貝塚バレエ団生徒
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「舞姫 テレプシコーラ」の記事における「貝塚バレエ団生徒」の解説
ひとみ 本部の生徒で千花と同い年。千花と並ぶ実力者だが、コンクール本番で舞台上のアクシデントにより転倒、予選落ちしてしまう。バレリーナ向きとは言えない、骨格がしっかりした太目体型の上、急激な大人の女性の身体つき(利夫いわく「女性としては長所」)への変化の為に、自分が踊りたい作品が出来なかったり、痩せられなければバレエをやっていけないという強迫観念に苦しんでいる。五嶋の一言がきっかけでダイエットを試みたのが引き金で摂食障害に陥り、くるみ割り人形の公演本番直前に倒れる。以降、免疫力の低下で体調を崩しやすくなり、インフルエンザを六花にうつしてしまった事も。その後、ダイエットをしばらく止めていたが、五嶋の薦めで体質改善を開始するも、結局再び摂食障害に陥り、今度は食べ物を完全に受け付けない体になってしまう。一時は自殺願望を抱くほど苦しみ、何ヶ月もレッスンにすら出られなかった。なまじ技術には自信があるだけに、クララ役を六花に取られた時には意地悪もしたが、自分のした嫌がらせの幼稚さに自己嫌悪する場面もあり、根は悪い子ではないようだ。 第2部での六花の回想によると、摂食障害を抱えたままプロになるのは無理だと悟ってバレエをきっぱり止めてしまうが、目標を持って超難関大学受験を目指すと決めた途端に摂食障害は治まった、とのこと。 桜子 本部の生徒。ひとみと同い年で友人。性格・踊りともに堅実で真面目、実力もあるが容姿は地味で、コンクール・発表会ともに地味な役だったりソロを貰えなかったりと、同い年の生徒の中では不遇だった(というより、同学年に千花・ひとみ・茜と目立つ存在が多かった)。少なくとも技術では劣らないと思っていた六花が、前年のくるみ割り人形の正規キャストでもなかったのにクララに抜擢された時は「母親のコネで役をもらった」と思い込み、六花に冷たく当たりもしたが、後に和解。「プロになれないのに学歴もないなんて悲惨だから」と高校受験を選び、バレエを止めた。 野々村 茜(ののむら あかね) 本部の生徒。千花と同い年。熊本から越してきて群馬支部である詩織の教室に入り、本部にも来るようになる。中学2年時の埼玉バレエコンクールジュニア部3位の3。同じく詩織の生徒である大地と仲がよく、六花に嫉妬される一幕も。水樹不在の今、おそらく本部女子生徒で1番の長身。体型・テクニック共に問題は無く意地も強いが、その裏返しで自信過剰でイヤミな性格であり、ひとみに対して「太ってる」と平気で口にしたり、六花の前で千花を「亡き人」呼ばわりしたりする。六花とダブルキャストのクララだったが、技術面で劣る六花を完全に馬鹿にして彼女の演技力や想像力は認めようとせず、本番直前の六花に嫌がらせをしてパニックを起こしたのを見て面白がる。一方で六花の反撃やそれに同調した周囲からの無言の抗議にうろたえたり、ボーイフレンド扱いしていた大地が千花の遺影の前で泣き崩れるのを見てショックを受けたりと、年相応の幼さは残っている。自分の技術に自惚れ実力を誇示したい年頃でもあり、公演全体の調和を顧みず勝手に大技をかましたりもする。典型的なテクニック至上主義ダンサーで、「バレリーナは踊れれば良い」とまで断言するが、貝塚によれば「間違いなく貝塚の未来のスター」なので技術は本物のようだ。 第2部では、高校2年生になって登場。前年のローザンヌはまさかのビデオ審査落選で大泣き。今回は五嶋の全面的なサポートによりビデオ審査を通過、満を持しての本選挑戦。出発当日風邪を引いてしまい、他の参加者らから冷たい視線を浴びせられるが、本人は「風邪なんかに負けない」と意地の強さは健在。だが準決選ではクラシックで卓越した技術を見せたにも関わらず、このコンクールのため初めて踊ったコンテンポラリーで彼女の個性と正反対の作品を選んだのが裏目に出たのか、実力が全く認められず決選に残れなかった。幸運にも第一志望のロンドン・ロイヤルバレエ学校の次点となり、1位の人物の辞退により奨学金付き留学権が回ってくる。 佐藤 大地(さとう だいち) 本部の生徒。男子No.1の有望株である上にハンサムで優しく、六花も憧れているが、本人は千花に想いを寄せていた。茜と同じく詩織の生徒で、本部には新幹線で通っている。くるみ割りでは2年続けてフランツを演じ、千花との共演時には背が伸びない事を悩んでいたが、その後成長。詩織と姓が同じ、かつ大地自身上手いために、よく彼女の息子に間違えられる。 第2部では、身長180cmの正統派王子様系の青年に成長。ローザンヌでスカラシップを受賞し、ロイヤルバレエへ留学していると語られており、ローザンヌ決選の日突然会場のボーリュー劇場に現れる。 池永 拓人 本部の生徒。詩織の息子で活発だが少し乱暴な少年。母親への反発からか、六花の通うS中の近くにある叔父の家に入り浸り、母親には内緒でブレイクダンスに熱中。気が向いた時だけバレエをやっていたが、鳥山に「ヘッドスピンやらせるから」と無理矢理「くるみ割り人形」の公演に引っ張り出される。レッスン場の重い空気に耐えかねて逃げ出そうとするなど見かけによらず気弱なところも。だが駿の踊りに触発されて以来真剣にバレエに取り組むようになる。六花のS中学入試当日に偶然道案内をしたり、彼のストリートパフォーマンスがダンス部の振付けに悩む六花にインスピレーションを与えたりと、何かと六花に縁がある。実際六花に淡い恋心を抱いているようだが、お約束通り素直になれず、当の六花にも今のところ恋愛対象にはされていないようだ。大地とは友達ではあるが、いつも大地が母の息子に間違われ、母も実子の自分より大地に目をかけ、また六花も大地に憧れている等、色々あって複雑な感情も抱いているようだ。 第2部では、身長173cmの野性味ある青年に成長して登場。プレッシャーを感じたくないからと鳥山や母・詩織には内密で、六花と同じくユースアメリカグランプリ(YAGP)日本予選に挑戦。メイクが得意な六花の手にかかればなかなかのイケメンに大化け。入賞はならなかったがサマー・ワークショップ(夏季短期留学)参加権を獲得するなど、大地の背中を追うだけではなくなりつつある。彼なりの眼力で貝塚のトップになるのは(水樹や茜を差し置いて)六花だと見通している。 藤田 黄菜 名前しか登場していない生徒。六花と同い年で、同じ日に本部に通うようになった。初日は練習途中で棒立ちになっていたようだが、千花がクララ役になった舞台では端役で出演した。千恵子はその理由を、彼女が六花より上手いからではなく、大企業を経営する彼女の実家が貝塚バレエ団の大事なパトロンだからと考えているが、娘たちにはそのことを伝えていない。 野上 水樹 本部No.1の生徒。千花とダブルキャストのクララだった。長身で雰囲気もあり、これからのバレリーナに求められる資質を完璧に備えた逸材。ローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップを獲り、モナコに留学中。名前のモデルは上野水香。 雨宮 駿 ニューヨーク・シティ・バレエ団(NYCB)の男性若手No.1で、プリンシパルの座も間近のソリスト。15歳でアメリカ留学するまで貝塚のボーイズ・クラスにいた。金子曰く「(愛すべき)悪童」。文字通りの「天才」だが、それ故の奔放な言動でしばしばトラブルを起こし、周囲を振り回す。六花を元気付けたり、拓人が真剣に踊るきっかけを作ったり、と現役の貝塚生徒たちにも大きな影響を与えている。高度な演技力を要求される役に本格的に取り組んだ経験はまだなく、次の貝塚バレエ団本公演で『ジゼル』のアルブレヒト王子役を演じるのが今の課題。 草間 貝塚のプリマ。くるみ割りでは金平糖の精を演じ、勝手に大技をかます茜に対して「たとえ一回転でも、誰よりも優雅に回ってみせる」とプリマの意地を吐露。それを舞台袖で聞いていた六花は、彼女の考え方に影響を受け、茜や千花と比較したりお守りやジンクスに頼っていた自分を改め、「周囲が何であっても自分のベストを尽くす」という考え方をするようになった。
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