静態保存から復元工事完了までとは? わかりやすく解説

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静態保存から復元工事完了まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 09:14 UTC 版)

国鉄C61形蒸気機関車20号機」の記事における「静態保存から復元工事完了まで」の解説

当機は保存当初から雨除け屋根などはかけられず、直射日光、まれにを被るなどの何処にでもある静態保存機としての体(てい)であった。しかし、煙突がされ、時おり公園の管理者やボランティアによって整備なされたこともあり、外観比較良好な状態を保っていた。また、展示開始当初より運転台内部への立ち入り制限されており、そのため運転機器類の盗難による欠品がほとんど出なかった。ただし、保存開始当初比べると、前照灯大形化しているなど異な部分見られている。 当機が保存されている群馬県では、1988年11月D51 498動態復元され上越線SL奥利根号」(後の「SLみなかみ」)などとして運転が開始された。同機国鉄分割民営化によって誕生したJR東日本スターとして復活当時より東日本管内各地でのイベント運行のために転々とするが、年々各地方自治体からによるSL運行要望多々あり、D51 498だけでは要望満たしきれない状況続いていた。このため1998年真岡鐵道動態復元したC11 325借り入れ2001年より只見線SL会津只見号」などとしてローカル線でのSLイベント出張運行使用し各地でのSL運行要望応えるようにした。しかし、C11 325小型タンク機関車であり、自治体からの運行機関車要望応えられないこともあった。なお、1999年JR東日本が2機目のSLとして復活させたC57 180は、基本的にSLばんえつ物語号専用であり、特別な場合除き新潟支社および仙台支社磐越西線内に限る)管轄外でのイベント転に起用されなかった。また、東日本管内イベント運行のうち、数回秩父鉄道SLパレオエクスプレス」として活躍するC58 363登場したが、ATSの関係などにより2001年からは秩父鉄道線内のみの運行になっている2008年平成20年12月、「SL湯けむり号」として運行控えていたD51 498が、小牛田運輸区での火入れの際に機関助士ミスによって空焚き事故起こしてしまう。約9か月D51 498使用できなくなったことによる様々な弊害生じ結果引き起こしたこの事故きっかけとなり、JR東日本D51 498予備機という名目のもとで3機目となるSL動態復元に向け、SL復活プロジェクト2009年平成21年2月立ち上げたプロジェクト調査開始当初報道では、碓氷峠鉄道文化むら保存されているD51 96をはじめ、かつて北海道旅客鉄道JR北海道)が運行していたC62 3なども調査リスト含まれていたが、まだ当機のことは報じられていなかった。 2009年6月JR東日本は当機が復元できる可能性秘めているとして、近く復元する方針固めたとの報道なされた。この時点ではJR東日本からの直接的な動態復元についての告知はなく、各報道機関への声明発表のみとされていた。そして12月JR東日本より12月記者会見ならびにホームページ上にて、当機の動態復元についての正式な発表が行われた。この時点での復元後の当機の取り扱いとしては、まず2011年春以降目処D51 498本拠地である高崎車両センター高崎支所配置されD51 498同等SLみなかみ」(現「SLぐんま みなかみ」)および「SL碓氷」(現「SLぐんま よこかわ」)のメイン牽引機として年間110日程度の運行が行われる予定であることとされていた。また、D51 498検査中の場合、あるいは「SLみなかみ」などの運行高崎残っている際にイベント要請があった場合東日本管内イベント列車牽引機として抜擢することも予定されている。当機の復元により、かねてより課題だった大型蒸機によるイベント運行に対して柔軟に対応できることや、前述トラブルなどに際して代走スムーズに行えるなどのメリット生まれている。また、既に運行されているD51形C57形双方構造製造技術兼ね備えていることもあり、整備や運転面などでの有利さも、当機が動態復元機として選ばれる理由となった。当機の復元伴って高崎車両センター保有する旧型客車7両もあわせて再整備することが発表され復活直前2011年平成23年早春第一次工事ドア改造手洗い整備)を実施完了した動態復元の正式発表後華蔵寺公園遊園地では、公園離れることを記念し12月下旬より運転室内の特別公開が行われた。また、当機の復元を祝う看板用意した他、報道当時新聞諸元説明の隣に掲示するなど、復活へ意気込みアピールした最終的な展示年明け2010年1月11日まで行われその後復元準備のために当機の周囲への立ち入り禁止する処置施された。1月19日、3台のトレーラーによって炭水車ボイラー、主台枠および走り装置3つ分けられた。翌20日未明より搬送され同日明け方までに復元工事が行われる大宮総合車両センター到着21日復元工事着工式が執り行われ本格的な解体作業開始された。この復元に際しては、映画男はつらいよ」などで知られる山田洋次監督から、このC61 20復元まつわる作業などをドキュメンタリー映像として記録したいとの申し出があり、復元流れ沿って映像撮影している。ボイラー3月から11月までの間、サッパボイラにて修復実施、また動輪車輪住友金属工業にて整備新造が行われた。ボイラー保存状況がやや粗雑だったこともあり、全体の4割が腐食していたが、煙管加熱管をすべて交換することはもちろん、蒸気ドーム自体修繕念入りに行われたまた、他の部品でも使用できなくなったものも点在し新たに新規製造する部品多かったことから、これらがのちの復元作業進行影響を及ぼすこととなった2010年12月10日には復元作業終え戻ってきたボイラー整備完了した台枠との取り付け作業が行われた。明けて2011年平成23年1月27日大安に、当機の火入れ式が同センター内にて行われこれをもって1973年に火を落として以来38年ぶりに当機のボイラーに火が再び入れられた。本来はこの時点ですべてが組み立てられ火入れそのまま昇圧を行う予定ではあったが、腐食部位予想以上に多かったことから整備が間に合わず、この時の当機は前日までに組み立て行い車体塗装施工動輪を繋ぐ連結棒などのない、いわゆる仮組立の状態で火入れ式臨み挙行後は自然消火された。また、火入れ式間に合わせるべく急ピッチで組み立て作業行っていたため、当機の前面ナンバープレート所定より40 mm下に取り付けられていたり、テンダーナンバープレート若干右下がりとなっていたりしたが、営業開始後に前面ナンバープレート位置修正が行われた。遅れて2月16日本格的な火入れ行いボイラー昇圧試験実施され汽笛吹鳴試験あわせて行われた。ここで煙突から煙を上げ汽笛を鳴らす当機の復活迎えた2月21日より、同センター内工場試運転線にて構内試運転実施された。この際初日21日最終日24日は「はつかり」のヘッドマーク掲げ続けて23日には2009年暮れD51 498上越線試運転行った際に掲げられた「ゆうづる」調デザインの「C61復活記念 試運転」のヘッドマーク掲出して試運転行っている。東北新幹線「はやぶさ」運転開始3月5日には、これにあわせたイベント開催し、「はやぶさ1号」および「はやぶさ3号」との並走試運転線で実施したこの際、当機に日本貨物鉄道JR貨物門司機関区から借用した「はやぶさ」ヘッドマーク装着し、さらに鉄道博物館車両展示線にて初めての一般公開、および完成後の報道公開が行われた。3月30日付で車籍復帰果たし大宮総合車両センター出場4月1日深夜には新し住処となる高崎車両センター回送された。なお、3月11日発生した東日本大震災による当機への影響出ていないが、電力供給不足などによる理由により、予定より数日ほど遅れて出場した復元工事開始前からの歩みは、所有する高崎支社ホームページにも掲載され、「蒸気機関車 C6120 復元への道」と題して紹介されている。新聞報道などでは分からなかった当機の復元過程を、事細かに写真で見ることができる。

※この「静態保存から復元工事完了まで」の解説は、「国鉄C61形蒸気機関車20号機」の解説の一部です。
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