新橋の建設とは? わかりやすく解説

新橋の建設

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 00:51 UTC 版)

余部橋梁」の記事における「新橋の建設」の解説

新橋工事名は「山陰線鎧・餘部余部橋りょう改築工事」で、清水建設錢高組特定建設共同企業体特定JV)が担当した2007年平成19年3月29日本工事準備工)に着手5月27日には、JR関係者井戸敏三兵庫県知事周辺自治体首長余部鉄橋列車転落事故遺族などが出席して架け替え工事起工式開かれた橋脚に関する工事長谷川周辺の1号橋脚国道町道の間の2号橋脚町道餘部駅の間の3号4号橋脚3つのエリア分けて進められた。これに伴って長谷川には2本の工事桟橋設置された。 2007年平成19年11月から橋脚基礎工事着手した1号 - 3号橋脚場所打ち杭という形式施工されたのに対して4号橋脚斜面上にあり既設橋脚への影響懸念されたことから、当初予定場所打ち杭形式取りやめて、竹割り土留め工法による大口径深形式変更された。橋脚鉄筋組み立ては、地上組み立てたものを架設するノップキャリイ工法採用された。海岸から近く鉄筋腐食懸念されることから、特に1号・2号橋脚では 200 mmコンクリートのかぶりを確保する設計とされていたが、ひび割れ抑制が困難であることが分かりPET繊維混入してひび割れ抑制する対策行った1号橋脚起点橋台については、切り替え工事までの間その上でS字橋桁構築し支えておく必要があることから、を本設置する位置より南側仮設橋脚橋台構築した1号橋脚仮設部分については、直径 1 m のプレストレスト高強度コンクリートパイル(PHC)のを4本立て支えている。2008年平成20年後半になると橋脚立ち上がりタワークレーンによる作業本格化した。 2009年平成21年)春から工事入った橋桁は、移動作業車使って橋脚上部から両側バランスをとりながら張り出していく工法施工された。既設橋梁移動作業車離隔最小30 cm 程度しかなく、強風下でも接触することのないよう細心の注意払われた。両側から施工されてきた橋桁の閉合が完了すると、移動作業車吊り下げて解体する必要があるが、橋桁施工中エクストラドーズド橋の斜材の施工進んでいたために橋脚地点まで戻すことはできず、既設橋梁橋脚張り出し下部国道町道どの位置を考慮して反対側のまで移動してから降ろすなどの対処が必要となったこの際に、2号橋脚から1号橋脚向けて施工し移動作業車は、1号橋脚側のS字橋桁との間のまだ閉合されていない隙間レールを渡すなどして反対側に乗り移っている。主塔の高さは 5 m で、1.8 m の高さに打継目があり、その上にサドル架台載せられている。斜材ケーブルPC鋼より線防錆油を塗布してポリエチレン被覆したものが使われ橋桁張り出し作業並行して架設緊張作業が行われた。 工事天候恵まれ順調に進んだため予定よりも工期短縮され当初完工予定2010年9月中)より1か月程度前倒し新旧橋梁切り替え工事実施された。2010年7月17日から区間運休した上で旧橋梁起点側を一部撤去し新橋梁橋桁横移動7月20日)・回転7月23日)させて架設する橋桁移動旋回工法」を実施した。これは日本国内初の工法で、移動される全長93 m, 重量約 3,800 t で、平行移動に際しては 1,500 kN 油圧ジャッキ(オックスジャッキ製)を橋台に1台、1号橋脚に4台設置し4.0 m 平行移動させた。その後1号橋脚上に鋼製ストッパ落とし込んで回転軸として、橋台上の油圧ジャッキ位置回転位置移して反時計回り5.2度(橋台上で 4.6 m に相当)回転させて所定位置橋桁据えた8月上旬には接続部分にて設計発生していた隙間コンクリート埋め工事防風設置工事最後にレール敷設電気設備工事が行われ、同年8月11日切り替え工事完成した橋桁移動旋回工法に関して世界初とされる大規模実証実験事前に行われた2009年11月24日清水建設技術研究所実験棟にて同社JR西日本関係者らが参加して、新コンクリート橋桁使われている鋼材を1/10サイズ再現して水平移動回転加圧など本番さながら条件実施され安全性など想定通り結果確認された。 8月10日保線機械マルチプルタイタンパーの上に2往復させてレールさび落とし行い新橋開通初日8月12日未明には単行機関車試運転として試単9513列車 - 9518列車の計3往復走行、さらに下り回送列車3本を回9805D、回9561D、回9563Dと通過させた。定期列車の初運行午前6時半過ぎの始発列車160Dで、同列車には地元住民120人が乗車して新橋梁通過し開通祝った同日開かれた完成記念式典では兵庫鳥取県知事地元選出国会議員地元自治体首長などが出席して列車転落事故犠牲者対す黙祷行い、また完成祝辞述べた。また地元住民により、新橋の高さと同じ 41.5 m の長さの餅作りくす玉割り宝船行列などの行事が行われた。 新橋供用開始により風速規制値30 m/s緩和され以降2010年12月9日初め風速が 31.5 m/s達して運行見合わせ発生した。しかし、供用開始してからこの日までに、従来規制値である 20 m/s超えたのは16日あったことから、架け替えにより運行安定化効果があったと評価されている。 新余橋梁は、2010年度土木学会田中賞作品賞を受賞したこの他にも、プレストレストコンクリート技術協会作品賞、日本コンクリート工学会作品賞、エンジニアリング功労者賞など受けている。

※この「新橋の建設」の解説は、「余部橋梁」の解説の一部です。
「新橋の建設」を含む「余部橋梁」の記事については、「余部橋梁」の概要を参照ください。

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