2020年5月-6月:中国政府による香港の自治への介入とは? わかりやすく解説

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2020年5月-6月:中国政府による香港の自治への介入

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 08:46 UTC 版)

2019年-2020年香港民主化デモ」の記事における「2020年5月-6月:中国政府による香港の自治への介入」の解説

国家安全法・国歌法反対デモ」も参照 2020年5月10日民主化デモの影響事実上棚上げされていた「国歌条例案」を親中派審議強行再開したことに対す抗議活動が行われ、香港政府による集会禁止措置により中断していた抗議活動事実上再開した2020年5月21日22日から始まる全国人民代表大会中国国会に相当)において中国本土法律である「国家安全法」の香港への適応審議されるという複数報道があった。実際に行われた場合中国政府による香港一国二制度対す介入であるという見方が強い。「国家安全法」が香港適応され場合集会の自由デモを行う自由含む)などが強く制限される可能性がある。民主議員デモ参加者はこれは「香港終わり」であり「一国二制度崩壊」であると発言している。 2020年5月22日カナダトルドー首相香港国家安全法課す中国政府提案懸念示し真の対話緊張緩和今後求め続け状況注視する述べたイギリスオーストラリアカナダ共同声明発表し、「中国政府香港国家安全法導入すれば香港一国二制度明らかに損なう」という深い懸念示した。また同日香港ハンセン株価指数が5%以上の急落記録中国政府が「国家安全法」の香港への適応により香港一国二制度への介入試みていることから発生する複数懸念原因とされる2020年5月24日新型コロナウイルスの感染拡大以降では最大規模となる「国家安全法」への抗議活動が行われ、数千人が参加したデモ参加者道路封鎖デモ行進、「天滅中共」や「香港独立」などと書かれたプラカード掲げたり、シュプレヒコールなどで抗議し一部参加者商店ガラスを割るなどした。香港警察デモ参加者に対して催涙弾発射したり、放水するなどした。180人以上が逮捕された他、少なくとも6人が病院搬送され1人重体となった同日台湾中華民国)の蔡英文総統香港人々に「必要な援助」を提供する表明した2020年5月26日国家安全法をめぐり「深刻な懸念」を表明する共同声明同日時点25か国の231人以上の国会議員署名している。 2020年5月27日市民数千人が「国家安全法」や「国歌条例案」に抗議するデモ行った警察は約3500人を動員し、「違法な集会参加した」などとして参加者360人以上を逮捕した同日ポンペオ米国長官は「一国二制度」の下で香港認められてきた「高度な自治」が維持されていない発表し議会報告したポンペオ米国長官国家安全法に関して香港自治と自由を根本的に損なう」と非難し香港貿易面などで優遇する措置継続難しいとの考え示した2020年5月28日全人代は、香港に対して国家安全法」を導入する方針圧倒的賛成多数賛成2878票、反対1票、棄権6票)で可決し制定方針採択して閉幕した同日アメリカ、イギリス、オーストラリアカナダの4か国は共同声明発表し中国香港に「国家安全法」を導入する方針決定したことについて「深い懸念」を示し中国行動は「国際的な義務直接抵触する」と指摘した。また同日イギリスドミニク・ラーブ外相は、(中国このまま香港国家安全法導入しようとする場合香港イギリスの植民地だった時代香港人に対して発行された「英国海外市民旅券BNO)」の保有者(約30万人いるとされるに対して将来的イギリス市民権を得る手段与え可能性示した同日日本の外務省は「全人代での香港に関する議決に関して香港情勢深く憂慮し一国二制度の下に自由で開かれた体制維持されるべき」という内容外務報道官談話公開した2020年5月29日トランプ大統領は「香港にはもはや十分な自治はなく、私たち提供してきた特別扱い値しない中国は『一国二制度』を『一国制度』に置き換えた」と中国批判し香港認めている優遇措置廃止向けた手続きに入ると発表した2020年6月1日国家安全法に関して香港新聞明報が行った世論調査によると「香港立法会通さず中国立法を行うこと」に対して64%が反対回答した2020年6月2日アメリカミネアポリス白人警察官拘束され黒人男性死亡した事件抗議する暴動や、デモ隊警察との衝突拡大する中、林鄭月娥行政長官国家安全法を巡る海外批判を「ダブルスタンダード」だと批判した中国政府国営メディアも、「香港デモ参加者英雄闘士などと美化する一方人種差別反対する自国民を暴徒呼んでいるのはどういう理由か」とアメリカ国内デモ香港デモへの対処で「二重基準」を用いていると非難した。これに対してポンペオ国務長官6日声明発表し、「中国共産党体制悲劇的な死を悪用し人間基本的尊厳踏みにじる自らの権威主義的な行為正当化しようとしている。笑止千万プロパガンダには誰もだまされない」と非難した2020年6月4日天安門事件から31年目になるこの日、新型コロナウィルス対策理由警察集会許可しなかったため、毎年行われていた追悼集会が初め開かれなかった。主催者は、自宅など各自の場所でろうそくを灯して一分間の黙とうをすることを呼びかけた。一方で数万人の市民集会禁止命令無視しヴィクトリア公園などで追悼集会を行った。また同日中国国歌への侮辱行為禁じ国歌条例案が民主派の議員らが強く反発するなか香港立法会可決された。 2020年6月9日一連のデモ本格化から1年経過し、この日もデモ開かれた参加者は「香港独立 唯一出路(香港独立だけが唯一の道だ)」など新たなスローガンを叫ぶ人もいた。警察唐辛子スプレー使ってデモ参加者排除した日本で暮らす香港人などでつくる団体香港現状考えイベント都内開き香港民主活動家周庭日本の国会議員らが参加したイベントの中で周庭は「『一国二制度』の香港がどんどん『一国制度になってしまっている。これから香港何が起きるか想像つかないし、私自身もいつ逮捕され何年収監されかわからず、本当に怖い」、「香港には多く日本企業進出し日本人大勢住んでいる。『一国二制度』が破壊されれば現地日本人にも影響及んでしまう」など、香港現状について話し人権は命や人間の尊厳問題であり、日本政府にははっきりとした立場示してほしい。」、「もっと関心持ってほしい」と呼びかけた。 2020年6月12日1年前の12日デモ参加者立法会議会に当たる)を包囲してから1年記念する抗議集会が行われ、数百人が参加した中国国歌侮辱禁じ国歌条例同日施行される中、デモテーマソング香港に栄光あれ」の合唱起きたまた、デモテーマソング香港に栄光あれ」を学内演奏することを止めなかったとして中学教師学校から契約継続拒否されたことが発覚し生徒100人以上がこの「政治的抑圧」に抗議してデモ行った2020年6月13日香港警察は、前日行われた民主化デモ取材していた報道陣退散させようとした際、記者向かってI can't breathe息ができない)」「Black Lives Matter黒人の命は大切)」と叫んだ警官けん責処分としたと発表した。このフレーズは、白人警察官黒人被疑者死亡させたことに対す反人種差別抗議デモ頻繁に用いられている。 2020年6月18日アメリカ、カナダフランスドイツイタリア日本英国外務大臣及びEU上級代表声明で「国家安全法制定するとの中国決定関し重大な懸念強調する。「一国二制度」の原則香港の高度の自治深刻に損なおそれがある。」と発表した2020年6月30日中国全人代国会に相当)、常務委員会は「香港国家安全維持法案」を香港議会通さず全会一致可決したが、記事作成時点法律の内容公表されていない一部条項には終身刑などの刑が盛り込まれている可能性指摘されている。7月1日香港返還記念日で、デモ呼びかけられているが、取り締まり大幅に強化される懸念出ている。制定報道を受け、著名な民主活動家の、黄之鋒(ウォン・ジーフン)、周庭アグネス・チョウ)、羅冠聰(ネイサン・ロー)は民主政党香港衆志デモシスト)」を離脱する発表今後は、個人立場活動続けるとした。また、取り締まり恐れて民主化団体解散活動停止相次いだ台湾蔡英文総統同法強く非難し50年間は変わらないという香港への約束中国履行できなかったことに非常に失望している。一国二制度実行不可能だということ証明した。」と述べた日本菅官房長官記者会見で「国際社会香港市民の強い懸念にもかかわらず制定されたことは遺憾だ」と述べた黄之鋒Twitterへの投稿で「世界これまで知っていた香港終わり意味するもので、権限の拡大不明瞭な法により、香港秘密警察国家へと変わる」と同法非難した

※この「2020年5月-6月:中国政府による香港の自治への介入」の解説は、「2019年-2020年香港民主化デモ」の解説の一部です。
「2020年5月-6月:中国政府による香港の自治への介入」を含む「2019年-2020年香港民主化デモ」の記事については、「2019年-2020年香港民主化デモ」の概要を参照ください。

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