Notepadとは? わかりやすく解説

Notepad++

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/09 16:29 UTC 版)

Notepad++
v7の動作例
作者 ドン・ホ
初版 2003年11月24日 (21年前) (2003-11-24)
最新版 8.7.7[1]  - 2025年2月7日 (2日前) [±]
リポジトリ
プログラミング
言語
C++
対応OS Windows Vista 以降[2]
サポート状況 開発中
種別 テキストエディタ
ライセンス 7.9.2まで: GPLv2[3]
7.9.3以降: GPLv3[4]
公式サイト notepad-plus-plus.org
テンプレートを表示

Notepad++は、Microsoft Windowsで動作する自由ソフトウェアテキストエディタStack Overflowが毎年実施している人気調査によれば、2015年で1位[5]、2021年で3位[6]と上位に位置している。

歴史

Notepad++は、2003年9月に台湾人の侯今吾[7]によって開発された[8]。Donは、会社でJEXT(Javaベースのテキストエディタ)を使用していたが、そのパフォーマンスの低さへの不満から、Scintillaを用いてC++でテキストエディタの開発を始めた[8]。彼は、会社によってこの開発に関するアイディアが退けられたため、彼自身の個人的な時間を割いて開発を進めた[8]。Notepad++は、Microsoft Windows用のアプリケーションとして構築されている。開発者は、wxWidgetsを用いてmacOSUNIXプラットフォームへ移植することを検討したが、最終的にはこれは断念された[8]

Notepad++は、最初、Windows向けのみのアプリケーションとして2003年11月25日SourceForgeに公開された。Scintillaコンポーネントをベースにしており、C++を用いて書かれているが、パフォーマンスの向上とプログラムサイズの削減のため、STLのみをWin32 APIコールとして用いている[9]

2010年1月、米国政府は、アメリカを拠点に開発されているオープンソースプロジェクトについて、キューバイラン北朝鮮スーダンシリアからのアクセス禁止を義務付けた[10]。開発者は、これが自由ソフトウェア、オープンソース・ソフトウェアの思想にたいする侵害であると感じられたため、2010年7月、Notepad++は、米国の司法管轄権から退出した。ただし、フォーラムやバグトラッカーなどいくつかのコミュニティサービスは、2015年にNotepad++がSourceforgeから撤退するまでとどまり続けた[11][12][13]

2011年、Lifehackerは、Notepad++を"The Best Programming Text Editor for Windows"とした。これは「もし単純、軽量で拡張可能なプラグラミング向けのテキストエディタを好むなら、フリーでオープンソースなNotepad++がファーストチョイスとなる」というものである[14]。Lifehackerは、2014年には、読者による投票に基づいてNotepad++を"Most Popular Text Editor"に選出している[15]

2015年には、前述のようにNotepad++はSourceForgeを完全に撤退し、フォーラムはNodeBBに、バグトラッカーはGitHubに移転している[13][16]

7.9.2を持ってXPへのサポートを終了し、ライセンスもGPLv3に改められた[17]

詳細

Notepad++の開発目的は、自在にカスタマイズ可能なGUIを備えたスリムで効率的なバイナリを提供することである。本ソフトウェアはScintillaというコンポーネントをベースにしており、Win32 APIコールを用いてSTLを利用したC++で記述されている。 なお、Scintillaは複数行にわたる正規表現の検索と置換をサポートしていないが、Notepad++はこの問題を解決し得るプラグインを有している。

特徴

  • マクロプラグイン
    • 多くのテキスト変換のオプションを提供するTextFXと呼ばれるユーザが書いたプラグインがデフォルトで含まれている
  • 自動補完(言語とファイル)
  • ブックマーク
  • シンタックスハイライト(加えて、括弧とインデントのハイライト)
  • 正規表現による検索と置換
  • 画面分割(スクロールの同期も可能)
  • ズーム
  • スペルチェッカ(組み込まれているがAspellを要する)
  • Hex編集(標準インストールに含まれるプラグイン)
  • タブエディタ(多段表示にも対応)
  • FTPブラウザ(標準インストールに含まれるプラグイン)
  • 様々な文字コードのサポート
  • 自動アップデート

次に列挙されているように多数のコンピュータ言語向けのシンタックスハイライト(構文の強調表示や変数・関数の色分けや折り畳みなど)のサポートが本ソフトウェアの特徴である。更に、ユーザー言語定義システムを利用すれば、たとえばMediaWikiFortran 90CAPLといった、デフォルトで定義されていない言語のシンタックスハイライトをユーザーが自ら作成できる。

脚注

  1. ^ "Notepad++ v8.7.7 release"; 閲覧日: 2025年2月8日; 出版日: 2025年2月7日.
  2. ^ Supported OS Table”. GitHub. 2022年2月13日閲覧。
  3. ^ Upgrade Notepad++ License” (英語). GitHub. 2022年2月13日閲覧。
  4. ^ Notepad++ 7.9.3 release” (英語). notepad-plus-plus.org. 2022年2月13日閲覧。
  5. ^ “Stack Overflow Developer Survey 2015” (英語). Stack Overflow (Stack Exchange). (2015年12月31日). https://stackoverflow.com/research/developer-survey-2015#tech-editor 
  6. ^ “Stack Overflow Developer Survey 2021” (英語). Stack Overflow (Stack Exchange). https://insights.stackoverflow.com/survey/2021#section-most-popular-technologies-integrated-development-environment 2022年4月4日閲覧。 
  7. ^ https://www.taiwannews.com.tw/en/news/3808148
  8. ^ a b c d Orin, Andy (18 June 2015). “Behind The App: The Story Of Notepad++”. Lifehacker Australia. 2020年2月11日閲覧。
  9. ^ Gael, Arianna (24 June 2015). “Notepad++ Is Changing Code And Changing The World”. Filehippo. 2020年2月11日閲覧。
  10. ^ Clarifying SourceForge.net's denial of site access for certain persons in accordance with US law”. SourceForge.net. Slashdot Media (25 January 2010). 2020年2月11日閲覧。
  11. ^ Notepad++ hosted on new website”. Notepad++ (6 June 2010). 2020年2月11日閲覧。
  12. ^ Notepad++ 5.7 released on French servers”. Notepad++ (5 July 2010). 2020年2月11日閲覧。
  13. ^ a b Notepad++ leaves SourceForge”. notepad-plus-plus.org. 2020年2月11日閲覧。
  14. ^ Pash, Adam (6 July 2011). “The Best Programming Text Editor for Windows”. Lifehacker. 2020年2月11日閲覧。
  15. ^ Henry, Alan (24 April 2014). “Most Popular Text Editor: Notepad++”. Lifehacker. 2020年2月11日閲覧。
  16. ^ Notepad++ Community”. notepad-plus-plus.org. 2 June 2016閲覧。
  17. ^ https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1306508.html

外部リンク


メモ帳

(Notepad から転送)

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NotePad

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/22 15:59 UTC 版)

Finale (ソフトウェア)」の記事における「NotePad」の解説

記述できる最小音符休符)は32分音符止まり(※ただし、内部処理Finaleと同様、4096音符単位である。すなわち上位バージョン記述されたより細かい音符休符64分音符正しく表示認識して演奏可能である。以下、「記述できないというのはこのバージョンでは新たに付け加えた変更することができないという意味である)。 リアルタイム録音および高速ステップ入力できないステップ入力のみに限られる)。 曲の途中で転調記述できない装飾音符記述できない重嬰記号ダブルシャープ)、重変記号ダブルフラット)を記述できない。 曲の途中で拍子記号変更できない反復記号単純な反復限られ、n番括弧記述できない上位バージョンファイル読みこんだときには最初リピート区間限り反復され二つ目以降リピート記号無視される

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