棍棒の歴史とは? わかりやすく解説

棍棒の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 03:28 UTC 版)

棍棒」の記事における「棍棒の歴史」の解説

猿人原人時代から棍棒使われていたと考えられている。猿人原人が、自然界あちこちころがっている木ぎれや骨を手にし、振り回して身を守るために使った攻撃した素朴な狩りをおこなうために使っただろうと考えられている。 旧石器時代再現したジオラマAnhui Provincial Museum, Hefei2012年太古の昔人類想像図 旧石器時代動物の角(つの) 動物角に加工ほどこしたもの(旧石器時代バイソン角に加工ほどこしたもの 旧石器時代木の棒 石器適当な太さ樹木を切る作業想像図 古代ギリシアでも、武器として使われ、また王の権力象徴ともなっており王(王の。王の棍棒)をふりかざす王の姿の壁画残されている。 古代エジプト中王国時代棍棒を振るトトメス3世 ギリシア神話では、ヘラクレスケンタウロス使用する武器として著名である。 棍棒を手に持つヘラクレス 棍棒かついだヘラクレス 幼少時ヘラクレスの像 棍棒を持つヘラクレスの像。古代ギリシア時代作られた像を後の古代ローマで(かなり正確に複製したもの 棍棒をかつぐオムパレー同じく古代ローマ複製したもの。 アテネ考古学博物館展示されている棍棒(の一部分古代ギリシア時代硬貨棍棒彫られている。クリミア出土。(オデッサ博物館所蔵。) 棍棒古代ギリシア文字刻まれ硬貨マケドニア出土戦闘をする時は、有利な武器、より殺傷力が高い武器を選ぶのは当然のことで、棍棒よりも攻撃力の高い武器一般化する棍棒使用減ってゆくことになった古代ギリシアではすでに剣や使用一般化していた。古代ギリシアギリシア人にとっては棍棒は、彼らが「バルバロイ」と呼び蔑んでいた「野蛮な民族」が使用するもの、という位置づけになり、棍棒を「暴力性野蛮性・獣性象徴」として捉えていた節がある武器として剣や一般化した中世西ヨーロッパでも棍棒はあまり使用されなかった。棍棒発展型のメイス実際にはあまり使われない武器であった東ヨーロッパでもあまり使われず、ウクライナ・コサック通常の棍棒の他、刃を付けた物を利用していた程度である。 古代アメリカ大陸では黒曜石の刃を付けた木剣マカナ広く用いられていたが、刃が折れた後もそのまま棍棒として使用できた。地域によって星形など様々なバリエーションがあった。 棍棒が特に発達見せたのはオセアニア地域である。この地域では冶金技術発達せず、木や骨を使用した単体棍棒大きな発達見せ細かく美し彫刻施した棍棒盛んに作られた。またマオリ族マタルアなど棍棒術も発達したアボリジニ使用する有名なブーメラン投げ棍棒一種である。ハワイでもカプ・クイアルアなど棍棒などを使う武術発達している。 第一次世界大戦塹壕戦では、敵の塹壕襲撃するために棍棒使われることがあった。 ルワンダでは現在でも釘を打ち込んだ棍棒釘バット)が使用されており、虐殺事件多く人間棍棒によって殺害されている。アフリカ中央部貧しい国では、銃火器十分に支給されていないこともあって、現在でも民兵組織などは釘を打ち込んだ棍棒武装している。 日本 アイヌ社会では制裁棒ストゥ)が杖刑使われており、鉄片取り付けた戦闘用ストゥを扱う棒術もあった。 日本、特に西日本では南北朝時代ころから金砕棒かなさいぼう)という武器使われるようになっていった。(これが「金棒かなぼう)を持った鬼」という物語上のイメージにもつながっていった。) 1960年代後半1970年代前半には日本学生左翼活動家らが、大学などバリケード作り立てこもり、数センチ程度角材武装し、その角材通称で「ゲバ棒」、正式名称で「ゲバルト棒」と呼んだ。(材木軟らかく相手対すそれなりの配慮がある) 1970年代1980年代日本社会硬直化問題だらけの日本社会で「生きる意味」を見いだせなくなった高校生などはさかんに非行走り、「教育ママ」「教育パパ」など固定観念凝り固まり口うるさいだけの親に反抗するために、学生でも手軽に手に入れられる金属バット武器転用し家庭内武装したその結果、「家庭で親が子供から金属バット殴られた」といったニュース時折流れた。 なお昭和時代などには不良暴走族などは喧嘩する時に安価殺傷力の高い鉄パイプ武装するということが行われた。 2002年には『モンスターハンター』(略してモンハン」)というゲーム第一弾発売になり、やがてシリーズ化し、そのゲーム経験する人口増え日本だけでも数百万人以上が遊んだわけだが、このゲーム狩猟生活(石器時代のような生活)をしつつ竜などと戦うというゲームで、これにも初歩的な武器として「金砕棍棒」なる棍棒登場する。(「モンハン」のおかげで、家に籠ってゲームばかりしているような、いわゆるインドア派」の人々も、ゲーム画面の中だけでは「アウトドア派」のような選択をするようになったわけだが)2010年代後半には実際にキャンプをすることがじわじわブームになり、都会生活から離れて、もともと人類経験していたはず自然の中の生活に回帰しようという気持ちを持つ人が増えたキャンプをすると「バトニング」といって木の棒を手でつかんでハンマーのようにつかい、自然木ナイフ割ってにするという作業もある。これなどは自分が手にした「棒」や「」を一種の「棍棒」として使っている(人を殴ってはいないが、ナイフ食い込ませる打撃与えるために使っている)。キャンプブームによって、人類が何百万年も経験していたはずの原始的な生活への興味高まり、(波及効果ブッシュクラフト知名度高まり実際に人々手ごろな太い触れることも増えたわけだが、2022年2月には大阪中央区ギャラリーで「大棍棒展」が開催された。この展覧会は約60種の樹木材料にした、多様な形状棍棒200本以上を展示しており、展示されている棍棒を手に持っても「試し殴り」をしてもよく、価格表示されていて希望者には販売もする、というものであった。この展示会運営者遊び心あふれた人のようで、里山制作団体の「つち式」なる組織から派生したもので、その組織を「全日本棍棒協会」と命名しているという。 フィジー フィジーでは、Kiakavo Dance Club という棍棒普及していた。この棍棒は、yの字を変形させた形状をしている武器で、相手武器受け止めやすい形状をしている。イギリス紳士のように正装としての役割とともに儀式舞踏の際に用いられた。

※この「棍棒の歴史」の解説は、「棍棒」の解説の一部です。
「棍棒の歴史」を含む「棍棒」の記事については、「棍棒」の概要を参照ください。

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