韓国の歴史教科書における檀君朝鮮とは? わかりやすく解説

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韓国の歴史教科書における檀君朝鮮

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 22:19 UTC 版)

檀君朝鮮」の記事における「韓国の歴史教科書における檀君朝鮮」の解説

大韓民国教育部韓国教育開発院が1999年刊行した日本・中国中等学校歴史教科書韓国関連内容分析』は、日本教科書日本史A』に対して朝鮮史における最初国家古朝鮮であるにもかかわらず朝鮮がはじめて登場するのは漢四郡であること、それは「結果的に朝鮮史の上限を引きずり下ろし朝鮮の歴史はじめから中国支配受けていたかのように暗示している」と批判している。『日本史B』も日本朝鮮古代史研究影響のため古朝鮮記述はない。韓国教科書高等国史』は、古朝鮮紀元前2333年成立し、その支配中国遼寧から朝鮮半島まで及んでいたと記述され古朝鮮根拠琵琶形銅剣分布もとめて古朝鮮建国根拠として檀君神話紹介している。そのことから古朝鮮韓国国民広く知られている。『日本・中国中等学校歴史教科書韓国関連内容分析』は、望ましい『日本史A』として、韓国の『国史』には記述されているため、朝鮮半島にも旧石器時代から人が住んでいたこと、最初国家である古朝鮮実態認定して朝鮮青銅器文化日本青銅器文化影響あたえたことを明らかにすること、としている。 青銅器文化形成され満州遼寧地方韓半島西北地方には、族長(君長)が治め多く部族現れた。檀君はこうした部族統合し古朝鮮建国した。檀君古朝鮮建国は、わが国歴史が非常に古いことを示している。また檀君建国事実と「弘益人間」の建国理念は、わが民族困難に直面するたびに自矜心を呼び起こす原動力となったその他に檀君建国神話通して、わが民族初め建国した時の状況推測することができる。熊と虎が登場することからは、先史時代特定動物崇拝する信仰形成され、その要素反映していることが知られる。また雨・風主管する人物がいることからは、わが民族最初国家農耕社会背景成立したことを推測することができる。 — 中学校国史、p18 中学国史』では、神話である檀君朝鮮最初国家建国したことを明示して檀君神話通して建国時の状況推測できるとして、朝鮮最初国家農耕社会として成立した叙述する古朝鮮建国事実伝え檀君神話は、わが民族始祖神話として広く知られている檀君神話長い歳月経て伝承され記録として残されたものである。その間に、ある要素後代新たに追加され時には失われもした。神話は、その時代の人々関心反映されたもので、歴史的な意味が込められている。これはあらゆる神話共通する属性でもある。檀君記録同じく青銅器時代文化背景とした古朝鮮成立という、歴史的事実反映している。 — 高等学校国史、p32-p33 高校国史』は、檀君神話朝鮮始祖神話であるが、単なる神話ではなく歴史的事実を示すものである叙述する農耕発達により剰余生産物生まれ青銅器使用される中で、私有財産制度階級発生したその結果、富と権力をもつ族長(君長)が出現した族長は、勢力伸ばして周辺地域合わせついには国家築いた。この時期成立したわが国最初国家が、古朝鮮である。以後古朝鮮鉄器文化受容しながら中国対決するほどに大きく発展した。 — 高等学校国史、p26 高校国史』は、朝鮮最初国家古朝鮮であると明言して、「わが民族」と檀君神話とを直接的結びつける族長社会でもっとも早く国家発展したのは古朝鮮であった『三国遺事』や『東国通鑑』の記録によると、檀君王倹古朝鮮建国たとする紀元前2333)。檀君王倹当時支配者称号であった。 — 高等学校国史2006年 族長社会でもっとも早く国家発展したのは古朝鮮であった『三国遺事』や『東国通鑑』の記録によると、檀君王倹古朝鮮建国した(紀元前2333)。檀君王倹当時支配者称号であった。 — 高等学校国史2007年 1981年大韓民国教育部長官安浩相朝鮮語版)が1檀君箕子実在人物2檀君箕子領土中国北京まで存在した3王倹城は中国遼寧省にあった4漢四郡中国北京にあった5百済3世紀から7世紀にかけて、北京から上海に至る中国東岸統治した6新羅最初領土東部満州で、統一新羅国境一時北京にあった7高句麗・百済・新羅、特に百済日本文化築いたという「国史教科書内容是正要求に関する請願書」を国会提出した後に作られた、1982年国史』から2006年国史』までは、古朝鮮建国は、「檀君王倹古朝鮮建国たとする」と『三国遺事』引用して歴史的事実である可能性叙述する。しかし2007年国史』からは、「檀君王倹古朝鮮建国した」とし、『三国遺事』からの単純な引用ではなく歴史的事実として確定する新石器時代続き韓半島では紀元前10世紀頃に、満州地域ではこれに先立つ紀元前1513世紀頃に、青銅器時代展開した。 — 高等学校国史2006年 新石器時代末の紀元前2000年頃に、中国遼寧や、ロシアアムール川および沿海州地域から入ってきた粘土刻文土器文化は、先行する櫛歯土器文化と約500年共存した末に、次第青銅器時代へと移行した。これが紀元前2000年頃から紀元前1500年頃のことで、韓半島青銅器時代本格化した。 — 高等学校国史2007年 2006年国史』までは、紀元前10世紀青銅器伝来したが、古朝鮮紀元前2333年建国されたとして、古朝鮮石器時代国家形成され世界でも例を見ない国家となる。2006年国史』までは、檀君による古朝鮮建国事実としつつも、紀元前2333年という建国年は容認しなかったが、2007年国史』からは、青銅器伝来時期についての記述通じて檀君による古朝鮮建国のみならず建国年まで事実とする。2007年国史改訂について宋鎬晸(朝鮮語: 송호정、韓国教員大学)は、「韓国考古学界では、典型的な青銅器遺物紀元前10世紀より遡らないのが主流見解」「朝鮮半島紀元前15世紀青銅器遺物出土したとみることはできるが、それは、本格的な青銅器時代ではなく本格的な青銅器時代紀元前10世紀というのが歴史学界の主流見解」であり、典型的な青銅器時代遺物は、琵琶形銅剣シャムシール美松里式土器であり、青銅器使用される時代青銅器時代というべきであり、2007年国史改訂根拠とした春川晋州出土した装身具では、本格的な青銅器時代とはいえず、旌善春川考古学遺物発掘終了しておらず、当然報告書もない。2007年国史改訂は、「中国東北工程対抗するため、自民中心歴史観に基づき歴史起源を遡らせ、中国同時代朝鮮政体出現した」という政治的意図があり、考古学界および歴史学界の主流意見反映していない。歴史教科書檀君朝鮮実在主張するならば、『檀君朝鮮は、どんな人がどのように生活していたのか』を証拠基づいて具体的に記述しなければならず、さらに、現在の歴史教科書省かれ疎かに扱われている箕子朝鮮衛氏朝鮮記述しなければならない」と指摘している。 わたしたち同胞は、最初の国である古朝鮮を建て、高句麗・百済・新羅続き統一新羅と渤海経て発展してきた。わたしたち同胞発展してきた過程を、歴史的人物文化財中心に詳しく見てみよう。 — 初等学校社会6-1、p4 わたしたち祖先は、青銅器文化基礎に、最初国家である古朝鮮建てた上の文章は、古朝鮮建国伝え檀君神話である。ユミクラスでは、檀君神話読んで古朝鮮について話し合ってみた。『三国遺事』檀君建国神話について意見交わしたユミクラス生徒たちは、様々な資料調べて古朝鮮その後国々について整理してみた。《古朝鮮建国》国を建てた人:檀君王倹建国時期紀元前2333年、都の場所:阿斯達、国を治め精神広く人間有益にするという「弘益人間」の精神 — 初等学校社会6-1、p7-p8 小学社会』では、青銅器基礎紀元前2333年神話である檀君によって建国され古朝鮮朝鮮最初国家明言するこのような教科書学習した学生たちは、疑問差し挟む余地なく神話である檀君古朝鮮、その建国時期について史実考えるようになる大部分学生たちは教科書を常に正しいと信じており、授業評価方式は、教科書内容正確に覚えて正解選んだものが高得点を得るようになっているからである。井上直樹は、檀君朝鮮『三国遺事』によればそうなるだけであり、それが史実かどうか別問題であり、『三国遺事』『帝王韻記』史料批判史料考証が必要であり、檀君朝鮮『三国遺事』神話求めそのまま認め教科書記述は、史料考証に基づく既往研究成果から導き出され結論疑問だと批判している。

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