江東区コミュニティバス「しおかぜ」
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「都営バス深川営業所」の記事における「江東区コミュニティバス「しおかぜ」」の解説
しおかぜ(江東01):潮見駅前 → 枝川二丁目 → 木場二丁目 → 枝川二丁目 → 潮見駅前 → 港湾住宅 → 辰巳駅前 → 潮見駅前 江東区による路線図では「木場ルート」「辰巳ルート」と表記され色分けされているが、実際には上記のように通しで運行され、潮見駅を2回経由する。 1台の専用車両で循環運行しており、12時台の便は乗務員の食事休憩のためいったん入庫する。 江東区が運行主体となるコミュニティバスである。江東区内南部の交通不便地域の解消を図るとともに、高齢者など交通弱者の交通手段を確保することを目的とする。運行は東京都交通局へ委託し、江東区が運行経費の補助金を支出している。愛称の「しおかぜ」は、江東区が東京湾に面していることから「潮風」に由来する。 潮見駅を起終点として、北側の木場地区と南側の辰巳地区の交通不便地域を循環する。年中無休で運行し、9時から17時までの間、毎時1本程度の頻度で1日9便を運行する。停留所にはバス停ナンバリングが振られている。 東京都交通局(都営バス)が運行を受託する唯一のコミュニティバスである。なお、過去には都営バス南千住営業所が台東区「めぐりん」を受託していた。 路線沿革 2003年10月20日より、既存の公共交通機関交通では不便な辰巳・潮見・枝川地区で、高齢者など交通弱者の公共交通確保のため、江東区が試験運行を開始したのが始まりである。試験運行期間中は、午前9時台 - 午後4時台まで1日9便の運行で、運賃は100円均一、支払いは現金のみとなっていた。試験運行は2004年1月19日までの3か月間を予定し、試験運行中は都営バス江東営業所が運行を担当していた。 期間中のアンケートや江東区議会での議論などで今後の運行のあり方の検討を行った結果、2005年11月1日より本格運行へ移行した。 本格運行開始に先立ち、2005年7月21日から8月5日にかけて、江東区報などを通じてコミュニティバスの愛称と車体デザインを公募、愛称「しおかぜ」と海の波を描いた日本画(浮世絵)風の車体デザインが決定した。さらに系統番号として「江東01」が付与され、バスの方向幕などには表示がないものの、東京都交通局からのリリースやバス車内の路線図などで使用される。 年譜 2003年(平成15年)10月20日: 江東区コミュニティバスの試験運行を開始(江東営業所が担当)。 2004年(平成16年)1月19日:試験運行を終了。 2005年(平成17年)11月1日:本格運行を開始。これに伴い専用車両を導入。 2016年(平成28年)8月5日:初代専用車両(S-N050号車)が交通事故により自走不能となる。以降、代車により運行を継続。 10月17日:江東区議会で専用車両(S-N050号車)を廃車することが報告される。 2017年(平成29年):江東区コミュニティバス事業検討委員会において、コミュニティバス事業継続を決定。 2018年(平成30年)10月:2代目専用車両として中型ノンステップバス(S-D513号車)を導入。 2020年(令和2年)4月1日:交通系ICカードの利用を開始。 運賃・乗車券類 運賃は都営バスの一般路線とは異なり、小学生以上は100円均一(未就学児は無料)である。東京都交通局発行の一日乗車券類、定期券(都バスフリーカード)、都営交通無料乗車券(福祉乗車証)、東京都シルバーパスは利用できない。 また運行開始時よりバス共通カードに未対応で。2007年のPASMOサービス開始後も交通系ICカードには対応していなかった。区民からも交通系ICカード対応の要望が寄せられており、2020年4月1日からPASMO・Suicaなど交通系ICカードが利用できるようになった。 専用車両 「しおかぜ」専用車両は江東区が所有し、実際の運行は東京都交通局に委託する形を取っている。 2005年の本格運行への移行に伴い、専用車両として日野・リエッセのCNG車を1台購入した(局番:S-N050、2005年式、PB-RX6JFAA改)。中扉に車椅子用リフトを装備したステップリフトバスである。この車両は、都営バスの路線バス車両として新製配置された最後のツーステップバスとなった。また都営バスに導入された唯一のリエッセでもある。CNG改造はフラットフィールドが手掛けた。 初代専用車の故障・点検時は、LED表示器を装備するノンステップ車が代走していた。[要出典] 2016年8月5日、初代専用車両のS-N050号車が、回送中に対向車と正面衝突する交通事故を起こして自走不能となった。リエッセは2011年8月に製造終了しており部品調達が困難なこと、もともと経年による車両更新を検討していたことを理由として、当該車両は同年10月17日の江東区議会で廃車とすることが報告され、翌11月に除籍されている。 この事故を受け、同日の江東区議会でコミュニティバス事業を担当する江東区土木部交通対策課は、今後コミュニティバス「しおかぜ」のあり方について検討する予定であること、2018年度までは都営バス車両により「しおかぜ」の運行を継続する予定であることを報告した。また都営バスの一般路線バス用車両を使用するにあたっては、江東区コミュニティバスであることが利用者にわかるようラッピングを施すこととし、車両の経費とラッピング費用については東京都交通局が全額負担することで合意したと報告した。 初代専用車の事故廃車後は、同営業所所属のハイブリッドノンステップバスである日野・ブルーリボンシティハイブリッド(局番:S-V297)を代替の専用車として運行していた。ICカードリーダーを撤去した上で、車体側面と後面に「江東区コミュニティバス しおかぜ」の文字と「KOTO CITY in TOKYO スポーツと人情が熱いまち」のハート型のロゴマークを描いたパートラッピングを施して使用していた。 2017年に「江東区コミュニティバス事業検討委員会」で事業継続が決定したため、2018年度に専用車両の購入契約を行い、同年10月に2代目専用車両としていすゞ・エルガミオ(局番:S-D513、2018年式、2KG-LR290J3)が納車された。これは都営バスでは初となる2代目エルガミオの導入となった。 江東区では、専用車両を小型車から中型車へサイズアップした理由として、小型車(日野・ポンチョ)と中型車で車両価格やランニングコストがあまり変わらないため、費用対効果が高いと判断したこと、「しおかぜ」の利用者に高齢者が多いため座席定員が多く取れる中型車を選んだこと、「しおかぜ」の利用者が増加しており、ルートに2020年東京オリンピックの会場付近も含まれるためさらなる増加が見込まれることなどを挙げている。 2代目専用車の車体デザインは、区が用意したいくつかのデザイン案のうちから、「しおかぜ」沿線の区立小学校3校の6年生が投票して選定された。新デザインは同じく海や水辺をモチーフとしながらも、和風の初代車両と大きく雰囲気が異なったものとなった。江東区の観光キャラクター「コトミちゃん」のイラストと「水彩都市・江東 SHIOKAZE」のロゴが描かれている。局番「D513」は「コトミ」の語呂合わせで、ナンバープレートも希望ナンバーで、当初は「足立230い ・513」だったが、江東ナンバー導入直後に「江東210あ 51-03」に変更し、なおかつ東京ゲートブリッジの図柄が入ったナンバープレートに変更された。
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