LaTeXとは? わかりやすく解説

ラテック【LaTeX】

読み方:らてっく

ラテフ(LaTeX)


ラテックス【latex】

読み方:らてっくす

ゴムノキ樹皮に傷をつけるとにじみ出る乳白色粘性のある液体ゴム成分3550パーセント含み、これを凝固させて生ゴムとする。合成ゴムでも各種ゴム作る前のものをいう

「ラテックス」に似た言葉

ラテフ【LaTeX】


LaTeX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/05 14:45 UTC 版)

LaTeX
作者 レスリー・ランポート (2.09 まで)
開発元 The LaTeX Project (2ε から)
初版 1984年 (40年前) (1984)
最新版
LaTeX2ε
最新評価版
LaTeX3
リポジトリ
プログラミング
言語
TeXプリミティブ、expl3
対応OS クロスプラットフォーム
サポート状況 開発中
種別 組版処理、TeX マクロパッケージ
ライセンス LPPL英語版
公式サイト www.latex-project.org
テンプレートを表示

LaTeX(ラテフ、ラテックなど。詳細は後述)とは、レスリー・ランポートによって開発されたテキストベースの組版処理システムである。電子組版ソフトウェアTeXにマクロパッケージを組み込むことによって構築されており、単体のTeXに比べて、より手軽に組版を行うことができるようになっている。LaTeXと表記できない場合は「LaTeX」と表記する。

TeX の各派生エンジンに対しても LaTeX と同等なフォーマットが提供されていることがほとんどであり、多くの場合において LaTeX という名称はそれらも含めた総称として用いられている。

専門分野にもよるが、学術機関においては標準的な論文執筆ツールとして扱われている。

変換の様式。日本においてはdvipdfmではなくその拡張版のdvipdfmxを用いる場合が多い。

読み方

LaTeXの生みの親レスリー・ランポートは、LaTeXの発音について自著の中で、

LaTeXを使っていくうえでの難問の1つに、どう発音するかという問題がある。しかし、これについては、私は何もいわないことにする。名前というのは規則や命令によって決められるものではなく、使われているうちに自然に決まってくるものだからである。TeXはふつう“テック”と発音されているので、論理的に考えれば、LaTeXは“ラーテック”や“ラテック”、“レイテック”などが妥当といえる。しかし、言葉というものはつねに論理的であるとは限らないので、“レイテックス”と発音してもあながち間違いとはいえないだろう。

—レスリー・ランポート(『文書処理システム LaTeX 2ε』[1]より)

と述べている。日本語では「ラテフ」や「ラテック」などと呼ばれる[2]

成立の背景と開発者

LaTeX以前に、“TeX”という名の数式の処理に優れる組版ソフトウェアがあり、そのTeXを使ってもっと簡単に論文やレポートを作成したいという要望があった。LaTeXはその要望に応えて開発されたものであり、レスリー・ランポートがTeXの上にマクロパッケージを組み込むことで構築したものである。さらにLaTeXでは、TeXの煩雑な部分の修正も行っている(たとえば、累乗根分数の設定方法など)。またTeXやそれを基にしたLaTeXは主に米国での表記法を基に作られたもので、日本の初等教育中等教育での数式の書き方とは一部異なる[注 1][注 2]。例を挙げれば、日本の初等教育・中等教育では等号附き不等号として、「≦」と「≧」が、近似記号として「≒」が、相似記号として「」が用いられる。一方でTeXやLaTeXの標準では、等号附き不等号として「

拡張機能

LaTeXには多くのマクロパッケージが存在する。一例を挙げる。

脚注

注釈

  1. ^ 日本の初等教育・中等教育での数式表記は JIS Z 8201 を基準にしている。2006年1月20日に確認が行われている JIS Z 8201-1981 (JIS Z 8201:1981) と国際標準である ISO 31-11:1992 とでは、表記が一部異なっている。
  2. ^ 日本の初等教育・中等教育での数式用に記号の形を調整するマクロとして、初等数学プリント作成マクロ emath がある。
  3. ^ 他に、日本語の組版のために開発されたものとして NTT JTeX があり、これにも対応する NTT JLaTeX があるが、いずれも現在は更新等されていない。
  4. ^ pLaTeX がリリースされた当初はまだ LaTeX2ε は世に出ていなかったが、1995年に pLaTeX2ε がリリースされた。なお、「pLaTeX2ε」は株式会社アスキー登録商標であり、「ピーラテックツーイー」と読むのが正しいとされている。なお、LuaLaTeX は最初から LaTeX2ε に同等なものとして開発されている。
  5. ^ ソースコードを DVI などの文書ファイル形式に変換すること。
  6. ^ Microsoft Word でしか開くことができなかった旧型式のdocファイルなどとは異なり、処理系に依存しないとされるファイル形式。なお、新形式のdocx (Office Open XML Document) は処理系に依存せず開くことができる。
  7. ^ 処理系に依存しない標準規格。
  8. ^ 他のソースコードの記述を自動的に読み込む仕組み。
  9. ^ 例えば日本数学会電子情報通信学会

出典

参考文献

関連項目

外部リンク


ラテックス

(LaTeX から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/23 05:38 UTC 版)

ラテックスを取っているところ。ゴムの製造に使われる
ゴム林(ベトナムハノイ近郊)

ラテックス (: latex) は、水中に重合体の微粒子が安定に分散した系(乳濁液)であり、自然界に存在する乳状の樹液や、界面活性剤で乳化させたモノマーを重合することによって得られる液を指す。

さまざまな植物から得られる乳状の樹液は、空気に触れると凝固する。タンパク質アルカロイドタンニン樹脂天然ゴムを含む複雑なエマルジョンである。植物から分泌されるラテックスはほとんどの場合において白いが、黄、オレンジ、緋色の場合もある。

一般的にはゴムノキ類から採取した樹液の代名詞となっており、この樹液を加工して作られる伸縮性に富んだ薄い材料のことも指す。

由来

ラテックスを作り出す細胞または道管は乳液系 (: laticiferous system) を構成するが、これには2種類の異なる形式がある。多くの植物では、乳液系は茎または根の成長点に沿って列を成す細胞で構成されている。これらの細胞間の細胞壁が固着して一続きの管となったものが乳管と呼ばれる。この形式はケシ科ゴムノキ、タンポポ連(Cichorieae)の植物に見られる。タンポポ連はキク科に分類される植物群の一種で、組織中にラテックスを含むことによって識別される。タンポポレタス、ホークウィード、サルシファイ(セイヨウゴボウ)などがこの族に含まれる。

一方、トウワタ属(学名: Asclepias; いわゆるミルクウィード)やトウダイグサ科の乳液系はまったく異なる。乳細胞が種から生長する際に早期から分化し、植物体が育つにしたがって全体に広がっていく。成熟した植物体のすべての乳液系は、胚に存在する単独の、または数個集まった細胞から形成されたものである。乳液系は成体の根、導管、葉、まれに果実などあらゆる部分にわたって存在し、皮層に特によく見られる。

機能と利用

ラテックスは植物のさまざまな機能に関連付けられてきた。栄養を蓄えたものである、あるいは老廃物や排泄物であると考えられているうえ、損傷を受けた場合に固化することによって菌類微生物の侵入を防ぎ、組織を保護する機能を持つと考える者もいる。同様に、いくつかの植物では非常に苦い、時に有毒なラテックスを分泌することから、草食動物から身を守るためのものである可能性もあるとされる。ラテックスはそれを分泌する数多くの植物に関し、その程度は異なるながらもこれらの機能をすべて満たしている。

ラテックスは服飾や塗料など多くの用途を持つが、最も主要なのはゴムの製造であり、これは最初の利用法でもあった。チューイングガムの原料として広く用いられるチクルも、ラテックスから作られる。ラテックス塗料には、結合剤として可燃性や悪臭を持たず乾燥した塗面を与える合成ラテックスを使用する。また、ケシのラテックスはアヘンやその誘導体の原料になる。

ラテックスとアレルギー

ラテックスはアレルゲン(アレルギーの抗原)でもある。重いラテックスアレルギーをもつ人々もおり、ゴム手袋コンドームなどのラテックス製品に触れるとアナフィラキシーを起こす。ラテックスはバナナアボカドクリなどに含まれるものと同じタンパク質を持つため、これらの両方に対してアレルギー反応(ラテックス・フルーツ症候群)を示さないかどうかに注意する必要があるとされる。アメリカ合衆国およびメキシコ原産のキク科低木グアユールゴムノキ(学名: Parthenium argentatum)から得られるグアユーレのラテックスは低アレルギー誘発性であるため、パラゴムノキラテックスなどの代替品として研究されている(Foster & Coffelt (2005); Siler, Cornish & Hamilton (1996)[1]。また、二分脊椎症患者には幼少期から医療用具に触れる機会が多いなどの理由で、ラテックスアレルギーの患者が多い。

タンポポからの精製

第二次世界大戦中にナチスドイツタンポポから工業生産しようとしたが失敗した[2]21世紀ドイツでもタンポポからラテックスを工業生産する方法を模索している。この研究ではロシアタンポポ英語版に多く含まれており、そこからさまざまな技術を駆使して工業生産し、輸入に依存する状況を改善しようと試みている[3]

ラテックスが含まれる代表的な木材

脚注

  1. ^ Unger, Scott; Hottle, Troy; Hobbs, Shakira; Thiel, Cassandra Lee; Campion, Nicole; Bilec, Melissa M.; Landis, Amy E (2017). “Do single-use medical devices containing biopolymers reduce the environmental impacts of surgical procedures compared with their plastic equivalents?”. Journal of Health Services Research & Policy 22 (4). doi:10.1177/1355819617705683. https://www.researchgate.net/publication/317046517_Do_single-use_medical_devices_containing_biopolymers_reduce_the_environmental_impacts_of_surgical_procedures_compared_with_their_plastic_equivalents. 
  2. ^ Heim, Susanne (2002). Autarkie und Ostexpansion: Pflanzenzucht und Agrarforschung im Nationalsozialismus. Wallstein Verlag. ISBN 978-3-89244-496-1. https://books.google.com/books?id=1DqS5a5A8JkC 
  3. ^ Making Rubber from Dandelion Juice”. Science Daily (2013年10月28日). 2013年11月22日閲覧。

関連文献

英語:

  • Foster, M.A.; Coffelt, T.A. (2005). “Guayule agronomics: establishment, irrigated production, and weed control”. Industrial crops and products 22 (1): 27–40. doi:10.1016/j.indcrop.2004.06.006. 
  • Siler, Deborah J; Cornish, Katrina; Hamilton, Robert G. (1996). “Absence of cross-reactivity of IgE antibodies from subjects allergic to Hevea brasiliensis latex with a new source of natural rubber latex from guayule (Parthenium argentatum)”. Journal of allergy and clinical immunology 98 (5, Part 1): 895–902. doi:10.1016/s0091-6749(96)80005-4. 

関連項目


ラテックス (曖昧さ回避)

(LaTeX から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/20 14:54 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

ラテックスと呼ばれるものには、以下のものがある。

なお、この項目では便宜的に、一般的に「ラテックス」とは読まれないものも含めて掲載している。

Latex

  • ラテックス - ゴムの原料
  • テキ・ラテックス英語版 (Teki Latex) - ヒップホップ・アーティスト
  • ラテックス (テキサス州)英語版 - アメリカ合衆国テキサス州にある非法人地域
  • LaTeX - 組版処理システム(「ラテック」「ラテフ」などと呼ばれる)

Ratex

関連項目


LaTeX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/27 01:53 UTC 版)

レスリー・ランポート」の記事における「LaTeX」の解説

1980年代初頭ドナルド・クヌースTeX初版リリースしてから、ランポートは本を書きたいという個人的な欲求から、それが後に標準のマクロパッケージになることを期待してTeXベースにしたマクロセット作成始めた。この一連のマクロは後にLaTeXとして知られるようになった。ランポートは1983年にアディソン-ウェスリー英語版)の編集者であるピーター・ゴードンから、LaTeXのユーザーマニュアルを書籍化することを提案された。 1984年9月、ランポートはLaTeXのバージョン2.06aをリリースし1985年8月にはランポートによるLaTeXの最後バージョンであるLaTeX 2.09がリリースされた。1986年にランポートによる初のLaTeXユーザーマニュアルLaTeX: A Document Preparation System刊行された。1989年8月21日スタンフォード大学開かれたTeXユーザーグループ会議で、ランポートはLaTeXのメンテナンス開発をフランク・ミッテルバッハに移管することに同意した。ミッテルバッハはクリス・ローリー、Rainer SchöpfとともにLaTeX3チーム結成し1994年にLaTeXの現在のバージョンであるLaTeX 2eリリースした

※この「LaTeX」の解説は、「レスリー・ランポート」の解説の一部です。
「LaTeX」を含む「レスリー・ランポート」の記事については、「レスリー・ランポート」の概要を参照ください。

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