食の安全性をめぐる事件の相次ぐ発覚とは? わかりやすく解説

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食の安全性をめぐる事件の相次ぐ発覚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 06:59 UTC 版)

中国産食品の安全性」の記事における「食の安全性をめぐる事件の相次ぐ発覚」の解説

中国における食品生産システム変化、また収入増加により都市部消費者生活の質の向上をより強く求められるようになってきたなか経済的利益追求のために悪徳業者横行し人体健康被害もたらす有害な食品多数流通するといった食品への安全性認識高めきっかけとなる事件多数報道されていく。 以下、事例詳細については「#事例」を参照 2003年には各国使用禁止されているDDT中国茶から検出され2005年にも検出)、2004年安徽省偽粉ミルクによる幼児死亡する事件発生、また成都市四川省作られ漬物から残留農薬検出され、また理髪店から回収され人毛からアミノ酸抽出加工して作られ人毛醤油日本など外国輸出されていると中国中央電視台放映した2005年には禁止されている着色料スーダンレッド使用されていることが判明した2008年9月には、甘粛省メラミンにより汚染され粉ミルク発覚し国際社会輸入停止措置行ったこうした事件相次ぐなか中国国民のなかで食品品質安全性加工過程安全に関す要求高まり都市部居住者スーパーマーケット中国政府メディア食品問題対す姿勢関心を払うようになってきた。 例えば、朝日新聞社日本行った世論調査では、中国から輸入される食品安全性を「あまり信頼していない」、「まったく信頼していない」と回答したのはそれぞれ51%、38%に上り、「ある程度信頼している」と回答した10%遥かに上回る結果となった。なお「大い信頼している」は0%だった。 中国政府は対応を迫られ衛生管理強化したり、事件等調査などに取り組み(#中国政府の対応参照)、2003年3月国家食品医薬品監督管理局設置し、「食品心工程」「食品安全行動計画」などを公表2007年には国家食品薬品安全第11期5カ年計画発表された。2009年2月には食品安全法が施行された。 しかし、その後中国国内での食品問題続出し2010年には下水道汚水精製した地溝油(ちこうゆ) という油を食用油として中国全土飲食店多数使われていたことや、2011年2月には中国カドミウム含んだ米が流通していたことがわかり、さらに中国生産された米の10%カドミウム汚染米になっている中国政府調査研究者による調査明らかになった。 このほかにも、肉を赤くするために染料など有害な物質使用した赤身化剤肉」(呼吸困難死亡することも)、重量重くするために注入した注水肉」なども流通している。中国衛生部公庁による2010年食中毒調査では微生物食中毒が4585人、化学性食中毒が682人、有毒動植物食中毒が1151人であったキノコからはホルムアルデヒド検出された。 2011年中国国家統計局黒竜江省によるハルピンでの世論調査では71%が中国食品失望していると回答したこのように中国国内でも野菜コメ果物茶葉などの残留農薬、高毒農薬検出違法添加物使用重金属汚染等による有毒食品動物用医薬品や抗生物資などの超過残留などの事例発生が後を絶たず、また、工場からの排ガス排水等による河川汚染土壌汚染などの環境汚染によって、汚染農産物生産され輸出もされている。 2009年銅山による調査では、重金属汚染耕地2000ヘクタール農薬汚染耕地900ヘクタール汚水灌漑汚染耕地は216.67ヘクタール大気汚染耕地は533.33ヘクタール個体廃棄物堆積毀損耕地は13.33ヘクタールとなっている。また、中国での水質調査では中国の河川70%が工場廃水によって汚染されており、そのうち40%は基本的に使用できない状態であり、また都市部流れる川の95%が重度汚染状態にあると報告された。 2013年3月23日中国中央電視台番組では、上海市黄浦江病死した豚が1万5000漂流した事件、および病死した豚を買い付け転売する違法業者についても報道され河川汚染指摘された。 2013年中国当局食品安全取締による代表的な事件として、キツネミンクネズミの肉に着色料等を添加ネズミ肉等を羊肉あるかのように装い上海江蘇省蘇州市場販売した業者関連集団摘発がある。このネズミ肉等が偽装され販売流通していた件ついて、中国国内では限定的に報道され外国メディア驚きをもって伝えたこのような食品汚染問題で、最大要因が「企業モラル」にあるとされる企業モラルを高度に維持することで食品安全確保するには、政府指導消費者監視企業自覚3つ欠かせないが、中国では、政府系企業中国共産党指導になっているケース多く、そのため企業への政府指導癒着などで厳正に行われないこともあり、また消費者そうした企業批判する自由に実質的な制約がある。 中国における食品安全性確保のためには、行政企業分離や、適正な社会的監視等が必要と指摘されている。中国国内での食品安全検査監督衛生部農業部が主な機関であるが、2012年時点でも検査体制整備は十分ではない。

※この「食の安全性をめぐる事件の相次ぐ発覚」の解説は、「中国産食品の安全性」の解説の一部です。
「食の安全性をめぐる事件の相次ぐ発覚」を含む「中国産食品の安全性」の記事については、「中国産食品の安全性」の概要を参照ください。

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