある研究では、泣くことは、視覚をぼかすことで攻撃的・防御的な行動を不利益にし、譲歩・要求または愛着を示す確実な記号として機能しうるとする仮説を立てている[14]。テルアビブ大学の進化心理学者オーレン・ハッソンは、泣くことは攻撃者に対し脆弱性や服従を示し、傍観者からの同情や援助を求め、互いの愛着を示すものであると主張する[15]。
進化心理学に従う別の理論がポール・D・マクリーンによって提唱されている。彼は泣き声は初め、親と子の再会を助けるための「別れ泣き」として使われたと主張する。 彼の推論によれば、涙は、大脳の発達と火災の発見とが結びついた結果である。マクリーンの考えでは、初期の人類は火に大きく依存していたため、彼らの目は煙に反応してしばしば反射的に涙を作り出していた。人類の進化に伴って、煙がおそらく人生の喪失、すなわち悲しみと強く結びつくようになったのである[16]。
社会学的解釈
感情の社会的・文化的側面に注目する感情社会学では、まずある状況に対する初期的感情があり、それを「この場ではこう感じるべきである」という状況に照らして経験しなおす二次的感情が存在するとする。ホックシールドは、場にふさわしい感情の持ち方を「感情規則」、それに基づく感情の再経験を「感情管理」と呼んでこれを定式化した[17]。
例えば葬式で泣く場面においては、泣いてよい優先順位が故人との関係によって規範的に決定されている[18]。葬式で実際に泣くのは主としてごく近親者に限られており、近親者でない人間が泣いていればかえって訝しがられ、何らかの関係性が詮索されることになる。それは他者の死を悲しんで泣くという行為が、その人との濃密な経験の共有を必要とすることを意味する。しかし実際にはフィクションやノンフィクションにおいて、多くの人が涙を流している。ここでは泣くという行為を促す制度化された物語が、空間的時間的広がりをもって共有され消費されている[19]。
日本の卒業式において泣くという経験は、同級生集団の解体に伴って、個々人の経験を集合的記憶に包括させ、1つの共同体のメンバーとしての地位を確認する制度的・儀式的行為である[20]。こうした経験は明治30年代以降に進んだ、尋常小学校の卒業式の「劇場作品化」という日本の感情文化の形成に大きく関係している。すなわち学校教育が浸透していくなかで、式典に「感情的陶冶」の役割が求められるようになり、喜びや悲しみを共有する「感情の共同体」を作るための仕掛けとして卒業唱歌や卒業文集などが生み出されてきた。ここに至って、卒業式で流される・こらえられる涙は「感情の共同体」の象徴となったのである[21]。
卒業式に限らず、結婚式や追悼式などあらゆる儀式は、程度の差はあれ特定の感情と強く規範的に結びついている。ここでは参加者は感情をもっていないとしても、その規範的感情に従うか、少なくとも侵害しないことを求められる。そこでは落涙を促すための物語展開の組み立てを通じて共同化された涙が演出され、個々人がある属性(「卒業生」や「花嫁」「遺族」など)へのアイデンティティを引き受けることを期待されているのである[21]。
感情的な涙の区別

ポジティブなものとネガティブなものという相異なる2種類の泣き方を区別する試みは数多く行われてきた。経験される感情の検証と両タイプの対称性を把握するために、3つの次元に観点が分けられている[22]。
空間的観点からは、悲しみの涙は「そこ」に働きかけるものとして説明される。例えば家庭や死んだばかりの人のもとにいる場合である。対して楽しいときの泣き方は、「ここ」にいることを認知する行為である。この場合は例えば知人の結婚式のように、その人の立ち位置についての強い自覚に特徴づけられる[22]。
時間的観点は泣くことをやや異なる見方で説明する。この観点では、悲嘆にくれる泣き方は、後悔をもって過去を見る視点か、恐怖を伴った未来への視点に起因するものである。ここでは泣くことを、誰か・何かを失うことや、もっと長くその人・ものと時間を過ごすべきだったという後悔の結果として、あるいは来るべき出来事に対する緊張の結果として描き出している。喜びの結果としての涙は、あたかも永遠であるかのような瞬間に対する反応であり、人は幸福な、不滅の現在の中に固定されている[22]。
3つ目の次元は公私の視点と呼ばれるものである。この観点は2種類の泣き方を、私的に知られている自己自身の機微、あるいはその人の公的なアイデンティティを示唆する方法として描き出す。例えば喪失による涙は、内なる苦しみに対処するための助けを求める外界へのメッセージである。あるいはアルトゥル・ショーペンハウアーが提起したように、悲しんで泣くことは自己憐憫や自愛の一つの手段であり、自分自身を慰める方法である。喜びに泣くことは、これと対照的に、美・栄誉・善の見返りである[22]。
生理的反応

人が泣く環境はその人の経験によって異なるという多くの心理学者の考えに基づけば、泣くことの生物学的効果を観察することは非常に難しい。しかし、実験室内での泣くことに関する研究でも、心拍数の増加・発汗・呼吸数の低下などの身体的効果がいくつか明らかになっている。人が経験する効果の種類はかなりの程度個人差があるようだが、多くの場合、呼吸数の低下といった鎮静効果は負の効果よりも長く持続すると見られる。このことは、なぜ泣くことが役に立つこと・良いこととして記憶されるかの説明にもなりうる[23]。
涙の流れる仕組み

涙には基本的な涙、反射的な涙、感情の涙の3つの種類がある。 基本的な涙は毎分約1-2マイクロリットルの速度で生成され、眼の潤いを保ち、角膜の凹凸を滑らかにするために作られる。反射的な涙は、タマネギを切るときや目を突かれたときなど、目に刺激を与えた場合の反応として起こる涙である。 感情の涙は涙器系で生成され、感情の状態に従って涙が放出される[24]。
涙腺(鼻涙管)と脳の感情に関わる領域とはニューロンで結合されている。ユダヤ人に多くみられる遺伝性の神経疾患である家族性自律神経失調症は、特徴的な症状として感情的な涙が生成されないことが挙げられる[25]。
涙器系は、涙を生成する分泌系と、涙を排出する排泄系とで構成されている。涙腺は主として、感情的または反射的な涙を生成する役割を果たす。涙がつくられると、一部は瞬きの間に蒸発し、残りは涙点を通って排出される。 涙点を通って流出した涙液は、最終的には鼻から排出される。 涙点に入らなかった余分な涙液はまぶたの上に落ち、泣くことで涙として流れ落ちる[26]。
感情的要因から泣くときに分泌される涙は、他の種類の涙とは化学的組成を異にする。この涙には、プロラクチン・副腎皮質刺激ホルモン・ロイシン-エンケファリン[27]、さらにカリウムとマグネシウム成分[28]がはるかに多量に含まれている。
身体的反応
泣くことの最も一般的な副作用として、泣きを伴わない場合には咽喉頭異常感症として知られる、のどの腫れるような感覚がある[29]。咽喉頭異常感は多くの要因から起こりうるが、泣いている際に感じるものは、交感神経系のストレスに対する反応である。動物がある種の危機にさらされたとき、交感神経系が動物に戦うか逃げるかを可能にするプロセスを始動させる。消化などの不要な身体機能を停止し、必要な筋肉への血流と酸素量を増加させるなどである。人が悲しみなどの感情を経験したときも、交感神経系はこのような形で働く[30]。交感神経系によって高められる機能の1つに呼吸があり、空気の流れを増やすために声門が拡張される。この交感神経の反応が起こると、副交感神経系は、高ストレスの活動を抑制し消化器を動かすなどの回復プロセスを促進してただちにこの反応を止めようとする。消化には嚥下も関わっており、食物が喉頭に入るのを防ぐために完全に拡張した声門を閉じる必要がある。一方で声門は、人が泣いている間ずっと開こうとする。この声門の開閉をめぐるせめぎ合いが、喉が腫れるような感覚を作り出している[31]。
泣いているときの他の副作用としては一般に、唇の震えや鼻水、不安定で激しい声などが挙げられる。
頻度
泣く頻度とその1回あたりの長さについては、年齢・性別・文化による差がある。ドイツ眼科学会によれば、泣くことに関するさまざまな科学的研究をまとめた結果、平均的な女性は年に30-64回、平均的な男性は年に6-17回泣くことが分かった[32]。また、男性は2-4分間、女性は約6分間泣き続ける傾向にある。女性では65%の例ですすり泣きへの移行が起こるが、男性では6%しか起こらない。ただし思春期までは、性差はほとんど見られない[32][33]。
メキシコでの乳児を対象とする研究の場合、1日に泣く回数と平均の長さは生後第1週の35回・3.8分が最大で、その後は漸減する[34]。また、思春期の男女に関しては、年を追うごとに性差が大きくなり、その要因は女子における共感性の発達によるものと結論付けられている[35]。
ベヒトとヴィンガーホートによる2002年の研究は、泣く頻度に関する国ごとの差異を調査している。世界平均で男性が月に1回、女性が2.7回泣いているのに対し、例えばアメリカ合衆国では男性が1.9回、女性は3.5回泣いている。また、いずれの国でも女性のほうが泣く頻度が多かったが、オランダでは男女の間に2.5回もの性差があるのに対し、ネパールでは性差はわずか0.1回であった[36]。
2011年にオランダで行われた37か国での調査に基づく文化比較研究では、泣きやすさやその性差と、国民性・経済的条件・表現の自由などとの関連性が検証された。結果、経済的条件による苦痛よりも表現の自由と国民性に依拠していることが指摘された。泣く頻度の性差については、裕福かつ民主主義的・個人主義的な国において大きくなった[37]。
小児科学における泣き

声を上げて泣くこと(啼泣)は乳児の唯一のコミュニケーション手段である。ほとんどの啼泣は、空腹、不快感(濡れたおむつによるものなど)、恐怖や親からの分離に反応したものである。そのような啼泣は正常なもので、一般的には、授乳や飲食、げっぷ、おむつ交換、抱っこなど要求が満たされると止まる。生後3カ月を過ぎると、このような啼泣は頻度・時間ともに少なくなる。養育者が要求を満たしてもなお泣き続けたり、長時間にわたって泣き続ける場合を過度の啼泣といい[38]、医学的診断の対象となる。
泣き声
乳児は単一の声しか発していないわけではなく、その形態には3つの種類が認められる。1つ目は基本的な泣き方で、泣く・泣き止むのパターンを伴う規則的な泣き方である。ここではまず短めの間隔をあけて泣き始め、次に吸気によって短い高音の笛音を鳴らす。その後、短い休止を挟んで次の泣き方に移る。空腹がこの泣き方を起こす代表的な刺激である[39]。
怒り泣きは基本的な泣き方によく似ているが、さらに余分な空気が発声時に押し出されることで、大声で突発的な泣き声となる。この泣き方は、基本の泣き方と同じ時系列に特徴付けられるが、様々な位相成分の長さの違いによって区別される[39]。
3つ目の泣き方は痛み泣きで、他の2パターンとは異なり、前兆となる静かな泣き声を伴わない。痛み泣きでは大声で泣いた後にしばらく息が止まる。ほとんどの成人は、乳児の怒り泣きと痛み泣きを弁別することができる[39]。
親はたいてい自分の子供の泣き声と他の子供の泣き声の聞き分けにも長けている[40]。2009年の研究で、赤ん坊は両親の声の抑揚をまねていることが明らかになった[41]。
泣く要因
T・ベリー・ブラゼルトンは、過度の刺激が乳児の啼泣を導く要因であり、積極的に泣くことには、過度の刺激を排出し、赤ん坊の神経系が恒常性を回復するのを助けるという目的があると指摘した[42][43]。カルロ・ベリーニは赤ん坊の泣き声の特徴と痛みの程度に相関があることを発見したが、泣く要因とその声の特徴の間には何ら直接的関係は見いだせなかった[44]。
赤ん坊が明確な原因や潜在的な医学的問題がないにもかかわらず激しく泣くこともあり、特に夜や夕方に起こることが多い。これらは夜泣きや黄昏泣きと言われる。乳児の10~40%に見られ、罹患率は男女間で同等であり、授乳のタイプ・妊娠期間・社会経済的状態との相関はない[45]。3歳児以降では、夜への恐怖(夜驚症)が夜泣きの一般的な原因となる[38]。
シェイラ・キッチンガーは、母親の出産前のストレスレベルとその後の乳児が泣く量との間の相関、またバース・トラウマ(出産時心的外傷)と啼泣の間の相関性を見出した。産科の医療介入を経験した母親や出産中に無力感を感じさせられた母親は、他の赤ん坊よりも泣きがちな子を持つ傾向にあった。キッチンガーは、泣き声を止めるために次々と治療法を試すよりも、母親が赤ちゃんを抱き、泣くままに任せるよう勧めた[46]。別の研究でもキッチンガーの発見を支持する結果が出ている。出生時に合併症を経験した赤ん坊は、生後3ヶ月の時点で一息に泣く時間が長く、またより頻繁に夜泣きで起きることが分かった[47][48]。
アレサ・ソルターはこうした様々な知見に基づいて、乳児の啼泣についての一般的な感情解放理論を提案している。乳児が空腹や痛みなどの他の要因を排して明白な理由がなく泣いている場合、泣くことが有効なストレス解消メカニズムとなっている可能性がある、と彼女は示唆する。 彼女は、このような赤ん坊を落ち着ける手段として「腕の中で泣かせる」アプローチを推奨する[49][50][51]。赤ちゃんをなだめ、落ち着かせるもう一つの方法は、親しみがあり居心地の良い母親の子宮の環境を疑似することである。ロバート・ハミルトンは、親が赤ん坊を5秒で落ち着け、泣き止ませることのできる技術を開発した[52]。
病理的要因
病気によって過度の啼泣が起こることも5%未満の割合で見られる。啼泣を起こすそれほど深刻ではない原因としては、胃食道逆流症、手指やつま先への毛髪のからまり(毛髪による血流圧迫)、眼の表面の傷(角膜上皮剥離)、裂肛、中耳の感染症などがある。重篤な原因としては、腸閉塞、心不全、髄膜炎、頭蓋内出血を起こす頭部のけがなどが挙げられる。重い病気の場合にはもっぱら嘔吐や発熱など他の症状が伴うため、親はたいてい何か深刻な問題があることに気付くが、過度の啼泣が最初の徴候になることもある。以下のような症状は、啼泣の原因が病気であることを示すものである[38]。
- 呼吸困難
- 頭部や体の他の部位の皮下出血や腫れ
- 体の一部の異常な動きやピクピクしたひきつり
- 極度の易刺激性(いつもの世話や動きでも啼泣や苦痛を引き起こす)
- 持続的な啼泣、特に発熱を伴う場合
- 生後8週未満の乳児の発熱
泣くことと文化

宗教儀礼と泣くこと
多くの社会において泣くことはしばしば、人間的弱さ、情緒不安定、苦痛、ごまかし、死別などと結び付けて理解される傾向があり、したがって女性的なもの、ないしは子供っぽいものと理解されてきた[53]。こうした理解は、泣く人と泣かれる対象の間の権力関係に結びつくこともある。葬礼において多くの人々から泣かれることは名誉であるとされ、世界各地には儀礼において泣くことを専門とする職業も数多く記録がある。
韓国をはじめとする東アジアでは泣き女という職業が知られている。泣き女は、葬式でその人が亡くなったことを嘆く役として葬式の際に雇われる職業である。このように韓国では泣く文化が根強く定着しているとしばしば考えられているが、朝鮮の儒教社会において、男性の泣きや笑い、怒りといった感情の発露は慎むべきものとされていた。泣き女のような風習が商売として成立したのも、こうしたジェンダー的規範による代哭が行われていたからである。北朝鮮では、時間制で金正日氏がなくなったことを嘆く時間が設けられていたことも有名だ。
台湾総督府に勤めた鈴木清一郎は、台湾での葬送儀礼について記述している。台湾では、人の死前には決して泣かず、死後競って泣き出す慣習がある。泣く際には惜別の辞が添えられることが普通であり、この辞は泣喃(ハウラム)と呼ばれている。ここでは男性も泣くことを拒まれないが、女性が泣くものという印象が強い。これには以下のような伝説が知られている。周王朝の末期、斉の国王に仕えた范𣏌梁が魯に攻め入って戦死した際、斉国王が激怒して魯を攻撃すると、魯は謝罪して貢物とともにその亡骸を返した。范𣏌梁の遺体が妻・孟姜の元に届けられると孟姜は号哭してそれを迎え、国王や市中の者にも感動を与えて、以後人の死に際しては、号哭することが習慣となったのである。
中東のイスラム圏でも葬礼や結婚式、割礼式において泣き女の習俗が残っているが、これは古くイシス信仰に起源をさかのぼるとされる[54]。また、旧約聖書のエレミヤ書には以下のような記述がある。
万軍の主はこう言われる、「よく考えて、泣き女を呼べ。また人をつかわして巧みな女を招け。彼らに急いでこさせ、われわれのために泣き悲しませて、われわれの目に涙をこぼさせ、まぶたから水をあふれさせよ。シオンから悲しみの声が聞える。それは言う、『ああ、われわれは滅ぼされ、いたく、はずかしめられている。われわれはその地を去り、彼らがわれわれのすみかをこわしたからだ』」。――s:エレミヤ書(口語訳)#9:17
十二イマーム派(ムハンマド以後の12人のイマームを信奉するシーア派イスラム教徒)では、泣くことを殉教した指導者たちに対する重要な責務であるとみなしている。イマームの1人であるフサインを真に愛する者ならば、彼が味わった苦しみや迫害を感じることができる、彼の刻苦の大きさゆえに信徒は涙と悲しみに襲われると彼らは信じている。信ぜられるものの痛みはそのまま信ずるものの痛みであり、フサインのために泣くことは真に愛することの印ないし表現である。イマームたちはとりわけフサインのために泣くことを推奨し、この行為の報いについて語ってきた。
正教会とカトリック教会では、涙は真の悔悛のしるしであり、多くの場合望ましいこととみなされている。真の悔悛の涙は、悔い改める者の洗礼を想起させるという点で、神聖なもの、罪を赦すのに役立つものと考えられている[55][56]。
一方、葬礼において泣くことを良しとしない文化もある。例えば生と死を截然と区別するマダガスカルのヴェズの社会では、生者との愛着を断って祖霊の災厄を防ぐために、葬儀における親族の涙を断ち切る工夫が行われている[57]。
日本の泣き習俗
柳田国男は、「なく」ことは元来「鳴く」の字を当てるように声を上げる意味で用いられたものが、「泣く」などの字を当てるようになったことで涙と結びつくようになったとする。 また「かなしい」という言葉も本来は感動の最も切なる場合を表す言葉であって、悲哀の情と結びついたのは学問的影響であると述べる[58]。『古事記』や『日本書紀』では「なく」の語に「哭・啼・鳴・泣」などの字を当てていて、声に焦点を当てるか、涙に焦点を当てるかで用字は異なってくる[59]。平安朝の文学『伊勢物語』『紫式部日記』『讃岐典侍日記』などにおいては、「泣く」と「涙」に明確な使い分けがあり、声を立てて泣いた場面では「泣く」が用いられている。
国産み神話においてイザナギの涙から生まれたとするナキサワメ(泣沢女神・哭沢女神・啼沢女神)は、水神としての性格を持っている。日本書紀には、鳥たちが天稚彦の喪屋において葬送儀礼をおこなう場面で「哭者(なきめ)」が登場する。古代儀礼において死者を弔い哭く役(つまり泣き女)の女神としてナキサワメが存在した可能性もある[60]。1940年代に柳田の報告するところでは、葬礼における泣き女の風習は既に見聞しえないが、葬儀の日には誰でも泣くべきものという慣習は、つい最近まで存在したという[61]。
一方で柳田の言う、神や霊を送る際の演技的な泣き(ラメンテーション、英: lamentation)に関する祭りは、近代にも多く伝わっている。例えば神奈川県の馬入川流域では子どもたちによる「泣き祭」の記録があり、三月の節供の流し雛の際には悲しくなくても泣かねばならないという記録がある。菅江真澄は、津軽三厩における盆の十五日の魂迎えの儀式で子供たちが泣きあう様子や、奥州平泉の花立山で、藤原基衡の妻の命日である4月20日に行われていた「哭祭」について記録している[62]。

赤ん坊が泣きだすまでの早さを競ったり、泣く様子を見守る「泣き相撲」なる行事は、東京の浅草寺をはじめとして、長崎県平戸市の最教寺、栃木県鹿沼市の生子神社、熊本県上天草市の下桶川不動神社などに伝わっている。相撲という形を取らないまでも、この種の行事は宮参りの習俗の中に一般的にみられたものであった。ここでは氏神様に赤ん坊の存在を知らせるために神前でわざと泣かせるような行為が行われていた。すなわち、赤ん坊にとって「泣く」という行為が存在を主張する最大の手段と考えられていたと言える[63]。
泣くことにまつわる文化表象
悲しみの涙は、古今東西を通じてしばしば雨や海・川・湖の水などになぞらえられている。ヨーロッパでは古くは1世紀のオウディティウスの『変身物語』にその例を見ることができるし、『不思議の国のアリス』には「涙の池」と題する一章がある。日本では悲しみに暮れるさまは「枕も浮く」ばかりの涙、『吾妻鏡』の曽我十郎・五郎兄弟の敵討ちのエピソードにちなむ「虎が雨」という表現が、初夏の雨の別名として江戸時代に定着している[64]。
ヨーロッパ世界

キリスト教社会において泣くことは、悲しみの表現を超えて、イエスの受難への憐れみ、ひいては神への熱い献身の証であった。すなわちキリスト教は、涙を流す行為に魂の救済としての意味を持たせ、また悔恨の涙に浄化の機能をも持たせたのである。中世ヨーロッパ社会には悲恋の抒情詩が多くつづられているが、それは恋人の心を得られない悲しみの感情表現というよりも、いかに恋人を愛しているかの証としての意味を持っていた。恋の炎にあおられて涙を流し、涙を流せば流すほど愛がつのるという標語は、やがて蒸留器というエンブレムに結実した。愛は障害があればこそより一層強くなるという恋愛観はフランス文学の伝統である[65]。
中世~近世ヨーロッパでは、言葉の修辞に対応して、雲と雨粒、じょうろ、眼そのもの、さらに三色すみれ(今日のパンジーの原種[66])やオダマキなどの花々が恋や悲しみの表象として用いられていた。鳥では喜びをうたうナイチンゲールに対比して、悲しみの声はフクロウの鳴き声に象徴された。色で言えば、悲しみの表象は黒色または黄褐色であった[67]。
今日の涙の表象として最も一般的な涙滴文(るいてきもん)が現れたのも、同時代の文学史上においてである。『アーサー王物語』に登場する、「歓び知らず」の異名を持つ騎士・ブランの紋章として用いられたのが涙滴文の起源であり、中世末期になると、現実世界においても標章(ドゥヴィーズ)に涙滴文を用いる者が現れた。これは、アーサー王物語が貴族男子の作法書、すなわち騎士道の規範としての意味を持っていたからである。これがブルゴーニュ家やアンジュー家などで頻繁に催された宮廷の武芸試合において演じられることで、涙滴文は心情表現としての地位を獲得するに至った[68]。
涙滴文は中世末期における悲恋の抒情詩の流行とも呼応し、16世紀以降の文芸にさらなる展開を果たした。涙のレトリックで名高い詩人ペトラルカの抒情詩が近世に見直され、ペトラルキスムの風潮がヨーロッパに広がるにつれ、恋の涙は標章から紋章(エンブレム)へと表現の場を移し、上記のような複雑なモチーフの展開を遂げていった。
涙滴文はのちに死と結びつき、物故者への哀悼の表明として近代社会まで生き残った。例えば18世紀末の革命期に牢獄として用いられたパリのコンシェルジュリーと呼ばれる部屋には、ここで2ヶ月を過ごしたマリー・アントワネットの記念碑が置かれ、その背後には、黒い壁面に白く象られたしずくを見ることができる。パリでベルを鳴らしながら物故者の葬儀の予定を伝えた死亡通告人のユニフォームにも涙滴文が描かれていた[69]。
脚注
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「cry」の例文・使い方・用例・文例
- スギ (cryptomeria).
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